「不世出」の意味と語源は?誤用例と正しい使い方・類語も解説

新聞やインターネットの社会欄などのシーンで「不世出」という熟語を見ることがあります。「不世出」という言葉の響きから誤用の多い言葉の一つですが、正しい意味と使い方をしていますか?

今回は「不世出」の意味と語源をはじめ、誤用例、正しい使い方と例文、類語についてまとめさせていただきました。参考になると幸いです。

「不世出」の意味と語源は?

「不世出」の意味は「極めて優れていること」

「不世出」とは「極めて優れていること」を意味します。「不世出」はただ普通より優れているのではなく、めったに世に現れないくらい「非常に優秀なこと」を表す言葉です。世に稀であり、稀にしか見られないほど素晴らしく優れていることを意味します。

「不世出」の語源はそれぞれの言葉の意味から

「不世出」は「不」「世」「出」それぞれの漢字が持つ意味から成り立ちます。

まず「不」は物事を否定したり打ち消す意味があります。「世」は時代における区切り、人が生活を営む、また社会を築いていく期間を意味します。そして「出」は「ある場所から外に出る」という意味を持ちます。

これら3つの言葉を総合すると、「人が社会に出ることがないこと」、転じて「滅多に見られない、現れないこと」という意味となります。つまり、人が生活を営む期間、人が誕生してから今までに現れないような人物のことを指します。

「不世出」な人物とは、指で数える程度、もしくはそれ以下でしょう。それくらい、優れた逸材のことを「不世出」と呼びます。

「不世出」の誤用とは?

「不世出」を「出生できないこと」という意味で使うのは誤用

「不世出」は誤用の多い言葉の一つです。前述の意味でご説明したように、「不世出」の意味は「滅多に現れないほどの優秀な人物」を意味しますが、「不世出」の漢字の組み合わせから、「出世しない人」というように誤って理解をしてしまっていることがあるようです。

もし「不世出」を「出世しない人」と意味で誤用してしまうと、「不世出」が持つ「この世に現れないほど非常に優れた人」とは全く逆になってしまいます。

ビジネスシーンはもちろん一般的な会話の中で、このような誤用をしてしまうと、相手に不快な感情を与えるほか、上手くいっている人間関係にヒビが入ってしまう可能性もあります。「不世出」の意味を正確に理解して、正しく使うようにして下さい。

「不世出」の正しい使い方・例文

「不世出」は「稀にしか見られない逸材」に使う

「不世出」は、言葉がもつ特別な条件に当てはまる人だけに対し使われる表現です。そのため、普段から「不世出」を連発することは到底考えにくいと言えます。

この世の中には人が羨むほどの才能に恵まれ、類まれなスキルや知識を要する人はたくさんいるでしょう。しかし、「不世出」というレベルになると「歴史においても稀にしか見られない逸材」という意味を持つ言葉へと発展します。

もちろん、周囲には多くの素晴らしい人が存在しますが、「不世出」を多用してしまうと、言葉の効力が失われてしまうことがあります。「不世出」は「稀にしか見られない、滅多に現れない人材」に匹敵する場合にのみ使うようにしましょう。

「不世出」を使った例文

  • A氏は日本を代表する一大企業を築き上げた。彼こそ不世出のエンタープレナーである。
  • 不世出とも言える才能は、努力だけで得られるものではないだろう。
  • 小さいころから裁縫が大の得意であった娘は、世界的デザイナーへの出世した。まさに不世出の天才と言うべきだろう。
  • 医学界で不世出のドクターと言われる彼女は、アジア諸国で視力回復に貢献における権威である。

「不世出」の類語は?

類語1「秀抜」は他より際立って優れるさま

「秀抜(しゅうばつ)」とは、他の人より際立って優秀であることを意味します。他人より一段と抜きんでていて、他より突拍子もなく飛びぬけていることを表します。

  • テレビに出演していたコメンテーターは、秀抜な批評眼を持っていた。
  • 美術間で見た世界アーティストの絵画は、どれも秀抜な作品と言える。

類語2「至高」はこの上なく高く優れているさま

「至高(しこう)」とは、この上なく高く優れているさまを表す言葉です。「高いに至る」つまり、最高という意味を持ちます。

  • 久しぶりのバカンスで、至高な喜びを得た。
  • ベンチャー企業で大成功した人は、至高な精神を持つに違いない。

類語3「超凡」は凡人より遥かに優れること

「超凡(ちょうぼん)」とは、普通の人や凡人より遥かに優れていることを意味します。言葉通り、凡人を超えることを表す時に使われます。

  • 子供なのにプロも顔負けの腕前とは、これこそ超凡である。
  • 数多くの人生経験を経て出家をした父は、周囲から超凡であると評されている。

まとめ

「不世出(ふせいしゅつ)」は「極めて優れていること」「稀に現れるほどの人物」という意味を持つ言葉です。よっぽどではない限り、「不世出」な人を見ることはありませんが、誰よりも遥かに卓越した才覚を持つ人は、数は少なくとも世の中に存在しています。

「不世出」は飛びぬけて優れる才能を要する人を表現する言葉であるため、褒め言葉としても使われる場合があります。しかし「不世出」が持つ意味を正しく理解して、多用には気を付けるように心がけましょう。