「人柄」の意味とは?「性格」との違いと使い方の例文・類語も解説

「人柄が良い」「人柄に惚れる」など、人の性質や態度などに対して「人柄」という表現を使うことがあります。無意識のうちに放つ言葉ですが、実際の意味や使い方を明確に把握していますか?

今回は「人柄」の意味、性格との違い、言葉の特徴、使い方と例文、類語と英語表現についてわかりやすく解説させていただきます。

「人柄」の意味とは?

「人柄」の意味は”人の品格・性質”

「人柄」の意味は、“人の品格・性質”のことです。その人が持つ品質や性質のこと、また周囲の人が自然と感じ取ることができる品格や性質を意味しています。

「人柄」はその人の見た感じや周囲が感じ取れる特徴を指すため、どちらかと言うと「表向きの性質や品格」と解釈するのが妥当です。つまり、その人の本心や性根は、実際のところ疑問符であるということになります。

加えて「人柄」にはその人が持つ性質が優れていることや、良い品格に溢れていることも意味しています。そのため「人柄」は言葉そのものに、良い性質や優れた品格というニュアンスが含まれているということです。

「性格」との違いは”生まれ持った性質か、表面上のものか”

「人柄」と似た言葉に「性格」があります。どちらも意味が酷似しているため、使い方においてもまぎらわしいことがあるでしょう。

「性格」とはわかりやすく言えば「その人が持つ生まれつきの性質や特徴」のことです。たとえば、「大人しい」「やかましい」「シャイ」などの性質は「人柄」ではなく、その人が生まれ持って備わった特有の性質や特徴です。

つまり「品格」は表向きに感じられる品格や性質であり、一方「性格」は表裏ともにその人が持ち合わせる本音や性根などに対して使われます。違いを明確にして上手に使い分けをしましょう。

「人柄」という言葉の特徴と使い方の例とは?

「人柄」は感覚的な要素が強い言葉

「人柄」はその人が醸し出す全体的な雰囲気を表す時にも使われます。もともと「人柄」の「柄」は”柄が悪い・柄に合わない”などのように、その人が生み出す「感覚的な雰囲気」を表します。そのため「人柄」は受け手がフィーリングとして感じ取る「感覚的なもの」である場合が多くなります。

「人柄」は受け手によって異なるもの

また「人柄」は、その人から自然と受け取れる性質や品格を指しますが、受け手にとって人柄が良く映るケースと、そうではないケースがあります。「人柄」はあくまで、受け手がその人の性質をどのようにジャッジするかで答えが変わってきます。極端に言えば、いくら「性格」が好ましいものではなくても、「人柄」は良く映る場合もあるということです。

「人柄」を使った例文

「人柄」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 彼の人柄に一目でほれ込んだ。
  • まさに人柄の良さがにじみ出るような、心温まる行為であった。
  • 数回話をすれば、ほぼ人柄は読み取れるものだ。
  • サービス業では、スキルよりも人柄の良し悪しが重視される。
  • 彼に初めて会ったが、人柄が印象的な人だった。
  • 子供と楽しそうに遊ぶ姿に、人柄がうかがえるようだ。

「人柄」の類語とは?

類語①「気質」は個人が本来持つ性質

「気質(きしつ)」とは、人それぞれが持つ本来の性質を意味します。主に、生まれ持って備わった性質や先天的な特徴を表す時に使われます。

例文
  • 私の父は頑固な気質である。
  • 気質の良い彼は、困っている人を放っておくことができない。

類語②「人格」は人の本質のこと

「人格(じんかく)」とは、人の本質や個人が持つ広い特性を表す言葉です。「人柄」や「性格」と似た表現ですが、やや形式ばった言い回しで「人間としてのあり方」や「その人の人間性」を表す言葉となります。たとえば、「人格者」とは広義で「人間として優れていること」を意味します。

例文

小さな子供を頭から怒鳴るなんて、人格を疑ってしまう。

多くの部下を持つ営業部長は、人格者と読んで等しい。

類語③「性分」は天性のこと

「性分(しょうぶん)」とは、いわゆる天性のことで、生まれつき持つ性質を表します。主にネガティブな意味で使われ、天性で備わった悪い性質に対して用いるのが一般的となります。

例文

母の性分を見越して、あらかじめ言い訳を考えておく。

性分が悪いからか、店では常にクレームばかり付けている。

「人柄」の英語表現とは

「人柄」は英語で”personality”

「人柄」は英語で“personality(パーソナリティ)”です。たとえば「人柄が良い」」を自然に訳すなら「She is really nice person」や「She has good personality」となります。

また「character(キャラクター)」も人柄の意味を持ち合わせますが、どちらかというと「ユーモアがある・一つのことに没頭する」など、個人が持つ性格的な特徴や個性を意味するところが大きいです。そのため一般的に「人柄」を表す時にはあまり使われません。

「人柄」を使った英語例文

「人柄」を使った英語例文をご紹介しましょう。

  • 彼は心が暖かく、とても良い人柄である。
    He has such warm-hearted and great personality.
  • 通常は何回か話せば、だいたい人柄がわかるものだ。
    We can normally determine their personality if we experience several conversation together.

まとめ

「人柄(ひとがら)」は「人の性質や品格」を表す言葉で、周囲が自然とその人から感じ取れる性質や雰囲気のことを意味します。「人柄」は「性格」と違い、周囲が受け取る表向きな部分が多い言葉ですが、本心や本音については「人柄」で判断しかねることもあるでしょう。

また、よく使われる熟語表現は「人柄が良い」「人柄がわかる」「人柄がにじみ出る」などです。状況によっては相手の品格を高評価する褒め言葉としても使われますので、ぜひ適切な状況で活用してみて下さい。・