「逞(たくま)しい」とは3つの意味をもつ言葉です。「逞」という漢字の書き方が分からないという方や、「しんにょう」が「週」「進」とは何か違うと気づいた方もいるでしょう。この記事では「逞しい」の読み方や意味、使い方の例文も解説します。加えて、「逞しい」の類語(類義語)と対義語、英語表現も解説しましょう。
「逞しい」の意味と読み方とは?
「逞しい」の意味は”丈夫で強そうなこと・簡単にはくじけないこと”
「逞しい」の意味は、“からだが丈夫で強そうなこと・意思が強く簡単にはくじけないこと・勢いに満ちて元気なこと”です。
- からだが丈夫で強そうなこと。例)逞しい脚
- 意思が強く簡単にはくじけないこと。例)逞しい根性
- 勢いに満ちて元気なこと。例)逞しく走りだす
「逞しい」の読み方は”たくましい”
「逞しい」の読み方は“たくましい”です。「逞」は訓読みで”たくま(しい)・こころよ(い)”と読み、音読みでは「テイ」と読みます。
「逞しい」の漢字の書き方とは?
漢字「逞」の部首は”2点しんにょう”
漢字「逞」の部首には”2点しんにょう”が使われています。「しんにょう」の中には2つの種類があり、1つが「週・進」に使われる”1点しんにょう”、もう1つが「逞」に使われる”2点しんにょう”に分けられます。
常用漢字には「遜・遡」などの例外を除いて”1点しんにょう”が用いられるため、”2点しんにょう”の「逞」は常用漢字外に当てはまります。
「逞」の書き方は”王”の部分に注意
「逞」という漢字は”口・王・2点しんにょう”で構成されています。注意点としては「2点しんにょう」を”1点しんにょう”と書き間違えないことですが、もう1つ「王」の書き順が挙げられます。
本来であれば「横・縦・横・横」の書き方をする「王」ですが、人によっては「横・横・縦・横」と覚えているため、間違った書き順に注意しましょう。
「逞しい」の使い方と例文とは?
「逞しい筋肉」「逞しい手」のように使う
「逞しい」の使い方には”逞しい筋肉・逞しい手”があります。どちらも「からだが丈夫で強そうなこと」を意味するとして「逞しい」が使われています。
・腕を捲り上げた瞬間に、逞しい筋肉が顔をみせた
・彼の逞しい手に背を押され、一歩踏み出すことができたのだ
「逞しく生きる」は”くじけずに生きる”を表す
「逞しく生きる」とは”意思を強くもち、くじけずに生きること”を意味します。”意思が強く、簡単にはくじけないこと”という意味で「逞しい」が使われており、他にも「逞しい精神力」や「逞しい自制心」のように使います。
・弱い心を打ち砕くほどの逞しい精神力を手に入れる
・逞しい自制心をもって生きていくのだ
「逞しく笑う」の意味は”元気に笑う”
「逞しく笑う」とは”勢いに満ちて元気に笑うこと”を意味します。”勢いに満ちて元気なこと”という意味で「逞しく」が使われており、他にも「逞しく歩く」や「逞しく食べる」のように使います。
・子どもの成長は早く、もう自分の足で逞しく歩いている
・逞しく食べる様子をみていると、つられて空腹に見舞われた
「逞しい」を使った例文
「逞しい」を使った例文をご紹介しましょう。
- 日々努力した結果、逞しい体が手に入った
- 失敗を繰り返すうちに逞しさが身についたのだ
- 世間の荒波にもまれながらも逞しく生きてきた
「逞しい」の類語(類義語)・対義語とは?
「逞しい」の類語(類義語)は”強靭”
「逞しい」の類語(類義語)に当てはまるのは“強靭(きょうじん)”です。「強靭」とは”柔軟で強いこと”を意味する単語で、「逞しい」とは”強く丈夫”という点で類似しています。複数の意味をもつ「逞しい」の方が多く使われますが、「強靭な肉体」や「強靭な精神力」のように類語で言い換えることができます。
・強靭な肉体といえども限度はある
・強靭な足をもつ彼なら、1日で辿り着くだろう
「逞しい」の対義語は”か弱い”
「逞しい」の対義語(反対語)には“か弱(よわ)い”が当てはまります。「か弱い」とは”弱々しく頼りないこと”を意味する言葉で、「逞しい」の”丈夫で強そう”という意味と反対を表します。「か弱い赤子」や「か弱い印象」のように、弱く頼りないものを表す状況で使いましょう。
・いつまでもか弱いままだと思わないでほしい
・このか弱い子どもを守らなければならない
「逞しい」の英語表現とは?
「逞しい」は英語で”Strong”
「逞しい」の英語表現には“Strong”が当てはまります。「Strong」とは”強い・逞しい”を意味する単語で、精神・肉体どちらが強い場合にも使われます。
His arms are very strong
意味:彼の腕はとても逞しい
まとめ
「逞しい」とは「からだが丈夫で強そうなこと」「意思が強く簡単にはくじけないこと」「勢いに満ちて元気なこと」の3つの意味をもちます。「逞しい首」や「逞しい根性」のように、肉体・精神どちらにも使用できます。
類語の「強靭」と「逞しい」では、「逞しい」の方が一般的に使われますが、「強く丈夫」という点で類似しているため言い換えてみましょう。