「口上」の意味とは?使い方や熟語表現・類語を例文とあわせて解説

若かりし日に「近頃の若者は口上がなっとらん!」などと、言われたことはありませんか?「口上」とは、他人に対する口のきき方や、ものの言い方などを表す時に使われますが、他にも別の意味を持ち、日常で広く使われている言葉でもあります。

今回は「口上」の意味と使い方、類語を例文を使いながら説明させていただきたいと思います。

「口上」の意味とは?

「口上」の意味1「口のきき方」「ものいい」

「口上」とは「口のきき方」「ものいい」を意味します。他人に対する話の仕方や、ものごとの言い方を総称して「口上」と呼んでいます。たとえば、「口上が悪い」とは「口の聞き方が悪い」「話口調が悪い」という意味で、話の受け手が不快に感じるような、良好ではない口節のことを表します。

「口上」の意味2「口頭で述べること」

「口上」とは「口頭で述べること」を意味します。文書や書面ではなく、言葉を放つことで相手に伝えること、またその内容全体を表す時に使われます。たとえば、結婚式や講演などでマイクを伝ってあいさつをすること、そしてその内容が「口上」となります。

「口上」の意味3「興行で行う観客への挨拶」

「口上」とは歌舞伎や舞台劇などの興行において、劇場の支配人や出演者などが来客者に向かって行う挨拶のことを言います。おもに襲名披露や初舞台などの際に、舞台の上から観客に対し感謝と礼儀を示す目的で行うことが多くあります。「口上」は、言ってみれば舞台用語の一つでもあるのです。

「口上」の熟語表現と使い方の例文

「前口上」は「前置き」の意味で使う

「口上」を使った熟語表現に「前口上(まえこうじょう)」があります。「前口上」とは、簡単に言うと「前置き」のことで、落語や歌舞伎などの舞台をはじめ、スピーチや記者会見などで本題前に述べる言葉を指しています。

本題に入る前に「前口上」を置くと、人々が話の内容を聞く準備ができるということと、また、本題に対する大まかな説明を行うことできる点です。テレビやラジオなどのメディア関係においては「前置き」という言葉を好んで使いますが、フォーマルな場所では「前口上」という表現をあえて使うケースも多く見られます。

ちなみに「前口上」は英語で「prologue(プロローグ)」、対義語は終わりで述べる「epilogue(エピローグ)」となります。併せて覚えておきましょう。

歌舞伎や落語で使われるその他の「口上」

その他、歌舞伎や落語などの舞台では「披露口上」「触れ口上」「切れ口上」などがあり、場面ごとに口上を述べることがあります。

口上の例
  • 披露口上:舞台の披露目について述べること
  • 触れ口上:これから口上が始まることを示唆すること
  • 切れ口上:終わりの部分で述べる挨拶の言葉

これだけ多い口上が存在するのは、観客に対し心からの感謝の意を表したい日本文化ならではとも言えるでしょう。むしろ、観客もこれらの「口上」を期待している面もあります。

かっこいい口上とは「イケてる決まり文句」のこと

あ余談となりますが、現代の使い方でかっこいい口上とは「イケてる決まり文句」のことです。友達や家族の間で楽しむ流行りの言葉や名セリフ、また結婚式やパーティなどで捧げる決まり文句のことを意味します。個人によっては、ことわざや格言などをかっこいい口上として使うこともあるでしょう。

かっこいい口上の例
  • 背負うから勝てるんだ(アニメ名台詞)
  • 命に過ぎたる宝なし(ことわざ)
  • 怒りは敵と思え(ことわざ)

「口上」を使った例文

  • 日本語は日々変化しているか、若者の口上においては聞捨てならない時がある。
  • 彼の口上に腹を立てるよりも、どうして嘘をついたのか理由を問いただすべきだ。
  • 表彰式ではあいさつの口上を長々と聞かされた。
  • 逃げ口上では、いつにたっても真実を相手に伝えることができない。
  • 彼の性格なのか、常に怒り口上で話をする。
  • もの静かな口上で、両親に結婚までの経緯を報告した。

「口上」の類語とは?

「弁舌」はものの言い方

「弁舌(べんぜつ)」とは、ものの言い方やものを言うことを意味する言葉です。「弁」にはものごとを十分理解し、わきまえるという意味があるため、総じて「意味の叶う上手な話しぶり」というニュアンスで使われることが多いです。

例文

校長が壇上で弁舌を振るっている。

弁舌に圧倒され、ついつい聞き入ってしまった。

「口舌」は口先だけのものいい

「口舌(くぜつ)」とは別表記で「口説」とも書き、適当な言葉や口先だけの物言いを意味する言葉です。「口舌」には言い争いや文句という意味もあわせ持つため、使い方によっては非難めいた響きで相手に伝わることがあります。

例文

お隣さんは口舌(口説)が絶えない。

口説が過ぎると、最終的には相手に信用してもらえなくなるよ。

「言の葉」は言葉や言語のこと

「言の葉(ことのは)」とは、一般的に言葉や言語のことを意味します。また文学的な世界では言葉を美しく表現する歌や和歌などを指したり、言葉が噂を運ぶことから「人のうわさ」という意味でも使われています。

例文

感謝を表す言の葉をみつけて、相手に伝えるべきだ。

言の葉をつなげて、川柳を作ってみましょう。

まとめ

「口上(こうじょう)」は「口のきき方や物言い」「口頭で述べること、またその内容」「歌舞伎や落語などでの前置き」を表す言葉です。形式ばった言い回しであるため、日常の会話の中ではあまり見聞きしないかもしれませんが、あいさつの場面や目上の人との歓談の中ではよく登場する表現となります。

社会人になると、口語表現よりも形式的な言葉を使う機会が増えてきます。ぜひ、ご自身の語彙力アップを目指して「口上」の意味と使い方を習得していきましょう。