「いらっしゃいますか」は敬語?電話での使い方と返答・英語を紹介

「いらっしゃいますか」は日本人ならおそらく誰でも使っている、ごくありふれた表現です。しかし、使い方に関して言えば「いらっしゃいますでしょうか」「おいでになりますか」など、色々候補が挙がってきます。

ここでは「いらっしゃいますか」の意味と敬語をはじめ、使い方での注意点、電話やメールでの使い方、返答の仕方、英語を含む外国表現を解説させていただきます。

「いらっしゃいますか」の意味とは?

「いらっしゃいますか」の意味は”相手がいるか尋ねること”

「いらっしゃいますか」の意味は、“自分が求める相手がいるか尋ねること”です。電話や受付などでよく使われる言葉です。ごく自然と放たれる表現のため、意識して使っている人は少ないかもしれません。

「いらっしゃいますか」の文法解説

「いらっしゃいますか」は「いらっしゃる」「ます」「か」の三つの言葉に区切られます。

まず、「いらっしゃる」は「いる」「ある」、また「行く」「来る」の4つの言葉の「尊敬語」で、相手に敬意を表す意図で使われます。

次に「ます」は、言葉を丁寧にまとめるために使われる「丁寧語」です。「いらっしゃる」に後続して「いらっしゃいます」となり、さらに丁寧な言い回しとして相手に敬意を示すために使われます。

最後は「か」です。「か」は表現の末尾に付く疑問助詞の一つです。相手にあることを問う時、尋ねる時に使われ、「〇〇でしょうか?」「〇〇で間違いありませんか?」などのように文末に来る言葉となります。

「いらっしゃいますか」と「いますか」の違いとは?

「いらっしゃいますか」は”いますか”の敬語表現

文法の解説でもお話ししましたが、総じて「いらっしゃいますか」は”いますか”の敬語表現となります。

加えて「いる」の尊敬語には「いらっしゃる」の他、「おいでになる」また、謙譲語には「おる」があります。そのため「いらっしゃいますか」と同様の意味で「おいでになりますか」も、相手に敬意を示す表現として使うことができます。

「いますか」はビジネスシーンではやや不適切

「いらっしゃいますか」はもともと「いますか」の敬語表現です。しかし、ビジネスシーンでは敬語を使うのが基本であるため、初対面の人や目上の相手に「いますか」を直接口にするのは失礼にあたります。「いますか」は繊細なビジネスシーンではNGワードとなる可能性があるので、ぜひとも気をつけましょう。

「いらっしゃいますか」の電話とメールでの使い方とは?

電話では取次ぎの依頼と名前を確認する

「いらっしゃいますか」を電話で使う時は、電話口の人に取次の依頼をしたり、相手の名前を確認する時に使います。

取次ぎを依頼する場合

  • 〇〇部長様はいらっしゃいますか?
  • 〇〇課の〇〇さんはいらっしゃいますか?

直接相手の名前を確認する場合

  • 恐れ入りますが、〇〇様でいらっしゃいますか
  • 失礼ですが、〇〇様でいらっしゃいますか

メールでは相手の都合や交通手段を確認する

「いらっしゃいますか」をめメールで使う時は、相手がいる時間を聞いたり、来社時の交通手段を確認する時につかいます。

相手の都合を聞く場合

  • 明日は終日社内にいらっしゃいますか
  • 何時頃いらっしゃいますか

来社寺の交通手段を確認する場合

  • 電車でいらっしゃいますか
  • 駅から徒歩でいらっしゃいますか

返答の仕方は「おります」や「あいにく席を外しております」

電話やメールで「いる・いない」の意味での「いらっしゃいますか」に対して返答をする際は、「おります」「あいにく席を外しております」などを使うのがベストです。

そのほか、「ある」「来る」「行く」の意味での「いらっしゃいますか」に対しては「はい」「その予定です」などが挙げられます。丁寧な表現を使って返答するように心がけましょう。

「いらっしゃいますか」を使う際の注意点とは?

「いらっしゃいませんでしょうか」は避けたい表現

「いらっしゃいませんでしょうか」は自分をへりくだって相手の所在を確認する時に使われる表現です。しかし、「いらっしゃらない」という否定形に丁寧語と疑問助詞が付く表現となるため、相手がいないということをあえて丁寧に尋ねるような印象を与えてしまいます。

「いらっしゃいませんでしょうか」は文法的には間違いとは言えませんが、相手にややうやうやしい印象を与えてしまうことがありますので、できるだけ使用は避けるようにしましょう。

「いらっしゃいますでしょうか」は間違いではないが堅苦しい印象

「いらっしゃいますか」をさらに丁寧にした表現が「いらっしゃいますでしょうか」です。

こちらの言い回しは、「ます」と「です」の丁寧語を二重に重ねた表現となります。実際、二つの丁寧語を続けて使う必要はないため、相手は重苦しく、堅い印象を受けてしまうことがあります。状況を見極めながらも、やはりシンプルに「いらっしゃいますか」を使うのが適切でしょう。

「いらっしゃいますか」英語・韓国語での表現とは?

国際化が進み、英語や近隣国の言語を話す機会が増えてきました。ビジネスをスムーズに行うためにも、相手国の言語で挨拶程度できるようにしておきましょう。

英語では「Can I speak to…please?」

英語では定型フレーズ「Can I speak to …」を使います。逆に「そこにいますか?」という意味で「Is Mr,Tanaka there in the office?」などと問うのは、ややビジネスルールに外れた印象を与えることがあります。ここは「Can I speak Mr.Tanaka,please?」と、定型フレーズを使って取次ぎをお願いしましょう。

ちなみに、いることを伝える時は、「just a moment, please」や「Yes,I put him on the phone」などと言えば大丈夫です。

The meaning of 「irasshaimasuka」

The meaning of 「irasshaimasuka」is the polite way to ask someone to see if the person is there or able to talk on the phone. It is basic phrase when it comes to business or formal environment. 

韓国語では「ケショニカ」

韓国語では、電話で取次ぎを依頼する時「ケショニカ(계십니까)」を使います。たとえば、「キムさんはいらっしゃいますか」なら「キム ケショニカ」となります。また、「います」と返答する時は「ネ イッスムニダ(네, 있습니다)」を使いましょう。

まとめ

「いらっしゃいますか」は電話やメールで相手の都合を聞いたり、所在を確認する時に相手に尊敬の意図を示すために使われる敬語表現となります。また、言い換えのできる表現には「おいでになりますか」があります。ぜひ、状況に併せて上手に使い分けをしてみて下さい。

社会人として、また信頼されるビジネスマンとしても、正しい敬語を習得することはとても大切です。「いらっしゃいますか」から始まる出会いを期待しながら、正しい敬語を使うように心がけましょう。