前に進むというニュアンスで使われるカタカナ語に「プログレッシブ」があります。思考やアイデア、またはスタイルを表す時に使われますが、正しい意味や言い換えの表現を把握していますか?
今回は「プログレッシブ」の一般的な意味やIT分野での使い方、例文、類語や対義語について解説します。
「プログレッシブ」とは?
「プログレッシブ」の意味は”進歩的・革新的なこと”
「プログレッシブ」の意味は、“進歩的・革新的なこと”です。語源は英語の「progressive」で、ものごとが前進する、進展するという意味を持つ言葉で、考えや意見などが進歩主義であることも指しています。
「プログレッシブ」は包括的に見て”状態がポジティブに現在進行形で進んでいるさま”を表す言葉であり、途中で止まることなく、前進していることが前提となります。たとえば、政治の世界では、組織や法案における変化や発達、改善などが漸進的に表れていることを指す時に使われることがあります。
「プログレッシブ」は1960年代ロック音楽のジャンルにも
「プログレッシブ」は楽曲のスタイルに対しても使われます。中でも「プログレッシブ・ロック」とは1960年代に生まれたロックの一つで、進歩的・革新的な楽曲を中心とした楽曲ジャンルとして知られています。また、言葉の使い方をストレッチさせれば、ファッションや生き方に対しても使うことができるでしょう。
「プログレッシブ」をIT分野で使う場合とは?
「プログレッシブ」はIT分野で”表示装置の走査方式”のこと
IT分野で「プログレッシブ」とは”プログレッシブ走査”のことです。「プログレッシブ走査」とは、表示装置や読み取り装置で使われる走査方式のことで、走査線を順番に読み取ることで全面処理する方式のことを指しています。
また「プログレッシブ走査」は別名”ノンインターレース方式(順次走査方式)”とも呼ばれています。これと対になるのが「インターレース方式」です。
「プログレッシブ」は画面形式の一つとしても使う
もう一つ、IT分野での「プログレッシブ」には画面形式の一つである”プログレッシブ画像”が挙げられます。「プログレッシブ画像」とは、JPEGを保存するための画像形式の一種を意味しますが、進歩的な機能を持つ画面形式の一つとして認識されています。
「プログレッシブ画像」では、各エリアに広がる色情報を分割し、何回かに分けて記録をすることで、通常最初から最後までのデータ表示が必要なところを、一部表示のみにで全体像が確認できます。基本的なライン画像では、画像のデータを上から順番に格納していきますが、遅い伝送回路を通るため読み込みが遅くなってしまいます。それに比べると「プログレッシブ画像」は前進的で革新的だと言えます。
「プログレッシブ」の使い方と例文とは?
「プログレッシブ」は思考やアイデアに対して時に使われる
「プログレッシブ」はさまざまな環境で使われますが、おおむね”思考”や”アイデア”などに対して使われることが多い言葉です。「プログレッシブ」には”前進的・革新的・向上的”という意味があるため、思考やアイデアを軸にしたプロジェクトの企画・開発や戦略会議など、未来に向けてものごとが現在形で進行している場面で好んで使われます。
逆に、ものごとが「プログレッシブ」に進んでいないような状況なら、どこかに問題が潜んでいると言えるでしょう。トラブルや滞りがなく、順調に音とを立ててゴールに向かっているさまを表す時に使うのがベストです。
「プログレッシブ」を使った例文
「プログレッシブ」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
- 古い体質を持つ会社だが、最近はプログレッシブな思考を持つ社員が増えてきた。
- 市場で勝ち残るために、今回プログレッシブなアイデアを集めた。
- 目標を達成するためにもプログレッシブにものごとを進めていこう。
- 復興へのプログレッシブな取り組みが、地元で進められている。
- 最新のプログラムを全社のパソコンにインストールしたことはプログレッシブな試みである。
- 彼女は実にプログレッシブな生き方をしている。
- 着心地がよく低単価、まさにセンスに満ちたプログレッシブなファッションである。
「プログレッシブ」の類語と対義語とは?
「プログレッシブ」の類語は”コンティニューイング”など多数
「プログレッシブ」の類語には、継続的に進んでいるという意味の「コンティニューイング(continuing)」、成長しているという意味の「グローイング(growing)」、発達しているという意味の「デベロッピング(developing)」、刷新的なという意味の「イノベイティブ(innovative)」などが挙げられます。どれも良い結果を期待すべく、確実に前進していることを表すフレーズです。
また、漢字表現では言葉の意味を成す「前進的・進歩的・漸進的」の他に、「向上的・先進的・先端的」などが挙げられます。文脈の性質に合わせて、カタカナ語と漢字熟語の使い分けをしていきましょう。
「プログレッシブ」の対義語は”コンサバティブ”
一方、「プログレッシブ」の対義語にあたるのは”保守的な”という意味の「コンサーバティブ(conservative)」となります。「コンサーバティブ」は考え方や思考、人の性質やファッションスタイルなどに対して使われることが多い表現です。
その他の対義語としては、意味の上から「停滞・横ばい・頭打ち・後戻り」なども考えられるでしょう。「停滞」や「横這い」はものごとが進まず滞っている状態を指し、「頭打ち」はものごとが限界を示し、これ以上の進展がないさまを意味します。とくに株式や金融市場で「上昇が止まること」という意味で使われています。
まとめ
「プログレッシブ」は英語の「pregressive」のことで「前進的、革新的、漸進的」などの意味を持つカタカナ語です。ビジネスシーンではアイデアや思考、企画内容など対し、斬新的なさまやものごとが継続的に前に進んでいることを表す時に用いられます。
たとえば、会議で画期的な意見が出た時、同調したり賛成する意図で「プログレッシブなアイデアですね」と評価することもできるでしょう。職場でも「プログレッシブ」を活用する場面はありますので、積極的に使っていきましょう。