「促す」はものごとが早く進行するように仕向ける、という意味で使わわれる言葉です。ビジネスシーンでは使用頻度が極めて高いため、社会人としても意味や使い方をしっかり把握しておくきでしょう。
今回は「促す」の意味と読み方を始め、使い方の注意点と例文、類語と対義語、英語について解説させていただきます。
「促す」の意味と読み方とは?
「促す」の意味は”ある行為をするように仕向ける”
「促す」の意味は、“ある行為をするように仕向ける”ことです。ものごとが早く行なわれるように急がせたり、催促したり、また相手に対してそのように仕向けるような状況で使われる言葉となります。
また、良い状態にものごとを動かすために、ある方向に駆り立てる、追い立てるという意味も持ち合わせます。
「促す」を”そくす”と読むのは間違い
「促す」の読み方は“うながす”です。「促」が音読みが”促進”や”催促”などの「そく」であるため、どうしても「そくす」と読みたくなりますが、「そくす」と読むのは間違いとなります。ローマ字変換でも「そくす」では変換されませんので気をつけましょう。
「促す」の使い方と例文とは?
「促す」は相手をその気にさせるニュアンスで使う
「促す」には”相手をそのように仕向ける”という意味がありますが、決して強引にさせるという意味ではありません。「促す」は相手にものごとを強要して、無理やりにさせるというニュアンスはなく、むしろ、相手がそれをしたくなるように勧めるという意味で使われます。
「促す」は相手を言葉や行動などによって”その気にさせる”という意味合いが強く、ある目的やゴールに向かって効率的に進行させる意図がある時に好んで用いられる表現となります。
また「促す」手段が相手にとって不快に思われる場合もあるでしょう。あくまでも受け手の解釈次第となりますが、基本的には好意的に”上手にそうさせる”という意味合いで使うようにしましょう。
「促す」を使った例文
「促す」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。
- 引っ込み思案な彼に、月に一度は飲み会に参加するよう促した。
- おしゃべりの多い社員に注意を促すよう、軽く咳払いをした。
- 売上向上を社長直々にに促されて、ようやくモチベーションが上がってきた。
- このスキンクリームは肌の新陳代謝を効果的に促す効果がある。
- 市長は都市の発展を促すために、物産展を定期的に開催することを決めた。
- 子供の発育を促すものは、親の愛情と栄養タップリの食事である。
- ダイエットを促すというよりは、半ば強制的な要素があるやりかただ。
「促す」の類語と対義語とは?
「促す」の類語は”促進する”や”推進する”
「促す」の類語は“促進する”や“推進する”などです。ものごとが進むように掻き立てたり、追い立てる意味があり、とくに「推進」の場合は一般的な業務やプロジェクトなどに対し、ものごとを前に推し進める、またはかどるように持っていくというニュアンスで使われます。
- 各店舗の売り上げを促進するために、新聞広告を刷ることにした。
- 空気汚染が悪化する中、環境運動の推進が求められている。
「促す」の対義語は”妨げる”
「促す」の対義語は“妨げる”です。ものごとの動きをとめ、その時点で進行をストップすることを意味します。「妨げる」の類語には「妨害する・邪魔をする・阻止する・押し止める」などがありますが、これらも「促す」の対義語として適切に活用することができるでしょう。文脈の内容や言葉が使われる環境に添う一語を選んでみて下さい。
- プロテスタントを妨害するために、100名以上の警官が立ちはだかった。
- 川の流れを邪魔するのは、土砂崩れで積もった木々や砂利である。
- 効果的に進んでいた実験が、予算の関係で押し止められた。
「促す」の英語フレーズと例文とは?
「促す」は英語で”urge”が一般的
「促す」を表す単語は“urge”です。海外のニュースを見ていると「urge」という単語をよく見聞きします。実際にも国の政策やプロジェクト、市場における海外との取引など、あらゆるものごとを「駆り立てる・追い立てる」の場面で非常に多く使われています。
「促す」を使った英語例文
「促す」を使った英語例文をご紹介しましょう。
- The president urged all the citizen not to be panicked.
大統領は国民にパニックしないよう促した。 - The doctor urged me to not drink too much.
医者はあまり飲み過ぎないように促した。 - The situation has been eased up as urging the leaders to carry out the project.
リーダーにプロジェクトを始めるよう促したせいか、状況は改善された。
まとめ
まず「促す」は「うながす」と読むのが正しく、「そくす」は間違いとなるため気をつけましょう。「促す」とは「ものごとが早く進行するように急き立てること」「相手をその気にさせて仕向ける」ことを表し、周囲から急き立ててそうさせる、という意味で使われます。
また「促す」はビジネスでは必須用語の一つでもあり、企画や生産などものごとが進行している職場や取引先とのコミュニケーションにおいて使用頻度の高い言葉の一つです。シチュエーションによって「促す」を「促進する」「進める」などと言い換えながら、適切に使っていきましょう。