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「独善的」の意味とは?使い方と類語・対義語もわかりやすく解説

「独善的な人」「独善的な考え」のように、「独善的」という表現を使うことがあります。他人のことは気にしないという意味で使われますが、正しい意味を把握している人は少ないかもしれません。

ここでは「独善的」の意味をはじめ、使い方の注意点、言い換えのできる類語と対義語について例文とあわせて解説させていただきます。

「独善的」の意味とは?

「独善的」の意味は”自分だけが正しいと思う傾向”

「独善的」の意味は、“自分だけが正しいと思う傾向”のことです。他人のことは構わず、自分だけが正当であると信じること、つまりひとりよがりであることを「独善的」と言います。

「独善的」は”独善”と”的”の二つの言葉に分かれますが、「独善」とはひとりよがりで、自分だけが正しいと考えること、また他人の考えや存在を無視するような意味を持ちます。また「的」はそのような傾向がある、そのような兆候があると意味があるため、併せて「自分だけが正しいと思う傾向」となります。

「独善的」は悪い意味?

「独善的」は自分だけが正しいと考える、ひとりよがりのことを意味します。そのため、さらに意味を突き止めれば、悪いニュアンスを含む表現である「自己中心的・人の話を聞かない・自分の非を認めない」とも解釈ができます。たとえば「独善的な人」とは自分独自の方法や自分なりの手段だけでものごとを進めてしまうような人を指します。

また「独善的」のニュアンスを頑張って肯定的に見ても”風変わりで一般的ではない方法や考えを貫くこと”であるという程度にとどまります。

このように「独善的」が悪い意味とは断言することはできませんが、「独善的な人」や「独善的な考え」は周囲にはあまり良い印象を与えない可能性があると言えるでしょう。

「独善的」の使い方の注意点と例文とは?

「独善的」は思い込みが強く自分勝手な人に使う

「独善的」はどういった場面で使うべきなのでしょうか?それは思い込みが強く、自分勝手な言動を慎まない人に出会った時に使うのが適切です。人の気持ちを考えず、人の意見を聞かない自己中心的な人に使ってみましょう。

たとえば、職場のシーンで考えると、たとえば部下の意見に耳を持たない上司、周囲の考えを無視し、自分のやり方で押し通すリーダー、などが挙げらるでしょう。また、教育現場なら、一般的な教え方をせず、常識破りで特異な考えを貫き通すといった場合も「独善的」と言えます。

このように「独善的」にはやや批判めいた要素を含む言葉であるため、使う相手や状況には気を付けるようにしましょう。「独善的」を好意的に受け止める人はごく稀なケースです。

「独善的」を使った例文

「独善的」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 私が通う空手教室では一般的な指導をせず、ひたすら瞑想をさせる独善的な先生がいる。
  • 独善的な行動を繰り返したせいで、彼は部署内で村八分になった。
  • 合同ミーティングでは独善的な考えを捨て、周囲の意見も聞くようにすべきだ。
  • 私の上司は部下の意見に聞く耳をもたない独善的な人である。
  • 誰もが不満を持つような独善的なスケジュールには、到底ついていけない。
  • 独善的な性格を直せば、もっと人からも好かれるだろうに。

「独善的」の類語とは?

類語①「ドグマティックな」とは自説を譲らないこと

「ドグマティック」とは独善的を意味する英語”dogmatic”のカタカナ語で、自説を譲らない、独断的なという意味を持つ言葉です。

例文
  • 彼は他人の意見をドクマティックな解釈しかしない。
  • 私の父はドクマティックな哲学者として知られる。

類語②「偏狭的」とは狭い考えにとらわれること

「偏狭的(へんきょうてき)」とは、自分が持つ狭い考えだけにとらわれることを意味します。度量が狭く、考えや器が小さいことを表す言葉です。

例文
  • 偏狭的な性格なので、アイデアや企画も小さくつまらない。
  • 自分の世界を大切にするのはよいが、偏狭的な考えを押し付けるのはよくない。

類語③「教条的」とは教会が認める教義のこと

「教条的(きょうじょうてき)」とは、教会が認める教義のことで、転じて一定の場所やカテゴリーのみで認められる考えや概念のことを指します。考えが狭く、偏りがあるという意味で使われます。

例文
  • 同じ研究所に長年勤務していると、教条的に思考で凝り固まってしまう。
  • 教条的な主張に耳を貸すも、相手はこちらの意見を全く受け入れてくれない。

「独善的」の対義語とは?

「独善的」の正式な対義語はありませんが、意味の上から考えられる対義語を挙げてみます。

「協調的」は互いに協力する姿勢のこと

「協調的(きょうちょうてき)」とは、お互いに協力しようとする姿勢や考えのことです。他人の話を聞き尊重すること、つまり、一方的ではない性質を表す時に使われます。

例文
  • 私の長所は協調的なところです。
  • 協調的なムードで会議が進行し、お互い共同経営に賛同すること決まった。

まとめ

「独善的」とは自分だけが正しいと思う傾向、また他人に構わず自分の考えを通すことという意味を持つ言葉です。「独善的」は一言でいえば「ひとりよがり」であり、一般的には良い意味で使われることはあまりないでしょう。

そうはいうものの「独善的」を「風変わりであり、一般的な考えや手法を取り入れないこと」というように、頑固さを主な特徴として考えれば、やや好意的にも見ることはできるかもしれません。

複雑な社会環境の中では「独善的な人」や「独善的な考え」にぶつかることも多々あります。人間関係を円滑に保つためにも、適当な距離を置きながら「自分は自分」と割り切るのも賢い選択と言えそうです。