「ブローカー」の意味や語源とは?不動産や金融など種類別に解説

「ブローカー」という言葉を聞いてどのようなイメージが湧きますか?「ブローカー」は職業分野によって仕事の内容が異なるため、明確な理解が必要な言葉でもあるでしょう。

今回は「ブローカー」の基本的な意味と語源、不動産や金融業界での意味を中心に解説させていただきます。

「ブローカー」の意味や語源とは?

「ブローカー」の意味は”売買における仲介人のこと”

「ブローカー」の意味は、“売買における仲介人”のことです。商売上の取引や売り買いで仲買いする人の総称で、不動産、金融、保険業界を中心に広く使われる言葉です。

「ブローカー」は株式や債券などの売買取引や銀行での為替取引を仲買いしたり、約束手形や保険を扱う業界で顧客とクライアントの間に入ってやりとりをする人を指します。そして、取引相手の要求に併せて手数を取り収入を得ています。

語源は古来英語「broc」と小口注文を表す言葉

「ブローカー(broker)」の語源は2つあるとされています。1つは古来英語の一つサクソン語で「失敗」を表す「broc」が語源であるという説、もう1つは、扱いを容易にするために大口注文を小口に割った(breakには分割するという意味がある)ことから出来たという説です。

ちなみに「ブローカー」が正式に誕生したのは15世紀のイタリアで、以後イギリスやオランダでも株式売買の仲介人として使われるようになりました。もちろん「ブローカー」の起源は株式市場や証券取引所となります。

「ディーラー」とは転売人のこと

「ブローカー」と混同してしまいがちな言葉に「ディーラー(dealer)」がありますが、基本的に意味が異なるため、正しい使い分けが必要です。

「ディーラー」とは、本来、銀行や証券会社などの金融業界で顧客の注文や購買を取り次ぐ役目をしている人を指します。実際はリスクを取りながら、より高い利益を得るために転売を重ねるのが仕事となり、注文を手元に置いてリスク覚悟で処理していくことを業務の一端としています。

つまり「ブローカー」は「転売人」ということになるため、売り手と顧客の間に入って仲買いをする「ブローカー」とは根本的に仕事内容が異なるということになります。

「不動産ブローカー」とは?

「不動産ブローカー」は不動産仲介会社と買い手を仲介

不動産ブローカーの仕事は、おもに不動産仲介会社と知りあいになって、自分に有益な不動産情報を得ながら買い手を見つけるのが仕事です。

ドラマや映画の設定が偏っていることもあり、不動産ブローカーの印象はあまり良いものではありませんが、実際は宅地建物取引業者の免許を所持し、人脈はもちろん経験や知恵を駆使して、土地の売買、沈滞の仲介、またマンションやアパートの販売・管理など職務として収入を得ています。

たとえば、知人からアパート購入の相談を受け、別の知人がアパートの売却を望んでいるという場合では、その仲介人となり、双方の間で金額や購入時期などの条件を調整します。

また、実際的に免許を所持していない人が「不動産ブローカー」として収入を得た場合、罰則の対象となってしまいますが、宅建業法の規則から自分を守るために、業者から「企画料」など別の項目で収入を得ることもあります。

「不動産ブローカー」はアメリカでは三大資格の一つ

「不動産ブローカー資格」はアメリカで弁護士や医者と並び三大資格の一つとなっています。アメリカでは「Real Estate Broker Person」という正式な資格が存在し、一般不動産を売買するセールスマンよりも高い地位だとされています。また、「不動産ブローカー資格」を取得するには大学への通学が必須であり、加えて「不動産ブローカー資格」がない場合は、法律的に不動産会社を設立することができないことになっています。

「金融ブローカー」とは?

「金融ブローカー」とは投資家間の橋渡し役

「金融ブローカー」とは、投資家と投資家の間で売買の取引を成立させる人のことを指し、株式や債権の取引において仲介をし、流通市場の橋渡しをすることで収入を得る人のことを意味します。

世の中にはお金がある人と、お金を必要としている人がいますが、「金融ブローカー」はそいういった需要のギャップを縮め、世にお金を回すのが仕事だとも言えます。つまり、資金があり運用したい人と、逆にその資金を融資として受け取りたい人を結び付け、収入を得る人が「金融ブローカー」です。

「金融ブローカー」は世の中を先読みする力が必要

ここで重要なのは、融資を受けた企業が軌道に乗り大幅な利益を得た時に、出資者に配当や見返りがあるということを先読みすることです。「金融ブローカー」は市場動向や経済状況を分析し、出資者に十分な配当が回るように、融資希望者の選定を行うことが前提となります。

まとめ

「ブローカー(broker)」とは、基本的に商業上で取引や売買をする仲介人のことで、間に入ってやりとりをする人の総称となります。不動産、金融、保険、など業種によって仕事の内容が異なり、与えられた任務や業務内容が違ってきます。

「ブローカー」は非常に広い意味で解釈できる言葉であるため、曖昧な感覚で「ブローカー」を理解してしまうと、実際の業務内容とのギャップに驚き、戸惑ってしまうこともあるかもしれません。就職活動中の方は、ぜひ仕事アプライをする前に、それぞれが求める「ブローカー」の仕事内容を明確にしておきましょう。