「醸成」の意味!ビジネスでの使い方と例文・類語と対義語・英語も

「醸成」と聞いてどんなことを想像しますか?多くの人が酒や醤油などを思い浮かべると思いますが、その他にも、気運や状態などを作り出す表現として、ビジネスや日常でも使われています。

ここでは「醸成」の2つの意味、ビジネスでの使い方と例文、類語と対義語、最後に英語での表現を加えて解説させていただきます。

「醸成」の2つの意味は?

「醸成」の意味1「発酵させて酒や醤油を作り上げること」

「醸成(じょうせい)」の一つ目の意味は「原材料を発酵させることで酒や醤油を作り出すこと」です。発酵作用を応用して、時間をかけながら酒や醤油を自然なかたちで作り上げることを指します。

「醸成」の「醸」は「かもす」、また「酒」を直接表す漢字でもあります。「成」は、「ある形になる」「出来上がる」「育つ」という意味があります。この二つが重なってできた言葉が「醸成」です。

酒や醤油は、一朝一夕で作り出すことはできません。じっくり自然と時間を欠けながら、味や風味を醸し出すことが大切です。

「醸成」の意味2「ある状態やそのような気運になっていくこと」

「醸成」の二つ目の意味は、一つ目の意味「原材料を発酵させて、じっくりと酒や醤油を作る」が転じて「ある状態やそのような気運に、徐々になっていくこと」となります。

元の状態があって、何かがきっかけとなり、別の状態へとゆっくり変化していくことを意味します。つまり「醸成」本来の意味が示すように、時間をかけながら、ある状態や気運を醸し出していくというニュアンスです。

「醸成」のビジネスでの使い方と例文

ビジネスで「醸成」は意識や信頼などに対して使う

ビジネスでも「醸成」を使うことがあります。たとえば、部署内での一体感やクライアントとの信頼感、チーム内でのやる気、社内のムードなど、世論など、ある現象に対して、じっくりと時間をかけて築き上げていく時に使われます。

  • 週一度のミーティングを経て、部下との信頼関係を醸成していくつもりだ。
  • 毎朝行う所感は、社内の一体感を醸成することに役立っている。
  • 自己啓発コースに参加することで、営業マンとしてのプライドを醸成する。
  • A社との契約合意を醸成していく。
  • やる気のない仲間と一緒にいると、ネガティブな雰囲気を醸成させてしまう。
  • 〇〇党に好意的な世論を醸成する。
  • 笑いやジョークが飛び交う環境へと醸成していき、暗い社内を一新していきたい。

「醸成」と「育成」の微妙な意味の違いに着目しよう

「醸成」と似た言葉に「育成」があります。「育成」は設定したゴールに向かって、知識を増長したり、持ち前の才能を開花させたりすることに重点を置いているのが特徴です。「育成」は「育てる」という抽象的な目標を置くのに対し、「醸成」は「作り出す、そのような状態や気運を醸し出していく」というニュアンスがあります。

ビジネスシーンにおいては新人教育やリーダー育成など、対象となる人材をある状態から別の良い状態へと育てる時に使われますが、「醸成」とはややニュアンスが異なるため使い分けに気をつけましょう。

「醸成」の類語と対義語は?

「醸成」の類語は「醸し出す」「涵養」「養成」

「醸成」の類語は「醸し出す」「涵養(かんよう)」「養成」などが挙げられます。「醸し出す」とは「気分や雰囲気、状態などを徐々に作り出していくこと」、「涵養」は「自然としみこむようにゆっくりと養成したり、養い作ること」、また「養成」はトレーニングや教育を通して、目標レベルまで成長を促すこと」を意味します。

  • 時間をかけて自分の魅力を醸し出していく。
  • 国会では長年、減税実現化の涵養に努めている。
  • スキルと併せて楽しいアイデアを育てながら、本格的なシェフを養成していく。

「醸成」の対義語・反対語は「急拵え」

「醸成」の正式な対義語や反対語はありません。しかし、「醸成」の意味の反対を表す言葉としては「急拵え(きゅうごしらえ)」が挙げられます。「急拵え(きゅうごしらえ)」は、時間をかけず、その場しのぎで急いで準備すること、また仕上げること」を意味します。

「急拵え」は応処置的なニュアンスがあるため、ゆっくりと時間をかけて自然に醸し出すという意味を持つ「醸成」とは相反するプロセスを表します。ビジネスでも使われる熟語ですので、使い方を把握しておくと便利でしょう。

  • 突然企画案の提出を求められたが、急拵えで書き上げたので納得はしていない
  • 急拵えでエンジニアを集め、取引先のコンピューターシステムを修復することになった。

「醸成」を英語で表現すると?

「醸成」は英語で「nurture」や「foster」

「醸成」は文脈や内容によって適切な英語が異なりますが、最もよく使われるのが「nurture」や「foster」です。

もともと「nurture」は仕込む、育てる、養成する、また「foster」にも育てる、ものごとを育成するという意味を持ちますが、どちらも転じて「醸成」という意味で使われています。

「醸成」を使ったビジネス英語例文

  • B社とは素晴らしい関係を醸成していきたい。
    We would like to nurture a wonderful relationship with B company.
  • 目標を達成するという意識を醸成していくつもりだ。
    We are going to foster the sense to achieve the goal.

まとめ

「醸成」には「原材料を発酵して、醤油や酒などを作り上げること」また「ある状態やそのような気運に徐々になっていくこと」という2つの意味があります。ビジネスでは主に「雰囲気、やるき、信頼、連帯感、関係、世論」などに対して、少しずつ状態や気運を醸し出していく時などに使われます。

ぜひ「醸成」と「育成」の微妙な意味の違いを把握して、ビジネスシーンでも積極的に使っていきましょう。