「既視感」の読み方と意味とは?使い方と類語や英語表現も解説

初めて訪れる場所なのに、懐かしい気持ちがする心理現象を「既視感」といいます。一般的な会話では、心理学用語とは別の意味でも使われています。この記事では、「既視感」の意味を整理し、一般的な使い方や類語、英語表現についても紹介します。

「既視感」の意味と読み方とは?

既視感の意味は「前に見たことがある」が一般的

「既視感」は、漢字の意味をそのままあてはめると、「既に視た(見た)感じ」という意味となるため、心理学用語の意味から離れて、「以前に見たことがある」「見覚えがある」という意味で一般的に用いられています。

実際には体験したことがないのに、どこかで体験したことがあるかのように感じる心理的な現象とは全く違う意味で、一般的には用いられていることがポイントです。

「既視感」の読み方は「きしかん」

「既視感」の読み方は「きしかん」です。「がいしかん」ではありません。

「既(き)」とは既に(すでに)起こったことという意味です。「既述(きじゅつ:前に述べたこと)」「既成(きせい:事柄が既に出来上がっている)」などの語にも使われています。

「既視感」の一般的な使い方と例文

「前に見たことがある」という意味の使い方と例文

ある事柄について、「前に見たことがある・見覚えがある」という意味を表現するために「既視感」のワードが使われます。認知機能の錯覚や心理学的な意味で使われるのではなく、もうすでに知っていることだ、同じことが繰り返されている、という意味で使われます。

例文
  • その映画コンセプトには若干の既視感があった
  • その作家の新しい小説を読んだ人の多くが既視感を感じた
  • 既視感のある問題がまた政治の中枢で起きている

「新鮮味がない」という意味での使い方と例文

「既視感」は、「新鮮味がない」という意味でも使われます。

例文
  • スタートアップ企業に既視感があると誰も投資しない
  • 既視感が激しい漫才ネタだった

「既視感」の類語とは?

「既視感」と同じ意味で使われる「デジャブ」

既視感はフランス語「déjà vu(デジャヴュ)」の訳語ですが、英語では「deja-vu」と書き、「デジャブ」または「デジャブー」と発音します。

「デジャブ」は英語由来のカタカナ語として、一般的な意味での「既視感」と同じ使われ方がされています。デジャヴは外来語としてその意味が広く浸透していないこともあり、「デジャブ(既視感)」というようにカッコの既視感をつけて使われることが多いです。

新鮮味のないことを表す「二番煎じ」

「二番煎じ(にばんせんじ)」とは、二度目に煎じた薬や茶のことで、転じて繰り返しによって新鮮味のないもののことをいいます。一般的な会話で新鮮味がないことを「既視感がある」と表現することがありますが、「二番煎じ」の慣用句を使って言い換えることもできます。

例えば、「今回の政策の目玉には既視感がある」は「今回の政策の目玉は二番煎じの感がある」と言い換えることができます。

「既視感」の語源とは?

既視感は「既に見られたもの」という意味のフランス語が語源

「既視感」は、「既に見られたもの」という意味のフランス語の「déjà vu(デジャヴュ)」が語源の言葉です。「見る」を意味する動詞「ヴュ」に「視」の漢字を訳語としてあてたものですが、実際には視覚だけでなく、聴覚や触覚などの要素も含みます。

つまり、「実際には視たことがないのに視たように感じること」だけでなく、聴覚や触覚なども含んだ「体験」を対象にしています。そのため、既視感は「既知感」ともいいます。「既知(きち)」とはすでに知っていることという意味です。

本来は「体験したことがないのにそう感じる現象」を指す心理学用語

「既視感」とは、実際には体験したことがないのに、どこかで体験したことがあるかのように感じる心理的な現象を意味する心理学用語です。

典型的な例としては、初めて訪れた場所なのに、以前にも来たことがあると感じ、時には懐かしい気持ちも伴う現象です。

人間の認知機能の錯覚として生じるものですが、心理学的には、過去に経験した複数の出来事に関する記憶の混同が原因の一つともされています。

「既視感」の英語表現は?

「既視感」は英語で「deja vu」

「既視感」の英語表現は「deja vu」です。フランス語由来の言葉であるため、フランス語の綴りを英語表記した形で使われます。「déjà vu」とフランス語表記のまま使うこともあります。

英語での「deja vu」の一般的な使い方は、「体験したことがないのにそう感じる」という意味で使われたり、日本語と同様に「以前見たことがある、見覚えがある」という意味で使われたりします。

まとめ

「既視感」とは、本来は心理学的な現象を指す心理学用語ですが、一般的に用いられるときには「前にも見たことがある」「見覚えがある」という意味で使われています。

「すごい既視感!」のような使い方で、見覚えがあったり、新鮮味がないという感覚を一言で表現するのに便利な表現として、カジュアルな会話にも多用されています。