「拝察」の意味とは?推察との違いやメールでの例文を紹介

日常生活ではなかなか見かけることの少ない「拝察」という言葉。しかし意外にもビジネスや冠婚葬祭のシーンで使われることも多いのです。いざという場面で間違えないためにも、「拝察」の正しい意味と使い方を紹介していきます。

「拝察」の正しい意味とは?

意味は「特定の情報に基づき、推測する・推し量ること」

「拝察」の意味は「特定の情報に基づき、推測する・推し量ること」です。読み方は「はいさつ」です。

「拝察」の敬語とは?

拝察は「思う」「考える」の謙譲語

拝察は、「思う」「考える」のへりくだった表現(謙譲語)であり、推察を丁寧に言い換えた敬語表現として使われます。また「拝察」には相手の状態を推し量る場合と、相手の気持ちを思いやる場合の2種類の使い方があります。特に後者の場合、お悔やみのシーンでよく用いられます。

「拝」という字は自分の動作をへりくだって表現する

へりくだっての表現とは、相手に対して自分を下げる敬語表現で、謙譲語といいます。「拝」という字には謙譲表現が含まれているため、基本的には自分の動作に対して用います。

「拝察」の正しい使い方とは?

「拝察」には「お」や「ご」はつけない

「拝察」にはすでに敬意が込められているため、「拝察する」という使い方で問題はありません。しかしより敬意を込める表現として「する」の方を敬語にすることも多いです。したがって、「拝察します」や「拝察いたします」、「拝察申し上げます」という表現もよく見受けられます。

「拝察」を使うタイミングと文例

主にビジネスシーンや冠婚葬祭、スピーチなどのかしこまった場面で使います。また、お悔やみの際によく使われる表現でもあります。

  • 〇〇様の胸中、拝察申し上げます。

このように使うことで、相手の気持ちへの思いやりを、丁寧に伝えることが可能です。他には以下のように使うことができます。

  • 奥様の悲しみは、いかばかりかと拝察いたします。
  • 春風が穏やかな今日この頃、皆様におかれましてはますますご健勝のことと拝察申し上げます。

拝察の類語とは?

「拝察」の類語は「推測する」、「察する」

「拝察」の類語として、推察・推測・察する・推し量るなどがあります。どれも「相手のことを思う・考える」という意味を含む言葉です。

他人の動作に使うときは「賢察」か「高察」

先で述べたように、「拝察」の「拝」には自分の動作を指す意味合いがあるので、他人の動作には使えません。「拝察」と同じ意味合いで、他の人の動作に使いたいときは「賢察」、「高察」という言葉を用います。また、「推察」に「ご」をつけた「ご推察」という言葉を用いることで同じ意味合いを持たせることもできます。

「拝察」と「推察」の違い

「ご推察」は、相手の動作を敬う表現

推察に「ご」をつけた「ご推察」は、相手を敬う表現として使われます。「拝察」が「私は思っております」という意味なら、「ご推察」は「あなたが思っている」という意味になります。

「ご推察のとおり〜」という使い方をすること多いです。文例としては、「ご推察の通り、現在多忙な状況になっております」のように、「あなたの思っている通り」という意味で用いられます。

「拝察」を使うときの注意点

他人の動作に対して使うことはできない

「拝察」は自分の動作に対して使用する言葉なので、他人の動作に対して使うことはできません。「拝察」と同じ意味合いで、他人が誰かの心中を思いやったり、推し量ったりする場面には、「賢察」といった言葉や「高察」といった言葉を使用します。

「拝察」を使った例文

メールで使われる「拝察」の例文

メールでもよく使われる「拝察」という言葉。メールで良く見かける文面と合わせて、例文をいくつかご紹介します。

  • 今回の内容は、慎重に考慮されたことと拝察します。
  • 皆様におかれましては、常に向上心をもって職務に就いていることと拝察します。
  • 皆様からいただいた貴重なご意見から拝察すると〜。

まとめ

「拝察」は日常的に使う言葉ではないため、正確な使い方を理解していない人もいるかもしれません。しかしビジネスシーンや冠婚葬祭の場面などのかしこまったときに使うことが多いので、いざというときに「拝察」が使いこなせるようになっておくと今後に役立ちます。また、相手方が使ってくる場合多い用語でもあるので、しっかり意味を把握しておくことが大切だと言えるでしょう。