野菜や果物などの食べ物を褒める表現でよく聞く「みずみずしい」は、漢字だと「瑞々しい」と書きます。水分が多く新鮮という意味だと思う人もいるかもしれませんが、「瑞々しい」は食べ物の鮮度だけに使う言葉ではありません。使い方や類語、「瑞」の漢字を使った人の名前などをご紹介します。
「瑞々しい」の意味とは?
「瑞々しい」の意味は”若々しくつやがある様子”
「瑞々しい」の意味は、“若々しく美しい・まるで水を含んだようにつやがある様子”です。読み方は「みずみずしい」です。野菜や果物など食べ物に使うことが多いのですが、人の様子や、感性・考え方などを褒める際にも使用されます。「瑞々しさ」と名詞として使うこともあります。
「水々しい」とも書きますが、間違った表記だとする説もあるため使用は控えた方が良いかもしれません。常用漢字ではない「瑞」の表記を避けたい場面では「水々しい」を使わず、平仮名で「みずみずしい」と書くのが無難でしょう。
「瑞」という漢字にも”瑞々しい”の意味がある
「瑞々しい」に使われる「瑞」という漢字にも、”瑞々しい”という意味があります。そのため「瑞」を使った言葉には”瑞々しい〇〇”という意味のものがあります。例えば「瑞穂(みずほ)」は”瑞々しい稲穂”、「瑞山(みずやま)」は”若々しい木々のある美しい山”という意味です。
他にも「瑞」には”めでたいこと・めでたい印”という意味もあります。「瑞々しい」も「めでたいこと」も良い意味のため、人の名前にもよく使われる漢字です。
「瑞々しい」の使い方と例文とは?
「瑞々しい」は新鮮でおいしい野菜や果物などに使う
「瑞々しい」は野菜や果物などの食べ物や、植物を説明する表現に使われます。新鮮で、水分がしっかりあるイメージから「おいしい・美しい」を意味する褒め言葉として使うことが多いでしょう。
- 「実家から送られてきたキャベツは、とても瑞々しいものだ」
- 「瑞々しい果物をたっぷり使ったパフェは、一番人気のメニューだ」
- 「友人から誕生日プレゼントといっしょに、瑞々しい花を貰った」
- 「森の中は新緑の瑞々しい香りに満ちていた」
「瑞々しい」を若々しく元気な人・考え方にも使う
食べ物以外も「瑞々しい」を使って表現できます。若々しさや元気さ、美しさのある人や肌、考え方に使われます。食べ物の際と同じく、褒め言葉として使われることがほとんどです。
- 「いつまでも心身ともに瑞々しい人でいたい」
- 「瑞々しい肌を維持するため、努力を続けている」
- 「彼はデビューして30年経つベテラン作家だが、今でも瑞々しい感性の小説を書ける」
「瑞々しさ」を願い、人の名前にも使われる
「瑞」は人名に使える漢字のため、名前に使われることがあります。読み方は「みず」や「み」、「ずい」や「ず」、「たま」です。めでたくて瑞々しい意味合いは性別を限定しないため、男女問わず使用されます。特に「みずき」と読む「瑞季」や「瑞生」は、男性にも女性にも使われます。名前しか分からない場合、性別を決めつけないよう配慮が必要です。
男性・女性の「瑞」を使った名前
- 瑞季、瑞生、瑞樹(みずき)
- 瑞樹、瑞貴(たまき)
- 志瑞也(しずや)
- 瑞季、瑞生、瑞姫(みずき)
- 瑞穂(みずほ)
- 明瑞(あみ、あけみ)
「瑞々しい」の類語とは?
「瑞々しい」の類語は”新鮮な・若々しい”
「瑞々しい」に直接的な類語は定まっていません。意味から考えると“新鮮な”や“美しい”があてはまるでしょう。また、人に対して使う場合は「若々しい」も類語だと言えます。どれも良い意味の言葉ですので「瑞々しい」の言い換えに使うことができます。
- 「瑞々しい果物をたっぷり使ったパフェは、一番人気のメニューだ」
→「新鮮な果物をたっぷり使ったパフェは、一番人気のメニューだ」 - 「瑞々しい肌を維持するため、努力を続けている」
→「美しい肌を維持するため、努力を続けている」 - 「いつまでも心身ともに瑞々しい人でいたい」
→「いつまでも心身ともに若々しい人でいたい」
「瑞々しい」と「水っぽい」は類語とは言えない
間違いとする説もありますが、「瑞々しい」は「水々しい」とも書きます。そのため「水っぽい」と類語だと感じる人もいるようです。「水っぽい」は水分が多いことですので、似た意味を持っています。しかし、言い換えられる場面が少ないため、類語とは言えません。
「水っぽい」には「水分が多すぎて味が薄いこと」というネガティブな意味合いがあります。また、一文字違いの「お水っぽい」は”水商売をしている人のよう”という意味の俗語です。「あなたは水っぽいね」と言うと、「瑞々しい人」とは全く違う意味になってしまいます。褒め言葉だと受け取る人は少数でしょう。類語だと混同しないよう注意が必要です。
まとめ
「瑞々しい」は「若々しく、つやがある様子」を表します。食べ物だけではなく、人や考え方を褒める表現としても使える言葉です。
「瑞」にはめでたい印という意味もあります。フレッシュさや美しさだけでなく、めでたいイメージもある「瑞々しい」を、褒め言葉のバリエーションに加えてみてください。