「考慮」の意味とは?「配慮」との違いと「考慮する」の例文も解説

「考慮」とは「よく考えること」を意味する言葉です。敬語を加えた「ご考慮」はビジネスシーンでも良く使われる言葉ですが、類語の「配慮」や「勘案」「加味」との違いが分からないという方もいるでしょう。この記事では「考慮」を使った例文や類語との違いも解説します。くわえて、「考慮」の英語表現も解説しましょう。

「考慮」の意味とは?

「考慮」の意味は”よく考えること”

「考慮」の意味は、“様々な要素をふくめて、よく考えること”です。「考」が”考えること”を、「慮」が”あれこれと思いを巡らすこと”を表します。単に「考える状況」で使用するのではなく、「判断・行動する前に、様々な要素をふまえて考える状況」で使いましょう。

「考慮」の使い方と例文とは?

「考慮する」「考慮して」のように使う

「考慮」の使い方には”考慮する”や”考慮して”があります。「様々な要素をふくめて、よく考える状況」または、「様々な要素をふくめ、考えた上で何かを行う状況」で使用しましょう。

例文

・社会への影響を考慮する必要がある

・いくつかの問題点を考慮して進めなければいけない

「考慮に入れる」は”考える要素に入れる”を意味する

「考慮に入れる」とは”判断・行動する上で、考えなければいけない事柄に入れること”を意味します。「考慮する」や「考慮して」と同様に、よく使われる言い回しの1つです。

例文

彼の希望も考慮に入れなければならない

意味:彼の希望も考える要素に入れなければならない

「考慮の末」は”考え抜いた結果”を表す

「考慮の末(こうりょのすえ)」も「考慮」の使い方の1つです。「考慮の末」とは”よく考えて行きついた結果”を意味し、「○○の末」が”行きついた結果”を意味します。様々な要素をふくめて、よく考えた結果を表す状況で使用しましょう。

例文

考慮の末、新規事業を見送る運びとなりました

意味:考えに考えた結果、新規事業を見送ることになりました

敬語を加えた「ご考慮」はビジネスに適している

ビジネスシーンなどで「考慮」を使う場合、敬語をくわえた「ご考慮」が適しています。「ご考慮」とは”考慮”に接頭語の「御(ご)」を加えた表現で、目上の相手へ使用されます。「ご考慮いただき」や「ご考慮の程」のように使いましょう。

「考慮」を使った例文

「考慮」を使った例文をご紹介しましょう。

  • あらゆる問題点を考慮した結果、従来の方法に定まった
  • 必要物資が足りないことを考慮しなければならない
  • こちらの事情を考慮するつもりはないと告げられた

「考慮」の類語とその違いとは?

「考慮」の類語は”配慮・勘案・加味”

「考慮」と似た意味をもつ言葉(類語)には“配慮(はいりょ)・勘案(かんあん)・加味(かみ)”が当てはまります。

「配慮」…いい結果になるよう心を配ること。

「勘案」…あれこれと考えを巡らすこと。

「加味」…あるものに別の要素を付け加えること。

「考慮」と「配慮」は”物事にたいして注意を巡らす”という点で類似しており、「考慮」と「勘案」は”あれこれとよく考える”という点で類似しています。また、「考慮」と「加味」は”考える要素として加えるさま”が類似しているため、類語に当てはまるのです。

「考慮」と「配慮」の違いは”何を考えるか”

「考慮」と「配慮(はいりょ)」にはどちらも”考えること”を意味する「慮」という漢字が含まれていますが、何を考えるかが異なります。「考慮」は”判断・行動のために、様々な要素をふくめて考えること”を意味する一方で、「配慮」は”相手や物事の結果を考えて、心を配ること”を意味するのです。

また、「考慮」は”考えること”に焦点が当てられているのに対し、「配慮」は”気・心を配ること”に焦点が当てられているという違いもあります。

「考慮」…様々な要素を考える/「考えること」に焦点を置く

「配慮」…相手や物事の結果を考える/「心を配ること」に焦点を置く

「考慮」と「勘案」の違いは”考える数”

「考慮」と「勘案(かんあん)」はどちらも”考えること”を意味しますが、2つの違いは「考える数」にあります。「考慮」は”Aを考慮する”や”AとBを考慮する”のように、考えることが1つでも複数でも使用できます。

一方で「勘案」は”多方面の事情を勘案する”のように、複数のことを考える状況でしか使われません。

「考慮」…考える事柄が1つでも複数でも使える

「勘案」…考える事柄が複数のときにのみ使える

「考慮」と「加味」の違いは”意味”

「考慮」と「加味(かみ)」の違いは”意味”にあります。「加味」とは”あるものに他の要素を加えること”を意味する熟語で、「考慮」とは”様々な要素をふくめる”という点で類似しています。

しかし、「加味」は”加えること”を意味しているのであって、「考慮」のように”考える”という意味は含まれません。「加えること」を表す場合は”加味”を、「考えること」を表す場合は”考慮”を使い分けましょう。

「考慮」…「考えること」を意味する

「加味」…「加えること」を意味する

「考慮」の英語表現とは?

「考慮」は英語で”Consider”

「考慮」の英語表現には“Consider”が当てはまります。「Consider」とは”考慮する・熟考する”を意味する単語です。「To consider(考慮する)」や「To take into consideration(考慮に入れる)」のように使いましょう。

まとめ

「考慮」とは「さまざまな要素をふくめて、よく考えること」を意味する熟語で、「考慮する」「考慮して」のように使います。類語には「配慮」や「勘案」「加味」が当てはまりますが、それぞれの意味に違いがあるため使い分けましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。