「渡す」の敬語は?ビジネス文書で使える例文と英語表現を解説

日常生活でも職場でも「渡す」は頻繁に使われる言葉です。しかし、上司や目上の人に使うべき「敬語表現」に戸惑うことはありませんか?

ここでは「渡す」の敬語表現について、状況別でみる正しい使い方、ビジネスで役に立つ例文などを英語表現と併せて紹介しています。ぜひ参考にしてみて下さい。

「渡す」の敬語表現は?

そもそも「渡す」の敬語表現はどのようになるのでしょうか?尊敬語と謙譲語についてみてみましょう。

尊敬語は?

ビジネスシーンでは書類やデータなどを「渡す」ときに、上司や取引先、または外部の出入り業者などに対して敬語表現を用いることがあるでしょう。そのようなときは「渡す」の尊敬語である「お渡しになる」や「渡される」を使います。

このときに気を付けたいのは、尊敬語が「相手の行為」に対して使う言葉であるということを理解しておくことです。以下に例文を挙げてみましょう。

  • 本部長、先日のミーティング資料は各部署にお渡しになりましたか?
  • 本部長、先日のミーティング資料は各部署へ渡されましたか?
  • お渡しになる試供品はお子様向けです。
  • 渡される試供品はお子様向けです。

謙譲語は?

尊敬語でも「自分の行為」に対して使われ、自分が一歩下がった位置で相手に敬意を表す敬語表現が謙譲語です。

「渡す」の謙譲語は「お渡しする」「お渡し致す(いたす)」です。通常、これらの謙譲語は会話やビジネスメールなどで「~ます」「~いたします」などの丁寧語を付けて使います。

  • 今日届いたお荷物をお渡しします。
  • 今日届いたお荷物をお渡しいたします。
  • お渡しする封筒には御請求書が入っております。
  • お渡しいたしました封筒には御請求書が入っております。

「渡してください」の敬語表現

自分から誰か別の人に「渡してください」と頼む時は「謙譲語」を用いて表現します。

  • サンプルの一部をお渡しいただけますか?
  • サンプルの一部をお渡しいただけませんでしょうか?
  • サンプルの一部をお渡し願いますか?
  • サンプルの一部をお渡し願えませんでしょうか?

「渡す」の敬語の正誤例

「渡す」の敬語について「〇適切な例」と「x適切ではない例」を挙げてみましょう。(

〇   お渡しします。
X    お渡し申し上げます。
X お渡しさせていただきます。
X 渡させていただきます。

〇 支社から届いた資料をお渡しください。
X  支社から届いた資料をお渡しになってください。

ビジネスシーン別「渡す」の敬語表現

それでは「渡す」の敬語表現をビジネスシーン別にみてみましょう。

取引先に請求書を渡す

  • こちらが請求書になります。本日お渡しいたします。
  • 部長、先月分の請求書はお渡しになりましたか?

参加者に連絡先を渡す

  • セミナーの参加者へ連絡先をお渡しいたします。
  • 人事部長、セミナー参加者へ連絡先を渡されましたか?

上司にお土産を渡す

  • 事業部長へ海外出張のお土産をお渡しします。
  • 部長、海外出張のお土産をお渡しになりましたか?

顧客ににプレゼントを渡す

  • キャンペーン中は顧客にプレゼントをお渡しする予定です。
  • キャンペーン中は顧客にプレゼントをお渡しになりましたか?

「渡す」を使った熟語/名詞と意味

続いて「渡す」を使った熟語について触れてみましょう。

受け渡す(受け渡し)

「受け渡す」は「一方から他方へ受け渡しを行うこと」また「受け取ること、引き渡すこと」を意味する熟語で、荷物や所有物などを対象に使われます。「受け渡し」は「受け渡す」の名詞形になります。

また、似た言葉に「引き渡す(引き渡し)」がありますが、「引き渡す(引き渡し)」には「他の場所へ移動させる」「他人に渡す」という意味があります。

  • 土地を受け渡しいたします。
  • 誓約書を受け渡しされましたか?

渡し済み

「渡し済み」は「誰かに商品や荷物を渡し終わったこと」を意味しています。職場でも「お渡し済み」のハンコを書類に押すことがあるように、ビジネスシーンでは大変活躍する熟語の一つです。

  • 航空チケットはお渡し済みです。
  • 企画部長、手配書は先方にお渡し済みでしょうか?

「渡す」を使った英語例文

最後にビジネスシーンで役に立つ「渡す」の英語表現についてふれてみましょう。

「hand over」「hand to」

英語で「渡す」は「hand over」「hand to」「pass to」「give」などになります。文章の内容によって適切な単語は変わりますが、おおむね「物品や荷物」などの「モノ」を「直接手渡す」ときは「hand 」を使うのがベストです。「pass」は間接的にモノを渡すときに使われます。

「渡す」のビジネスメール例文

  • I would like to hand the contract over next week.
    契約書を来週お渡ししたいです。
  • Have you already handed the sales report to N Corp
    売上報告書をN社に渡されましたか?

まとめ

「渡す」の尊敬語は「お渡しになる」「渡される」、謙譲語は「お渡しする」「お渡しいたす」となります。

円滑にコミュニケーションを行うために、正しい敬語は必須です。職場の上司に対しては丁寧語を用いた尊敬語を上手に使うようにし、敬意を払いながらも「かしこまり過ぎない」関係を築いていきたいものです。

また、新規の顧客やクライアントに対してはできるだけ「謙譲語」を用いるようにし、ビジネスの軸である「信頼」を少しずつ構築していくようにしましょう。