「必着」の意味と使い方とは?「当日消印有効」との違いも解説

懸賞や求職活動の募集要項でよく見かける「必着」の文字。ビジネス用語では「指定された期日までに必ず届いていること」という意味ですが、別の解釈もできることから思わぬトラブルの原因になります。
ここでは、いざというときのために確認しておきたい「必着」の使い方や、遅れそうなときの対処法などをまとめます。

「必着」の正しい意味とは?

「必着」の意味は「期日までに、相手のもとに到着していること」

「必着」の意味は、「指定された期日までに、郵便物などが相手のもとに到着していること」です。つまり、「4月30日必着」といったら4月30日までに必ず届いていることが必要です。

しかし、別の意味で「必着」を使っている人が一定数存在していることも確かで、ビジネス用語だから正しいと思ってしまうと混乱が生じることも。フリマアプリを使った個人間売買などでは、実際にトラブルになっているケースも見られます。

日にちを指定する意味の「必着」

辞書で調べると、「必着」という言葉には「必ず到着する」という意味しかありません。「留守が多いので、必ず日曜日に届けてほしい」というときに「次の日曜必着で」と言ってしまう人がるのもそのためかもしれません。

ビジネスシーンで使用する場合は「~日必着」ではなく、「~日までに必着のこと」というように分かりやすく表現することで誤解を避けることができます。

オフィシャルな「必着」の意味は期日の指定

先述のとおり、「〇月〇日まで必着」や「締切日必着」など、「必着」はおもに必要書類を郵送する場合の受付締切日として設定されています。

指定された日に間に合うことが最低条件であり、早く届くことは問題になりませんが、その日を過ぎてしまうと基本的に無効となります。

「必着」するためには何日前に出す?

書類の発送は余裕をもって出す

メールによる受付なら24時間エントリーが可能なケースもありますが、郵送する場合は制限があります。期日を守ることは最低限のマナーなので、できるだけ早めの発送を心がけたいものです。

もし宛名の不備などで返送されてしまった場合でも、1週間から10日の余裕があればそれほど慌てずに済みます。郵便物が受取人に届くまでに要する「お届け日数」は、郵便局の公式ウェブサイトから郵便番号で検索することができます。

必着日の何時までに着けば「セーフ」か

送り先が企業の場合、就業時間内であれば受け付けてもらそうな気がしますが、残念がら普通郵便の配達は1日に一度だけで、これに遅れると翌日の配達になります。

配達される時間はその地域によっても違うため、日数に余裕のないときは午前中の想定して発送すると失敗がありません。

「必着」の類語とは?

類語①「配達日指定」

郵送で指定された日に必ず届けたいときには「必着」ではなく、「配達日指定」といいます。差出日の翌々日から10日以内であれば、宅配便のように希望する配達日が指定できる便利なサービスのことです。

類語②「当日消印有効」

さまざまな事情で郵便物の配達が滞ってしまったときや、間に土日をはさんで期日までに届かなかった場合でも、郵便局の日付印が指定された期日のものであれば有効ですよというのが「当日消印有効」です。

つまり、期日の当日に発送しても締切に間に合うというわけです。

大切な書類は郵便窓口から発送するのが原則ですが、やむを得ずポストに投函する場合はポストごとに表示されている集荷時間をチェックし、最後の集荷に間に合うことを確認しましょう。日本各地にあるポストの集荷時間が検索できるサイトもあります。

「必着」に間に合わない時に使える!他のサービスの使い方

「速達」で送る

250gまでの郵便物なら、通常の料金に280円(2018年現在)をプラスすれば「速達郵便」となり、県内であれば翌日の午前中には届きます。土日や祝日も休みなく1日に3回~4回配達されるため、普通郵便よりも格段に“間に合う確率”がアップします。

しかし、速達には悪目立ちするというデメリットもあります。受け取った相手に「ギリギリになって慌てて発送したような」妙な印象を与えてしまうリスクがあるので、あまりおすすめできません。

「間に合う郵便局」から送る

同じ速達でも、県外から送った場合と県内からの発送では到着までの時間が違います。少しでも早く届けたいときは、宛先の住所にできるだけ近い郵便局の窓口から発送するというのもひとつの方法です。

通常の場合、普通郵便は1日から3日で届けられますが、書留や速達など一部の郵便物をのぞいては配達日が保障されているわけではありません。

「宅配業者」に依頼する

郵送に比べると割高になりますが、緊急輸送に対応してくれる個人運営の輸送業者に依頼するという方法もあります。また、一部の都市では電話1本で集荷してその日のうちに届けてくれる郵便局のサービス「新特急郵便」なども使えます。

直接届ける

応募の条件に「郵送」が指定されている場合は論外ですが、そうでないなら直接書類を持参するという方法もあります。まずは先方に問い合わせ、郵送以外でも受け付けてもらえるかを相談した上で、担当部署などを確認してから出向くようにしましょう。

まとめ

大切な書類の提出が締切日に間に合うかどうか?という切羽詰まった事態はできることなら避けたいものですが、さまざまな事情で似たような経験をした人は少なくないことでしょう。

必着日に間に合わないことで余計にかかる労力やストレスを考えると、とくに必着期日のある用件は余裕をもって対応したいものです。