「破顔」の意味とは?使い方や四字熟語・類語表現も例文で解説

「破顔」という言葉を見聞きしたことはありますか?「破れる顔」と書くため、顔に関係する意味を持つことは想像できても、正しい意味はよくわからないという人もいるでしょう。

今回は「破顔」の意味と使い方、「破顔」を使った四字熟語、言い換えのできる類語と対義語について、例文を用いて解説させていただきます。さて、顔が壊れてしまう状態とは、どんな時なのでしょうか?

「破顔」の意味とは?

「破顔」とは顔をほころばせてニッコリすること

「破顔(はがん)」とは顔をほころばせてニッコリと笑うことを意味しています。口元が緩み顔がほころぶさま、嬉しい気持ちで表情が和らぐことを指す言葉となります。

「破顔」は普通顔から表情が笑顔へ変化すること

「破顔」とは「顔が破れる」と書きますが、それぞれの漢字の意味を解読していくと、もともとあった顔の表情から、別の表情へと状況が変化するという意味になります。そしてこの時、もとの表情から悲しみや憎しみに満ちた表情へと顔つきが崩れるのではなく、嬉しさや楽しい気持ちを表す笑顔へと変わることを指しています。

「破顔」が示す「破れた顔」とは、顔をほころばせることで、もとの顔が笑顔へと変化するということだったのです。

「破顔」の使い方と例文

「破顔」は小説やドラマの脚本などで使われる

「破顔」はやや文語的な要素があるため、日常のシーンで使う機会はあまりないかもしれません。

しかし、小説や舞台などで状況をドラマチックに演出する意図で好んで用いられる表現でもあります。「破顔」は多少堅苦しい表現となりますが、独特の重い雰囲気を演出できるユニークな表現とも言えるでしょう。

たとえば下記の二つの例文を比較してみましょう。

例文

A:私は娘からのラブレターに思わず顔がほころんだ。
B:私は娘からのラブレターに思わず破顔した。

上記の例文を比べてみると、文章が読み手に与える印象が異なることに気づきます。通常の会話ではAの例文を使った方が、ストレートに意味が通じやすく理解しやすいでしょう。しかし、文語的なニュアンスを利用し劇的なムードを醸し出したい状況ならBの例文の方が適切と言えます。

逆に、友達同士の会話では「彼女と久しぶりに会って破顔したよ」という言うよりは、「彼女と久しぶりに会って顔をほころんだよ」と言った方が、温かみを感じるでしょう。このようにを言葉を使う状況を選ぶことが大切となります。

「破顔一笑」とは「思わず微笑むこと」

「破顔一笑(はがんいっしょう)」とは、思わず微笑むという意味を持つ四字熟語です。「顔がほころんで笑顔になる」という意味の「破顔」と、ちょっと笑うという意味の「一笑」を組み合わせて、軽い笑顔になる=思わず微笑む」という意味で使われるようになりました。また「破顔一笑」は心配や緊張がほぐれて、表情が和らぐようなさまに対しても使われます。

四字熟語「破顔大笑」は腹を抱えて笑うこと」

「破顔一笑」は、顔がほころばせて二コッとすることを意味しますが、さらに飛躍して、声を上げて笑うことを「破顔大笑(はがんたいしょう)」と言います。急に大きな声を出し腹を抱えて笑うことを指し、たとえば、お笑いやコントなどを見ている最中に、突然ツボにはまり腹を抱えて笑い出すような状況を意味します。

「破顔」を使った例文

  • 待ちに待った合格通知を受け取り、私は破顔せずにはいられなかった。
  • 結婚式での彼は破顔というよりは、デレデレという言葉がピッタリである。
  • 子供の写真に破顔一笑するも、壇上ではしっかりとスピーチを続けた。
  • 大統領を刹那的に皮肉るコメディを見た私は、破顔大笑の一言であった。

「破顔」の類語と対義語は?

「破顔」の類語は「微笑」「ニヤニヤ」など

「破顔」の類語には「微笑(びしょう)」「ニヤニヤ」などが挙げられます。「破顔」は口元が緩み口角が上がるほどの、優しい微笑みを表す言葉が適切であるため、その他「笑い顔」や「ニッコリ」などの表現がが言い換えの言葉としては妥当だと言えます。

また「破顔」は顔がほころぶことを意味するので「大笑い」や「馬鹿笑い」など言葉は意味的にもややオーバーに表現になってしまいます。

例文
  • 部内でトップを勝ち取った彼は、陰で微笑を浮かべていた。
  • 久しぶりに彼からラブリーなメッセージが届き、ニヤニヤしてしまった。

「破顔」の対義語は「笑比河清」

「笑比河清(しょうひかせい)」とは、表情が厳しくほとんど笑顔を見せないことを意味します。「笑比河清」は過去に透き通ったこと試しがない黄河が、底が見えるほど透き通るように、本当に稀にしか表情がほころびないことのたとえとして使われるようになった四字熟語です。「笑いを河清に比す」とも読み、中国の故事の一つとなりますが、主に「破顔一笑」の対義語としておぼえておきましょう。

例文
  • 部長は笑比河清のごとく、ほとんど笑わない。
  • 根っからの技術畑である父は、まさに笑比河清を字で行く人物だ。

まとめ

「破顔」とは「顔を満面にほころばせて笑うさま」を意味し、何らかの状況を受けてもともとあった顔の表情から、突然笑顔へと表情が変化することを指しています。

「破顔」は文語的な言葉であるため、日常生活では使用頻度の低い表現となりますが、小説や舞台のシナリオ、新聞のコラムや川柳など、言葉が持つ独特なニュアンスを活用したい場面で好んで使われています。

また、「破顔」を使った四字熟語に「破顔一笑」や「破顔大笑」があり、それぞれ「軽く笑う」また「声を出して腹を抱えて笑う」という意味で使われています。この機会に「破顔」の意味や使い方を習得して、語彙力を高めていきましょう。