「甘んじて」の意味とは?使い方の例文や類語・対義語も解説

「甘」を使う表現には「甘く見る」「子供に甘い」などいくつか挙げられますが、「甘んじて」「甘んじている」とはどのような意味やシチュエーションで使われているのでしょうか?

今回は「甘んじて」の意味や使い方とその例文、言い換えのできる類語表現をわかりやすく解説します。

「甘んじて」の意味とは?

「甘んじて」の意味は「仕方なく受け入れる」

「甘んじて」とは「仕方なく受け入れる」「不十分であっても認める」という意味を持つ言葉です。「満足はしていないが」「十分とは言えないが」というニュアンスで多く使われています。

「甘んじて」は「甘んじる」の連用形

「甘んじて」は動詞「甘んじる(甘んずる)」の連用形となります。「甘んじる」は「緩く状況を受け止めること」つまり「不平を言わず、現状を受け入れる」という意味があり、渋々認めるというニュアンスが強い表現です。どちらかといえば、相手の言いなりになる、嫌々ながらも従うという意で使われるのが「甘んじて」となります。

「甘んじて」の使い方と例文

「甘んじて」の使い方と例文

「甘んじて」は、「甘んじて~する」のように使います。

例文
  • 営業パフォーマンスは優れないが、新人であることを甘んじて評価を少し高くしておこう。
  • テストの結果は悪かったが、親孝行に甘んじて何も言わなかった。

「甘んじている」と動詞として使う場合も

「甘んじて」は「甘んじている」という風に動詞的な使い方をすることもあります。

「甘んじる」は「甘んじて」とほぼ同様のニュアンスで、与えられたものをそのまま受け入れること、また、嫌々ながらも受け入れるという意味になります。与えられたものが不十分で満足のいかないものであっても、大人しく、抵抗せず、現状を仕方なく受けるというニュアンスです。

例文
  • かつては上位常連のチームであったが、メンバーの不調により連続最下位に甘んじている。
  • ぬるま湯のような現在の環境に甘んじていると、改革を進めることはできない。

「甘えて」の意味で使うのは誤用

「甘んじる」には、人の好意を期待する・好意に頼る「甘える」の意味はありません。相手の好意に対して「甘んじる」を使うのは誤用になりますので注意しましょう。

「甘んじて」の言い換え表現・類語とは?

甘んじて受け入れる・甘んじて受けるの類語「甘受する」

「甘受する」は、内容や事柄について完璧に納得したわけではないが、今回は甘んじて受け入れるという意味で用いられる言葉です。受容することは確かであるが、本心から完全に認めたわけではないという「妥協の念」が込められた表現となります。

ものごとや事象に対して「甘受する」と言われたら、相手は心底からハッピーではなく、ため息をつきながらしようがなく受けるという意味です。また、逆の立場なら、事の内容にあまり満足していないが受けるしかない、という妥協的な意思を示すことができます。

一方、謝罪の場面で批判や処分などを「甘んじて受け入れる」「甘受する」という表現が慣用的に用いられることがありますが、この場合は批判や処分は「当然のことなので、受け入れる」という意味合いになります。

「甘んじて」の類語表現と言い換え例文

「甘んじて」の類語表現は状況によって複数挙げることができます。下記で例を挙げてみます。

類語と意味
  • 泣く泣く:嫌々ながら、納得は行かないが
  • 不本意ながら:本心ではないながらも
  • やむを得ず:選択の余地もなく、仕方なく
  • 伏して:気持ちや本心を抑えて
  • 大人しく:控えめに、抵抗せず言葉少なげに

次に、類語に言い換えた場合の例を、簡単に上げてみます。

言い換えの例文
  • 苦言を甘んじて聞く。
  • 苦言を泣く泣く聞く。
  • 苦言を伏して聞く。
  • 苦言を大人しく聞く。

上記のように、苦言を聞く状況にもいくつかあります。我慢して涙を呑んで聞く場合もありますし、つつましく目をつぶって静かに聞く場合もあるでしょう。また、状況によっては「今回はこっちの配慮で大目に見てやる」とニュアンスで、上から目線で用いることもあるかもしれません。

言い換えをするときは、文脈にしっくりとくる一語を選んで文章をまとめましょう。

「甘んじて」の対義語と例文

「甘んじて」の対義語①「甘んじず」「甘んじることなく」

「甘んじて」は「甘んじることなく」「甘んじず」など否定形で用いることで「満足することなく」という使い方ができます。

例文
  • 連勝に甘んじず、日々のトレーニングを続けていきたい。
  • A社は業界トップの売り上げに甘んじることなく、新業態を開拓し続ける会社だ。

「甘んじて」の対義語② 「謹んで」

シーンによっては、「畏まって」という意味の「謹んで」を用いることができます。この場合、仕方なくとは反対の、敬意を持って受ける・快諾するというニュアンスです。

例文
  • この度の案件について、謹んでお受けいたします。
  • 多大なご迷惑をおかけしたことを、謹んでお詫び申し上げます 。

 

まとめ

「甘んじて」とは、「仕方なく受ける」「満足はしていないが認める」という意味があり「甘んじる」の連用形となります。現状が良好でなくても、渋々と仕方なく受け入れるさま、またありのままを不平を言わず認めるという意味で使われる表現です。

ビジネスシーンでは「甘んじて受け入れる」「甘んじて受ける」、また「甘受する」という熟語表現を多く用いますが、取引や手段の際には「十分ではないが、引き受ける」といった、やや強気な姿勢を相手に示すこともできるでしょう。自分の立ち位置を確認しながら、ぜひ「甘んじて」を言葉の武器として賢く使ってみて下さい。