「色眼鏡」や「色眼鏡で見る」の意味とは?使い方や類義語を説明

「色眼鏡」は「色眼鏡で見る」のようなネガティブな意味の比喩表現として使われることが多い言葉です。サングラスの特性から、オシャレさや目を保護するイメージを持ってしまうと、実際に使われる意味から大きく離れるので注意しましょう。今回は「色眼鏡」の意味や使い方、類義語・対義語をご紹介します。

「色眼鏡」の意味とは?

「色眼鏡」の意味は”偏った物の見方、偏見”

「色眼鏡」の意味は、“先入観などのせいで、偏っている物の見方・偏見”です。ちゃんとした根拠がないのに、一部の情報だけで全体を決めつけてしまう物の見方を例える比喩表現です。ほとんどの場合、ネガティブなイメージで使用されます。

「色眼鏡」とはサングラスやブルーライトカットメガネも意味する

2つめの意味は“レンズに色が付いた眼鏡”そのものです。サングラスが有名ですが、パソコンのブルーライトをカットするための眼鏡も、薄く着色されたレンズが使われているものがあります。

ただし、こちらの意味で色眼鏡を使うのは少し古風な言い方です。相手に伝わらない可能性もあるので、注意が必要です。

比喩表現「色眼鏡」の由来は”色眼鏡をすると風景が正しく見えない”から

「色眼鏡」が偏見の比喩表現に使われるようになったのは、サングラスなどの実物の色眼鏡をかけた際の視界が由来です。着色されたレンズを使うと、世の中の風景がレンズの色に影響され、裸眼の時とは違って見えるようになります。色が違って見える様子が、正確に世の中が見えていない状態に例えられるようになったと言われています。

実物の色眼鏡にある「目を保護する・オシャレである」という特性は、比喩表現には含まれません。いい意味で使う表現ではないことを把握しておきましょう。

「色眼鏡」の使い方と例文とは?

「色眼鏡で見る」は”先入観や偏見で見る”際に使う

「色眼鏡」は偏った物の見方です。そのため「色眼鏡で見る」や「色眼鏡をかける」という表現は”先入観を持って、偏見の目で見る”という意味になります。

「色眼鏡で見る」は悪い意味で使われることがほとんどです。”事前知識を元に予測をしながら物を見る”といった冷静な状態の比喩表現として使われることはありません。

例文
  • 「いけないと分かってはいるが、男性の保育士は頼りにならないと色眼鏡で見てしまう」
  • 「芸能人のブログはウソばかりだと、母は色眼鏡をかけている」
  • 「田舎者だと色眼鏡で見られるのが嫌なので、都会へはブランド物の服を着て出かける」

「色眼鏡を外す」は”先入観をなくす”意味で使う

「色眼鏡を外す」は、先入観や偏見をなくし、正しく物事を見えるようにすることを例える表現です。「色眼鏡をする」とは逆の、いい意味を持ちます。

例文
  • 「色眼鏡を外してみたら、顔が怖いだけで優しい先輩だと分かった」
  • 「カウンセリングを受けてから、自分がかけていた色眼鏡を外すことができた」
  • 「この法則を発見できたのは、思い込みという色眼鏡を外して実験結果に向き合ったからです」

「色眼鏡」そのものは”サングラス・カラーレンズメガネ”で伝える

「色眼鏡」を”着色したレンズを使用した眼鏡”という意味で使われることはあまりありません。色眼鏡そのものを伝えたいときは別の言葉を使うのが無難です。「サングラス」や「カラーレンズメガネ」を使用しましょう。

「サングラス」は日光などの強い光から目を保護する眼鏡で、多くが黒や茶色などに着色したレンズを使用しています。人によっては目元が見えないくらい濃い色のレンズしかイメージできないかもしれません。その場合は「薄い色のサングラス」や「カラーレンズメガネ」を使ってみてください。

「カラーレンズメガネ」は、レンズが着色された眼鏡のことなので、目の保護機能の有無に関係なく使用できます。色の濃淡も限定されないため、使いやすい言葉でしょう。

「色眼鏡」の類語とは?

「色眼鏡」の類語は”レッテル”

「色眼鏡」のように、偏見や決めつけを物に例える表現に“レッテル”があります。レッテルはオランダ語で、商品に張り付ける小さな札のことです。メーカーや会社が分かるように貼られるラベルのことでしたが、現代では「一方的に評価や分類をする」ことの例えに使われています。

色眼鏡と同じで、悪いイメージを決めつける際に使われることが多いネガティブな表現となっています。

例文
  • 「生まれつきの茶髪とくせ毛のせいで、ヤンキーのレッテルを貼られて悔しい日々だった」
  • 「Aさんは不愛想で協調性がないとレッテルを貼られているが、本当は人見知りなだけなんだ」
  • 「ピンクが苦手だったのに、女の子だから好きなはずだとレッテルを貼られてつらかった」

「バイアス」も類語として使える

「色眼鏡」の類語には「バイアス(bias)」もあります。「バイアス」とは先入観や偏見を意味する言葉で、偏ったものの見方をしてしまうことを「バイアスがかかる」と言います。もともとの英語「bias」には服飾などの分野で使う「斜線」の意味があり、「偏見・先入観・えこひいき」の意味は心理学や統計分野で使われています。

「色眼鏡」と同じく、偏ったものの見方や偏見に使える類語です。

「色眼鏡」の対義語とは?

「色眼鏡」の対義語は”客観的”

「色眼鏡」には対義語が定まっていませんが、意味から考えると“客観的”が当てはまります。「客観的」は”特定の立場や考え方にとらわれないで、物事を見たり考えたりする様子”です。第三者の視線とされることもあります。「色眼鏡」は偏っている「自分」という立場だけで物事を見ることですので、対義語の関係だと言えるでしょう。

まとめ

「色眼鏡」は”偏った見方”という意味です。本来はサングラスのような着色したレンズの眼鏡のことも意味しますが、あまり使われることはありません。

ネガティブな印象が強い言葉ですが「色眼鏡で見ないようにする・色眼鏡を外して判断する」のように使うと、ポジティブな表現になります。「色眼鏡はいい意味で使えない」と「色眼鏡」で見ずに、表現の幅を広げていってください。