ウェブマーケティングの話題で「バイラル」という言葉を聞くことがあります。インターネット用語やカタカナ語は苦手という人も多いかもしれませんが、ウェブマーケティングの知識はこれからの時代、必須ともいえるものです。
「バイラル」の意味を解説しますので、参考にしてください。
「バイラル」の意味は?
意味は「ウイルスに感染するように口コミで爆発的に広がる」
「バイラル」の意味は、「ウイルスに感染するように口コミで爆発的に広がる」です。バイラルは英語で「viral(ヴァイラル)」と書き、「ウィルス性の」という意味の形容詞です。もとの語は「virus(ヴァイラス)」で、カタカナ語で「ウィルス」の意味の名詞です。
「バイラル」を使った言葉
「バイラル効果」
「バイラル効果」とは、マーケティング用語で、「バイラル」の意味で説明したように、まるでウイルスに感染するように口コミで爆発的に広がることをいいます。
「バイラルマーケティング」
「バイラル効果」を狙ったマーケティングのことを「バイラル・マーケティング( Viral marketing)」といいます。
「バイラルメディア」
バイラルマーケティングを行うメディアのことを「バイラルメディア」といいます。SNSで拡散されることを目的に作成されたブログなどで、話題性のある動画や画像を用いてユーザーの興味を引くように構成し、大規模な口コミ効果を狙います。
「バイラルCM(ムービー/動画)」
バイラルCMとは、ブログやSNSなどインターネット上の口コミで話題になることを期待して制作され、バイラルメディアを通じて配信されるネット上のCM(コマーシャル・メッセージ)のことです。「バイラル・ムービー」「バイラル動画」ともいわれます。
「バイラルマーケティング」の手法と効果
バイラルマーケティングについて詳しく説明していきます。具体的な手法と効果を説明します。
「バイラルマーケティング」の手法はウェブマーケティング
バイラルマーケティングとは、バイラルメディアを用いて自社の製品やサービスなどを、口コミの手法を用いて広げるウェブマーケティングの手法のことです。具体的には、ユーザーが自分の友人などに紹介したくなるような仕掛けを作り、拡散されることにより販売促進やブランディング効果を期待します。
例えば商品ページに「友人に紹介する」機能をつけ、メールアドレスを入力させるような仕組みを作ったり、バイラルCMを制作してネットで配信し、拡散を狙います。
「バイラルマーケティング」は低コストで高い効果が得られる
通常のマーケティングでは、不特定多数の見込み客に広告を打ったり、顧客に直接メッセージを送ったりしますが、この手法はコストがかかる、ターゲットを誤ると費用対効果が低い、などのデメリットがあります。対してバイラルマーケティングの手法はユーザーの「口コミ」効果を狙うものであるため、低コストで高い効果が得られるといわれています。
「バイラルマーケティング」の事例
バイラルマーケティングの成功事例
バイラル・マーケティングの成功事例として最初のものは、90年代に無料メールの「Hotmail」が行った手法です。Hotmailでメッセージを送ると、最後に「Hotmailで無料メールを入手しよう」という文章が自動的に挿入されました。それにより、認知度が一気に高まり、ユーザーが急激に増加しました。
その後は「iPhone」も同様にコンテンツ挿入でマーケティングに成功しています。メールを送信するとメールフッター部分に「iPhoneから送信」という文が挿入される仕組みにより、短期間で認知度が高まりました。
その他の「バイラル」
バイラルランキング(バイラルチャート)
音楽配信サービスでは通常ダウンロードされた数のランキングを発表するヒットチャートがあります。それとは別に、SNSでシェアされた数をベースにランキングやチャートを作成することをバイラルランキングやバイラルチャートといいます。
バイラルトップ
バイラルランキング(バイラルチャート)でトップとなった楽曲をバイラルトップと呼ぶのが一般的です。
「バイラル」と「バズ」の違いは?
バイラルマーケティングの他にも、口コミを活用したマーケティング手法にバズマーケティングがあります。両者の違いを説明します。
バズとバズマーケティングの意味
「バズ」とは、英語で「buzz」と書き、たくさんの人のざわめきやうわさ話の意味があります。バズマーケティングは口コミを意味するマーケティング用語です。
バズマーケティングの手法
人目を引くニュースやインパクトの強い表現を故意に用いることでユーザーの関心を集め、一時的に大量の拡散を狙う手法です。SNSなどで情報の拡散が一時的に大量に行われた時、「バズる」「バズった」などと表現されます。
バイラルマーケティングとバズマーケティングの違い
バイラルマーケティングはメッセージの拡散を広く行い、認知を高めることを目的にしているのに対して、バズマーケティングは意図的にインパクトのある発信を行うことで注目を一気に集めるのが目的という違いがあります。
しかし実際は明確な線引きは難しく、両者の意図を混在させたマーケティングが活発に行われています。両者とも、意図的に口コミを仕掛け、認知度や購買意欲を高めることを目的としています。
まとめ
「バイラル」とは、主にネット上の口コミを利用して販売促進などを行う「バイラル・マーケティング」などのマーケティング用語に冠された語でした。近年はSNSを活用したウェブマーケティングを企業が活発に行うようになっています。今後はますます「バイラル・マーケティング」のようなマーケティングについての知識は、業界を問わず求められるものとなっていくでしょう。有効な手段として活用できるよう、幅広く意味を知っておくことが大切といえそうです。