「謁見」の意味とは?使い方の例文や類語「拝謁」と対義語も解説

「謁見(えっけん)」とは「目上の人に会うこと」を意味する言葉です。目上の相手であれば誰にでも使えるわけではなく、天皇や国王など使用できる相手は限られていると知っていますか?「謁見」の読み方や使い方の例文、類語「拝謁」との違いも解説します。くわえて、「謁見」の対義語や英語表現も解説しましょう。

「謁見」の意味と読み方とは?

「謁見」の意味は”目上の人に会うこと”

「謁見」の意味は、“目上の人に会うこと”です。「謁」が”身分の高い人と会うこと”を、「見」が”見ること”をそれぞれ意味します。

会社の上司や先輩など日常的に会える相手ではなく、「貴人(きじん)」と呼ばれる地位や身分が高い相手へ使いましょう。身分の高い相手と会うため、「謁見」には手続きを必要とする場合があり、会う相手によっては公的な面会を「謁見」と呼ぶこともあります。

「謁見」の読み方は”えっけん”

「謁見」の読み方は“えっけん”です。「謁」は音読みで”エツ”、訓読みで”まみ(える)”と読みます。日常的に使う熟語ではないため、読み間違えに注意しましょう。

「謁見」の使い方と例文とは?

「謁見」は天皇や国王へ使う

「謁見」は天皇や国王・将軍など、高い位をもつ相手へ使われます。「副社長と謁見した」や「彼女の両親と謁見した」など、単なる目上の相手へ使用するのは不自然です。

また、「謁見」を話し言葉として使うことは少なく、書き言葉として使われることが多くあります。

「謁見する」「謁見した」などの表現をする

「謁見」の使い方には「謁見する」や「謁見した」などがあります。「謁見する」は”目上の人と会うこと”を、「謁見した」は”目上の相手と会ったこと”をそれぞれ意味します。

例文

・謁見することこそ叶ったが、話は聞き入れてもらえなかった

・国王に謁見するともなれば相応の恰好をしなければならない

・皇帝に謁見したその日から彼の志はかわった

・貢納品を携えて女王に謁見した

「謁見を受ける」とは”会ってもらうこと”

「謁見を受ける」とは”目上の相手に会ってもらうこと”を意味します。「陛下の謁見を受ける」や「国王の謁見を受ける」のように使いましょう。また、「謁見要求」や「一般謁見」などの使い方がありますが、「謁見乱用」という使い方はありません。

「与えられた権限以上の行為」を意味する「越権(えっけん)」と、「越権」の類義語である「職権乱用」が混同した言葉で、誤用であるため注意しましょう。

「謁見室」「謁見の間」は”会う場”を表す

目上の相手と会う場所のことを「謁見室(えっけんしつ)」「謁見の間(えっけんのま)」と呼びます。

例文

・謁見室のドアが開き、その場を支配する男が現れた

・謁見の間には皇帝により集められた各地の王が座していた

「謁見」を使った例文

「謁見」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 謁見を求めた1人の少女を突き返した
  • 本来であれば明日、国王に謁見できるはずだった
  • はれて皇帝に謁見する機会が与えられた

「謁見」の類語・対義語とは?

「謁見」の類語は”拝謁”

「謁見」の類語には“拝謁(はいえつ)”が当てはまります。「拝謁」とは”身分の高い相手に会うことをへりくだらせた言葉”で、「拝謁する」や「拝謁の際」のように使います。また、「拝謁」以外にも“お目見え”“お目通り”も類語に当てはまるため、目上の相手と会う状況で言い換えてみましょう。

・「拝謁(はいえつ)」…身分の高い相手に会うことをへりくだらせた言葉。

・「お目見え(おめみえ)」…目上の人と会うことをへりくだらせた言葉。

・「お目通り(おめどおり)」…拝謁すること。

「謁見」と「拝謁」の違いは”表現”にある

「謁見」と「拝謁」の違いは“表現”にあります。「謁見」は”目上の相手と会うこと”を意味しますが、「拝謁」は”目上の相手と会わせていただくこと”を意味しており、「謁見」の謙譲表現に当てはまるのです。

「謁見」の対義語は”引見”

「謁見」の対義語には“引見(いんけん)”が当てはまります。「引見」とは”高い身分の人が下の人を呼びよせて会うこと”を意味します。「目上の人と会う」という点では同じ意味をもちますが、「目上と目下どちらの要求により会うのか」という点で反対の意味をもつのです。

「謁見」の英語表現とは?

「謁見」は英語で”Audience”

「謁見」の英語表現には“Audience”が適しています。「Audience」は”観客”や”見物人”の意味として使われる単語ですが、同時に「謁見・拝聴」という意味でも使われます。

「Letter of audience(謁見状)」や「Audience to Her Majesty the Queen(女王陛下に謁見する)」のように使いましょう。

まとめ

「謁見」とは「目上の人に会うこと」を意味する言葉で、「謁見する」「謁見した」のように使います。単なる目上の相手へ使うのではなく、天皇や国王など高い位をもつ相手へ使われます。

類語には「拝謁」や「お目見え」「お目通り」が当てはまるため、言い換えてみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。