「上長」は仕事先や職場で目上の人を指す時に使われる言葉ですが、上司との意味の違いは何でしょうか?
ここでは「上長」の意味をはじめ、上長と上席との違い、社外やメールでの使い方について紹介させていただきたいと思います。どこまでを「上長」と呼ぶのかについても言及しながら説明していきましょう。
「上長」とは?
「上長」の意味は”目上や年上を表す敬語表現”
「上長」の意味は、“目上や年上を表す敬語表現”です。年齢が上で、地位が上位にある人のことを指します。たとえば、職場環境なら役職や地位が上であったり、いわゆる「長」がつく”係長・課長・部長・所長・センター長・工場長”などが上長にあたります。また、区官庁の場合は、上級官僚を指す場合が多いでしょう。
「上長」は基本的には自分の立場より上に位置する人という意味がありますが、年齢が上であることも「上長」の意味を理解する上で重要となります。
「上長」はどこまでをカバーする?
「上長」とは、基本的に年齢が上で立場が上の人を総称する言葉であるため、たとえば、”この役職からこの役職までを上長と呼ぶ”といった明確な範囲は定められていません。
「上長」はある程度個人の理解の上で、尊敬に値し、敬意を示したい人物に対して使われる言葉でもあります。「上長」は年上でポジション的に上位にいる人を指しますが、「係長」でも、その上にいる「部長」でも、下の立場から見れば「上長」です。そのため、どこを下限とし、どこまでを上限とするかは、概して常識に基づいた個人の判断によると言えるでしょう。
もちろん、普段からフレンドリーに接している直近のグループリーダーや班長といった人に対して「上長」を使うのは、やや畏まり過ぎているかもしれません。自分と「上長」との距離を確認しながら、適切に使うことも大切です。
「上長」と「上司」はほぼ同じ意味
「上長」と似た言葉に「上司」がありますが、この二つはほぼ同じ意味で使われます。しいて違いを挙げるとすれば「年齢」でしょう。「上司」とは役職や立場が上にいる人のことを言いますが、企業によっては「年下の上司」も存在します。この場合、いくら年下でも、若い年齢でも「上司」という言葉を使うのが適切であり、逆に「上長」という言葉は意味の上から考えても、しっくりしないことがあります。
もちろん、年が若くても頑張りと努力で勝ち得た役職ですから、敬意を示して「上長」と呼ぶ人もいるかもしれません。ただし、受け手によっては皮肉や嫌味として解釈されてしまうことがあります。言葉を使う人の感性や感覚にもよりますが、年下で役職が上の場合は、やはり「上司」と呼ぶのが無難でしょう。
「上長」の類語と対義語とは?
「上長」の類語は”上席・上役・チーフ”など
「上長」の類語は“上席・上役(うわやく)・チーフ・ボス(boss)”などが挙げられます。
「上席」とは上座のことで上に位置する席次や等級を表すため、政治や軍事の世界で使われることが多いです。
「上長」とは見方を変えれば様々な分野やフィールドで”管理する立場にいる人”です。そのため、各界で上位の立場にいる「監督・親方・主席・棟梁・マスター・フォアマン」なども「上長」と言い換えができます。
「上長」の対義語は”下僚・下っ端・配下”など
また「上長」の対義語は“下僚(かりょう)・下っ端・隷下(れいか)・配下(はいか)”が挙げられます。
「下僚」は部下の役人、「隷下」は従属する人、「配下」は手下を意味しますが、どれも上の立場から見た下に位置する人に対しての表現となるため、上下関係のあり方が微妙に影響する環境では、使い方に気を付けるようにしましょう。
「上長」に対してメールをする場合の書き方とは?
社内の場合は「〇〇課長」など役職名で
「上長」に対し社内メールを送る時は、役職名だけを付けて”〇〇課長”や”〇〇センター長”などのように記載します。
上長に対して「〇〇係長」と役職名のみで呼び捨てをすることに抵抗がある人もいるかもしれませんが、すで「係長」という名称において敬意と尊敬の意が込められているため、「〇〇係長様」というように「様」を後付けする必要はありません。また、間違っても”〇〇上長”や”上長の〇〇様”というような使い方をしないようにしましょう。
社外の場合は「弊社の〇〇」とする
社外にメールを送る時に上長を表す際は「弊社の〇〇」とするのが一般的です。自分の上長にあたる人物に対して、社外的に”〇〇部長”や”部長の〇〇様”などと表現するのは適切ではありません。それは、敬意を表す対象がメールの宛先である社外の人物ではなく、自社の上長に向いてしまっているからです。
社外にメールを送る時は、自身の「上長」を”弊社の田中より”や”弊社技術部長の田中が…”というような表現にするようにして下さい。
まとめ
「上長」とは年上や立場が上にある人を指す時に使われる敬語表現です。職場では長が付く「係長、課長、部長、工場長」など、社内で上位のポジションを占める人に対して、広く使われる敬称の一つとなります。
「上司」とはほぼぼ同等の意味として使われますが、「上長」は年齢が上という意味が含まれているため、年下や若手で自分より上の立場にいる人物に使うと、受け手によっては嫌味に聞こえることがあります。
また、メールでは社内と社外での使い方に気を付けるようにし、上長という言葉をメール内でそのまま使ってしまわないように留意して下さい。