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「オーソドックス」の意味とは?「スタンダード」との違いや類語も

「オーソドックス」は普段の生活で無意識のうちに使っているカタカナ語の一つです。無難な、普通のというようなニュアンスで使われる場合が多いですが、正しい使い方をしているでしょうか?

今回は「オーソドックス」の意味と英語表記、スタンダードとの違い、使い方の注意点と例文、類語と対義語について紹介させて頂きます。

「オーソドックス」とは?

「オーソドックス」の意味は”正統的なこと”

「オーソドックス」の意味は、“正統的なこと”です。ものごとや事象が正当だと認められているさま、また伝統的に承認され広く認識されているさまを表す言葉です。考え方や方式、手段、ものごとのあり方などが古来であり、正しいと求められていること、正統的で穏健であるさまを示しています。

「オーソドックス」は英語で”orthodox”

「オーソドックス」は英語で“orthodox”と表記します。英語での意味もカタカナ語の「オーソドックス」とほぼ同じで「正統派・正統的な人・伝統的な・従来の」という意味を持ちます。

「スタンダード」は”定番”という意味がある

「オーソドックス」と似たカタカナ語に「スタンダード」があります。文章を作る時でも、「オーソドックス」と「スタンダード」のどちらを使ってよいか迷うことはありませんか?しかし「オーソドックス」と「スタンダード」の明確な違いがあります。

「スタンダード」には定番や標準、程度を比較する尺度・基準という意味があります。たとえば、「オーソドックスな曲」なら正統派な曲、「スタンダードな曲」なら定番曲という意味合いになります。

「スタンダード」の場合、ものごとの程度を計る尺度を標準を指す言葉となるため、正当な、伝統的なという意味を持つ「オーソドックス」とは根本的にニュアンスが異なってくるのです。

「オーソドックス」の使い方と例文とは?

「オーソドックス」は”保守的な”という意味でも使われる

「オーソドックス」のベーシックな意味は正統派や伝統的です。しかし、別の角度から見た場合”冒険しない、面白みの欠ける”という保守的な意味でも解釈することができます。そのため、「オーソドックスな考え」や「オーソドックスな服装」などの表現では、”意外性がなく面白みの欠ける考え・冒険心のない服装”というように、批判的な意図で使われることがあります。

その場に置かれた状況や相手にもよりますが、たとえ褒め言葉や称賛の意図で「オーソドックス」を使った時でも、相手にはネガティブなイメージで伝わってしまうことがあります。相手の受け止め方や言い方などでニュアンスが変化するということを留意しておきましょう。

「オーソドックス」を使った例文

「オーソドックス」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 友達の結婚式に出席するために、オーソドックスなドレスを着て出かけた。
  • 多くの意見が出たが、どれもオーソドックスで意外性がないものばかりだ。
  • テレビのリポーターは、常にオーソドックスな報告しかしない。
  • オーソドックスなスタイルが良いと言うので、今回はフレンチレストランを選んだ。
  • 子供の習い事には、オーソドックスながら書道と水泳を選んだ。

「オーソドックス」の類語とは?

類語①「本流」とは中心をなす系統

「本流」とは、中心をなす系統のことです。複数の流れが合流した河川の根幹や主流を意味することから、中心となるもの、主の系統という意味で使われるようになりました。

  • 日本舞踊にはいくかの系統があるが、やはり本流となるものは一つである。
  • 奇抜なアイデアや革新的な企画も出たが、やはり今回は本流を基本としていくことにした。

類語②「ベタな」とはひねりがなく普通

「べたな」とは、俗語的な言葉で”ひねりがない・ごくありふれた”という意味をもちます。面白みにかけ、意外性がないことを意味しますが、一般的にはネガティブなニュアンスで使われることが多い表現です。

  • セール数を上げるためには、べたな広告宣伝よりも体験談やフィードバックを載せた方がよいのではないか?
  • 一週間かけて仕上げた企画案に対し、部長は笑顔で「べただから没」と言った。

「オーソドックス」の対義語(反対語)とは?

対義語(反対語)①「異端」とは正統から外れること

「異端」とは、正統から外れていることを意味します。ある時代や場所において、正統だと認識されているものと反対の立場にあることや様子を指します。

本来は宗教用語で、自分が同意する教義に合わず、一致しない集団に対してレッテルを張ることを表していました。転じて一般的な考えや主張とは異なる振舞や行動を行うことを「異端」と呼ぶようになった背景があります。

  • 彼は誰もが認める異端児である。
  • 部長はあえて、少数派の意見を積極的に取り入れる異端な人物である。

対義語(反対語)②「ヘテロドックス」とは”異端”のカタカナ語

「ヘテロドックス」は「オーソドックス」の対義語です。英語で「異端・型破り」を意味し、最近ではカタカナ語としても使われるようになってきました。

  • 同僚のAは間違いなく、ヘテロドックスな思考を持つ人物である。
  • 仲良しの友達に、ヘテロドックスなファッションを褒めてもらった。

まとめ

「オーソドックス」は英語の「orthodox」が語源のカタカナ語で、「正統なこと」「正統派の」「伝統的な」という意味を持ちます。もちろん、正統派かどうかという基準は、個人の感性や考えなどが左右されるところもあります。しかし、「オーソドックス」は基本的に、広く一般的に正当だと認められること、伝統的であると広く承認されること、という意味になります。この機会に「オーソドックス」という言葉の理解を深めておきましょう。