「高尚」の意味とは?皮肉になってしまう使い方や類語・対義語も

「高尚(こうしょう)」とは「立派なこと」を意味する言葉です。相手を評価する言葉としていい意味をもつ「高尚」ですが、使い方によっては「皮肉」になってしまうことをご存知でしょうか。

この記事では「高尚」の意味や読み方、使い方の例文、類語を解説します。対義語や英語も解説しましょう。

「高尚」の意味と読み方とは?

「高尚」の意味は”立派なこと”

「高尚」の意味は、“程度が高く立派なこと・上品なこと”です。主に学問や技芸、その人の話した内容や行いに対して使われます。「高」は”程度が高いこと”を、「尚」が”更に・より一層”をそれぞれ意味しています。

例文

職業に貴賎なしというように、仕事はどれも高尚である

意味:職業に貴賎なしというように、仕事はどれも気高く立派である

「高尚」の読み方は”こうしょう”

「高尚」の読み方は“こうしょう”です。「尚」という漢字は音読みで「ショウ」と読むほかに、訓読みで「なお・たっと(ぶ)」と読みます。日常生活において多く使用される言葉ではないため、読み間違いに注意しましょう。

「高尚」はなぜ皮肉になるの?

「高尚」はむやみに使うと「皮肉」になってしまう

「高尚」は相手の行いや人間性を高く評価する状況で使われます。しかし、使い方によって「皮肉」と捉えられることがあるため注意しましょう。

たとえば、品位に欠ける行いに対して「ずいぶんと高尚ですね」と声をかけた場合、相手の行いに対する皮肉と捉えられる可能性があります。これは、わざわざ「それは立派ですね」と実態にそぐわない評価をしているためです。

「高尚」かどうかは本人の価値観による

「高尚」という言葉は、「趣味」に対してもよく使います。しかし「高尚かどうか」は人によって捉え方が様々です。自分の趣味を周囲と比較して、引け目に感じる人もいます。

無暗に「高尚な趣味ですね」と声をかけると、人によっては「皮肉・バカにされた」と感じることもあるため注意しましょう。

「高尚」の使い方と例文とは?

「高尚」は相手の行為や人間性を表す言葉

「高尚」は相手の話す内容や行い、学問や技芸などの能力を含めた人間性を評価する言葉です。「高尚な性格」や「高尚さをもつ」のように、対象とするものの程度が高い状況で使いましょう。

例文
  • どれだけ高尚な人間でも、少なからず欲をもっているものだ
  • 高尚な行いを続けていれば救われると信じている
  • 知性と品性を兼ね備えた、まさに高尚なお方なのだ
  • 彼の口から高尚な話を聞かされるのは何度目だろう?

「高尚な趣味」「高尚な考え」のように使う

「高尚」の使い方には”高尚な趣味”や”高尚な考え”があります。「高尚な趣味」は”上品な趣味・程度が高く立派な趣味”を、「高尚な考え」は”知性や品性を感じる考え・真似できないような立派な考え”をそれぞれ意味します。

  • 「高尚な趣味」…上品な趣味。程度が高く立派な趣味。
  • 「高尚な考え」…知性や品性を感じる考え。立派な考え。

「高尚な趣味をもっている」「ずいぶんと高尚な考え」のように使いましょう。

「高尚」を使った例文

「高尚」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 有識者たちの高尚な会話にはついていけない
  • 彼の趣味が高尚か否かなんて、わたし達が決めることではない
  • 彼女はどこまでも高尚であろうとしたのだ
  • あいにくとそんな高尚な考えは持ち合わせていない

「高尚」の類語とは?

「高尚」の類語は”上品”

「高尚」の類語には“上品(じょうひん)”が当てはまります。「上品」と「高尚」は”品がよい”という意味が共通しており、日常会話では「高尚」よりも「上品」の方が多く使用されます。また、

例文
  • 主張しすぎない上品なデザインに惹かれた
  • あの少年は年齢のわりに落ち着いており、上品な印象をうける

「気高い」も言い換えに使える表現

「上品で高位なようす・品がいい」を意味する「気高い(けだかい)」も、「高尚」の類語です。その人の雰囲気や心のありようなどに使う表現です。

  • 自身の正義をつらぬき通す彼女は、何よりも気高く美しかった
  • 武人としての志をもちつつ、気高く生きていきたいのだ

「高尚」の対義語とは?

「高尚」の対義語は”低俗”

「高尚」の対義語には“低俗(ていぞく)”が当てはまります。「低俗」とは”下品”や”態度が傾いていたり、考えの程度が低かったりすること”を意味します。「高尚」と反対に「程度が低く下品なようす」を表しているため、対義語に当てはまるのです。

例文
  • 担当の行いは前任と比べて、ひどく低俗であった
  • 低俗な考えをもつ人とは関わりたくない
  • 低俗な趣味だと貶されたが、大きなお世話だ

「高尚」の英語表現とは?

「高尚」は英語で”Noble”

「高尚」の英語表現には“Noble”が当てはまります。「Noble」とは”気高い・立派な”を意味する単語で、「高尚」の”程度が高く立派な様子”を表せます。

例文

He has a noble idea.

意味:彼は高尚な考えをもっている

まとめ

「高尚」とは「程度が高く立派なこと」「上品」を意味する言葉で、「高尚な趣味」「高尚な考え」のように使います。相手の人間性や言動を評価する言葉ですが、使い方によっては「皮肉」になるため乱用は避けましょう。

類語には「品がいいこと」を表す「上品」「気高い」が当てはまります。反対に「程度が低く下品な様子」を表したいときは、対義語の「低俗」を使ってみましょう。

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hana
大阪在住の新人ライターです。学生時代にビジネスマナーや医療事務・秘書などの検定を取得し、前職は医療秘書として医院勤めでした。料理とスポーツが得意なので、いつか記事にできたらなと思っています。よろしくお願いします。