「手練手管」という四字熟語を知っていますか?「手練手管」は人を思うままに騙すといった意味で使われますが、語源や正しい意味を理解しておけば、適切な場面で自信を持って使うことができます。
早速、今回は「手練手管」の読み方と意味、正しい使い方と例文、類語、最後に英語フレーズを紹介させて頂きます。
「手練手管」の意味と読み方とは?
「手練手管」の意味は”思うように人を騙す方法や手段”
「手練手管」の意味は、“思うように人を騙す方法や手段”です。人を騙す目的で相手の心を操る手段や技巧を表し、また相手を上手に操作するという意味を持ちます。
「手練」は手際のよいこと、また「手管」は人を欺き騙すことを表し、この二つが組み合わさり”上手に手際よく人を騙す”という意味で使われるようになりました。
「手練手管」は基本的に相手を巧みに操り、騙すことを表すこともあり、良い意味を持つ四字熟語ではないと言えます。そのため「手練手管」を好意的な意味で文章に用いることはほとんどありません。
「手練手管」の読み方は”てれんてくだ”
「手練手管」の読み方は、“てれんてくだ”です。「手練手管」を誤って”しゅれんしゅかん”と音読みしてしまわないように気をつけましょう。
「手練手管」の使い方と例文とは?
「手練手管」は人を欺く時に使われる
「手練手管」は人を思い通りに操作し、騙すことを目的とした行動や手法を意味する言葉です。そのため、損益や成果が左右するビジネスシーンや政治の世界などで、故意に人を欺く時に使われる表現でもあります。
結果や利益が重要なビジネスシーンや、縦横のつながりや外部とのやりとりが軸となる政治の世界では、純真な誠意よりも、やや曲がった感情を持って、相手に勝つ手段を選ぶことも多いでしょう。そのような状況で「手練手管」という表現を使うことがあります。
「手練手管」を使った例文
「手練手管」を使った例文をご紹介しましょう。
- 彼が親のコネもなく、学歴も乏しい彼が出世できたのは、手練手管を尽くしたからだ。
- 手練手管が見え見えの営業戦略でも、大きな利益を出せば立派な業績となる
- ライバル会社は手練手管に秀でているらしく、我が社は見事に罠にはまってしまった。
- 息子を溺愛する義理の母は、手練手管を屈して私と旦那の関係を壊そうとしている。
「手練手管」の類語とは?
類語①「権謀術数」とは人を欺く企み
「権謀術数(けんぼうじゅっすう)」とは、人を欺く企みやはかりごとを意味します。社会や組織において利己的な方向へ巧みに導き、自分にとってより良い地位や評価を得るために、手段を選ばず最良の策略を練ることを表します。
類語②「反間苦肉」とは 身を苦しめて相手を欺く
「反間苦肉(はんかんくにく)」とは、相手や敵を騙すために、自分の身を苦しめることを意味します。詳しく言えば、敵の間者を利用し敵の情勢を知り、その上で敵に仲間割れをさせることを指します。つまり、あえて自分を苦しめて、敵を中違いをさせる計略を意味するのが「反間苦肉」です。
危険なかけだが、ここは思い切って反間苦肉の策を取ろうではないか。
類語③「譎詐百端」とは裏切りや嘘にあふれていること
「譎詐百端(けっさひゃくたん)」とは、裏切りや嘘がとても多いことを表す言葉です。「譎詐」は裏切りや嘘のこと、「百端」は数が非常に多いことを意味します。
彼は屈指の起業家として知られるが、取引の実情は譎詐百端とも言える。
類語④「虚々実々」とは策略を尽くして戦う
「虚々実々(きょきょじつじつ)」とは、互いに策略や計略を尽くして戦うことを意味します。嘘や真実をすべて取り交ぜ、ごちゃまぜにした中で、互いに腹の中を探り合う様子を表します。
お互い初めての契約とあって、虚々実々とした雰囲気が流れている。
「手練手管」の英語フレーズとは?
「手練手管」は英語で “full of wiles and tricks”
「手練手管」を英語で表現する時は“full of wiles and tricks(あらゆる策略やたくらみなどの手段)”を使うのが一般的です。「wiles」は策略や企み、「tricks」は専門的な技法や手法を意味します。
「手練手管」を使った英語例文
「手練手管」を使った英語例文をご紹介しましょう。
- I have used full of wiles and tricks to move up to the corporate hierarchy.
私は手練手管を使って出世街道に乗った。 - I lost the election even though I used full of wiles and tricks to win.
手練手管を尽くしたが、選挙に負けた。
まとめ
「手練手管(てれんてくだ)」とは、自分の思い通りに人を騙す手段や方法を表したり、相手を上手に巧みに欺くことを意味する言葉です。言葉が持つ意味合いから、ほぼ良い意味で使われることはなく、むしろ社会生活で自分の地位や評価を得るために、策略や計略を尽くして相手を欺くときに使われます。
仕事を含む社会生活では、誰がいつ何時として「手練手管」を使って攻撃してくるかわかりません。「手練手管」という四字熟語が存在するように、相手の行動や考えを見据えて、慎重に行動するのもスマートな生き方と言えるでしょう。
ライバル会社であるA社を傘下に入れるために、社長は権謀術数を尽くした策略に出た。