「案内」の意味とは?敬語表現や案内状の書き方・例文も解説

「案内」とはよく見聞きされる言葉のひとつですが、実は文書の内容といったあまり使いなれない意味もある奥深い言葉です。今回は「案内」の読み方や意味の他に、「ご案内」などの敬語表現に併せて、案内状の基本的な書き方と文例、英語表現も紹介します。

 「案内」の意味と正しい読み方

「案内」の意味は「場所がわからない人を導くこと」など

「案内」はいくつかの意味がある言葉で、その意味は次の通りです。

  1. 道や場所を知らない人をそこまで導くこと。例:「道案内」「乗換案内」「○○まで案内する」
  2. 知らない人にその場所を説明しながら見せて回る。例:「案内人」「館内を案内する」
  3. ある事柄の詳細。例:「入学案内」「案内図」
  4. ある事柄の詳細をよく知っている。例:「このことに関しては不案内です」
  5. 人の来訪を取り次ぐこと。例:「案内を請う」

さらに、一般的にあまり使われない意味ですが「官庁で作成された文書、またはその内容」という意味もあります。

「案内」の意味は「文書の内容」だけだった

「案内」は平安時代以前には、文書の内容を意味していました。「案」が文書の写しや下書きを意味し、「内」は内容という意味です。

平安時代になると「案内」の意味が変化し始めて、文書の内容という意味だけでなく、内情や事情という意味でも用いられるようになっていきました。

「案内」は送り仮名が「あない」でも「あんない」と読む

「案内」の読み方は「案内」です。古文では、「案内」は送り仮名で「あない」と書かれていますが、読み方としては「あんない」になります。

日本語には音韻として「ん」がなかったため、「案内」の「ん」も表記されないものの自然と「ん」が補われて読まれました。その習慣から、現代では「案内」は「あんない」と読まれます。 

「案内」の類語と意味の違い

「説明」は「わかることを述べる」という意味しかない

「説明」はある事柄をよくわかるように述べることという意味です。

「案内」にも事柄の詳細という意味がりますが、相手に述べるという意味合いは含まれず、また道を知らない人を導くなどの他の意味がいくつかある点で違います。

例文

「プログラムの使い方を説明する」

「手引き」には人助けという意味が含まれる

「手引き」とは、道や場所について知らない人を導くという意味です。

「案内」の意味と似ていますが、「手引き」には手助けするという意味が含まる点で違います。たとえば「手引き」には誘導では手を引いて助けるや、情報伝達では相手を手助けするという意味合いが含まれます。

例文

A君の手引きで内部情報をつかんだ」

「誘導」は導かれるものが行きたいわけではない

「誘導」は誘い導くことで、人やものをある目的となる場所や状態に導くことという意味です。

「案内」も人を導くという意味がありますが、「誘導」は導く人が行きたいと思っているとは限らない場所にも連れていきますし、あるものをある状態へと導くという意味もあります。

例文
  • 「観客を入場口に誘導する」
  • 「車を駐車スペースに誘導する」

「案内」の敬語表現と使い方

「ご案内」は「案内」の敬語的表現

「案内」に接頭語である「ご(御)」をつけることで、敬語の中でも謙譲表現になります。「案内」という自分の行為を相手に対して敬意を表しています。

「案内」を使った敬語表現は次のようなものがあります。

例文
  • 「ご案内します」:(意味)自分で案内する
  • 「ご案内申し上げます」:(意味)自分で案内する
  • 「ご案内いただきます」:(意味)自分が相手に案内してもらう

 「ご案内いたします」は正しい謙譲表現

訪問先で「ご案内いたします」という表現を聞いたことはないでしょうか。「案内」という名詞の前後に「ご~いたします」と敬語が重なり二重敬語で間違っていると思われがちな表現ですが、「ご案内いたします」は正しい敬語表現です。

「ご~いたします」は謙譲表現のひとつで、「ご案内いたします」は「~」の部分に名詞の「案内」を入れた正しい謙譲表現です。

二重敬語と勘違いされやすい理由は、接頭語の「ご」を尊敬表現だと勘違いされるからです。「ご案内いたします」の「ご」は尊敬語ではなく謙譲語です。そもそも「案内」は自分がする行為のことで尊敬表現は使えず、相手に対して敬う表現である謙譲表現が用いられます。たとえ「ご案内」だけをとっても尊敬表現にはなりません。

「案内状」の書き方と例文

「案内状」とは「お知らせまたは招待するための書状」

「案内状」とは催し物のお知らせをするための書状という意味と、催し物に招待するための書状という2つの意味があります。

ビジネスシーンではイベントや式典などの案内、プライベートでは結婚式やお誕生日などのイベントに、法事などの案内をするときに使われるでしょう。

「案内状」の基本的な記載項目

案内状に書くべきことは、まずは「タイトル」で何の催し物かが一目でわかるように表記します。「差出人名」は会社なら社名、個人なら氏名を書き、「宛先の名前」を書きます。

「本文」の前には「挨拶文」を書き入れ、「催し物の日時や場所などの詳細」になります。

「案内状」の挨拶文の例文

ここでは会社または個人が案内状を出すときの挨拶文を紹介します。

ビジネス案内状の挨拶文
拝啓

貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素より格別のお引立てを受け賜り、厚く御礼申し上げます。

春のころの結婚式の案内の挨拶文

花の色が美しい季節となりました。皆様におかれましては、ますますご清栄のことをお喜び申し上げます。

 法事の案内状の書き方

身内だけで済ませない一周忌や四十九日の法要などの大きな法要を営むときに、案内状が使われます。出欠の返事がもらうため返信用はがきを同封するか、往復はがきが用いられることが多いです。

案内状の形式としては他の挨拶案内状と形式としては変わらず、挨拶文にはじまり、本文、そして日時や場所などの法要の詳細を簡潔にまとめます。

父の一周忌法要の案内状例文

謹啓

新春の候、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、昨年父○○を亡くしましてから、まもなく一周忌を迎えます。つきましては、下記のとおりささやかな法要を営みたいと存じます。

つきましてはご多忙恐縮と存じますが、ご参列賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

謹白

日時:○月○日(▢曜日)午前○時
場所:○○○寺

令和○○年○月○日

(差出人名)

なお、勝手ながら同様のハガキにて○月○日までにご返信お願い申し上げます。

 

四十九日と7回忌を一緒に執り行う場合には、文末に「当日は故○○の七回忌法要も併せて行います」のように一文を添えるといいでしょう。

「案内」の英語表現

「案内」は英語で「guide」や「information

「案内」は英語で「guide」で、ある事柄の詳細や方が那語にもなっているように導く人という意味のガイドなどの意味で使われます。

  • guide book”:「ガイドブック」
  • “a tour guide”:「ツアーガイド」

また、物事の内容という意味なら「information」も使えるでしょう。

“school information”:「学校案内」

ただし「道案内する」というときには、「guide」を使うよりは「show」を使うほうが自然です。

例文

“I will show him the way to the station.”
「駅までの道を彼に案内する」

まとめ

「案内」はその場所を知らない人を連れて歩くことや、「○○案内」のように事情を説明して知らせるといった意味がある一方で、文書の内容や取次などを意味することもあります。使い慣れない意味もある「案内」なので、聞き慣れない使い方に慌てないように、「案内」のそれぞれの意味を理解しておきましょう。