「頓挫」という言葉は、「事業が途中で頓挫した」というように何かがストップする場面で使われますが、実は医療分野でも使う重要な表現です。
今回は「頓挫」の読み方と意味、医療分野での意味と使い方を紹介します。言い換えできる類語や例文、「頓挫」を使った四字熟語も参考にしてください。
「頓挫」の3つの意味と読み方とは?
「頓挫」の意味①勢いが急に弱くなること
「頓挫」の意味は、“勢いが急に弱くなる”ことです。現在進行しているものごとが急に勢いが衰え、にわかに弱まることを意味します。
「頓挫」の意味②事業や計画が遂行不可能になること
「頓挫」の意味は、“事業や計画が、途中の段階で遂行できなくなる”ことです。仕事でも学校行事でも、何かものごとを進行している最中に急に中止になってしまうこと、また中断してしまうことを表します。
「頓挫」の意味③医療分野では「症状がおさまること」
「頓挫」は医療分野でも使われる表現です。たとえば、「痙攣が頓挫する」という文章では“痙攣が止まった・痙攣がおさまった”という意味になります。
「頓挫」の読み方は”とんざ”
「頓挫」の読み方は“とんざ”です。「頓」は”急である、にわかに”という意味があり、「とみ」とも読みます。「挫」は”くじき折る、途中で勢いが止む”という意味があり「くじく」とも読みます。
「頓挫」の使い方と例文とは?
ビジネスでは「事業などが中止したとき」に使う
「頓挫」はビジネスシーンでよく使われる用語でもあります。たとえば、事業やプロジェクト、開発計画、生産予定などに対して、途中で中止になったり、何らかの事情でダメになったりした時に使われることが多くあります。プロジェクトや事業関連に携わる人はビジネス用語としても必須の表現です。
「頓挫」を使った四字熟語は”抑揚頓挫”と”沈鬱頓挫”
「頓挫」を使った四字熟語に“抑揚頓挫(よくようとんざ)”と“沈鬱頓挫(ちんうつとんざ)”があります。
「抑揚頓挫」とは、文章の調子を上げ下げしたり、声のトーンを変えて勢いを急に変化させることを意味します。シンプルで単調なものがつまらない、抑揚を持たせて張りを出したい時に「抑揚頓挫」することが多いです。
また「沈鬱頓挫」とは、字句や詩などの内容に強い思いや意味が含まれ過ぎて、逆に意味が通じにくいことを指す表現となります。表現や言葉の選択が凝り過ぎたり、自分の世界に入り込んでしまうことで、第三者には理解しにくいことを意味します。
「頓挫」を使ったビジネス例文
「頓挫」を使ったビジネス例文をいくつかご紹介しましょう。
- 海外事業部が進めているプロジェクトが、従業員のボイコットによって頓挫した。
- イベントを頓挫するわけにもいかないので、別の企画に切り替えよう。
- 多額の開発費をかけて始めた新規事業であったが、思いも寄らず頓挫することとなった。
- 頓挫をきたしたおかげで、クライアントに多大な迷惑をかけてしまった。
- 海外からの船便が大幅に遅れてしまったため、新店舗での開店セールは頓挫した。
「頓挫」の類語とは?
類語①「蹉跌」は見込み違いで失敗すること
「蹉跌(さてつ)」とは、事業、計画などのものごとが、事前に予測した見込みと異なり上手く進まないこと、機能しないことを意味する言葉です。主にものごとが思うように信仰せず、失敗の状態になるという意味で使われます。
- 突然スタッフが辞めてしまったため、輸入代行業務は蹉跌した。
- 蹉跌をきたすのは心苦しいが、商品が入荷しないため致し方ない。
類語②「挫折」は途中でダメになること
「挫折(ざせつ)」は日常生活でもよく使われる馴染みのある表現の一つです。「挫折」は目的やゴールを設定した続けてきたことが、途中でダメになってしまうこと、またくじけてしまったり、意欲や気力を失うことを意味します。
- 資金繰りが間に合わず、営業開始から一年で挫折してしまった。
- 仕事や恋愛で挫折することは、人生において良い教訓となることもある。
類語③「暗礁に乗り上げる」は進行が妨げられること
「暗礁(あんしょう)に乗り上げる」とは、思いも寄らない困難や事態から、ものごとの進行が妨げられ、上手く進まなくなることを意味する表現です。もともと、航海途中の船舶が暗礁に乗り上げてしまい、身動きが取れなくなってしまうことが由来となっています。
- 表向きは完璧な企画だったが、大多数の反対を受けたため、ことは暗礁に乗り上げた。
- 暗礁に乗り上げる前に、トラブルシューティングを徹底的に行うべきだ。
まとめ
「頓挫(とんざ)」とは、勢いがに急に弱くなること、また事業やプロジェクトなどの計画が進行中に中断・中止になることを意味する言葉です。
「頓挫」を理解する上で大切なのは、勢いがあったものが弱まってくる、また途中でダメになるという点です。「頓挫」はものごとが途中の段階でストップしたり、急に勢いを失うというイメージで言葉をとらえておくと良いでしょう。
また、ビジネスシーンにおいては、事業やプロジェクト関連に携わる人が頻繁に使う表現です。言い換えのできる類語も「中断」「蹉跌」「挫折」「暗礁に乗り上げる」など、いくつかありますので、文脈を見ながら適切な表現を選んで使ってみて下さい。