「気圧される」の意味とは?使い方の具体例や例文・類語も解説

「気圧される(けおされる)」は相手に押されて負けてしまう、という状況で使われる言葉です。ビジネスシーンではとりわけ上司や取引先に「気圧される」ことが多いですが、日常的にもプレッシャーを感じる場面によく当てはまります。

今回は「気圧される」の意味と使い方の例文、類語をわかりやすく紹介します。また私たちは「なぜ気圧されてしまうのか?」にも触れています。

「気圧される」の意味と読み方とは?

「気圧される」の意味は”相手の勢いに押されること”

「気圧される」の意味は、“相手の勢いに押されること”です。相手の迫力や圧力に対して精神的に負けてしまい、圧倒されてしまう様子を表す言葉となります。

「気圧される」は相手の強さや押しが有利に働いてしまい、心が負けてしまうことです。たとえば、スポーツやディベートなどの「勝負」のシーンで、相手の威力や口調、際しい表情や態度などに呑まれてしまうようなさまを指しています。

相手からのプレッシャーを振り払うことがでできず、不安が募ったり恐怖心が生まれてくるのも、気圧された状態の特徴です。また、心が委縮してしまい、自分の実力が出せなかったり、思ったことが発言できなくなるような様子も気圧されている状態と言えます。

「気圧される」の読み方は”けおされる”

「気圧される」の読み方は“けおされる”です。誤読の多い熟語表現ですが、くれぐれも「きあつされる」と読んでしまわないように気をつけましょう。

「気圧される」の使い方と例文とは?

「気圧される」は職場や取引の場面で使えるフレーズ

「気圧される」は一般的な生活でごく普通に感じるプレッシャーを意味しますが、ビジネスシーンでも職場や取引などでも使われることがあります。

たとえば、職場で最も気圧される対象となるのは上司でしょう。常にしかめっ面で怒鳴ってばかり人なら、部下は容易に圧倒され気圧されてしまいます。また気の弱い部下なら、相手が自分より地位の高い上司であるということだけで、雰囲気的に気持ちが気圧されてしまうかもしれません。

また、取引先やクライアントと商談を交わしたり営業で飛び込みをする際、相手が語気を強めてきたり、威嚇するような仕草を示せば、気圧されることもあり得ます。

このように、職場での会話や業務報告において「部長の態度に気圧されてしまった」「気圧されたが何とか乗り切った」などのように、「気圧される」を使う機会は意外と多くあります。

「気圧される」を使った例文

「気圧される」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 役員参加の会議の場で気圧されたしまい、上手に発言ができなかった。
  • 気圧されないように心を強く持ったが、やはり社長との直談判は気が重い。
  • サッカー試合で相手に気圧され、ゴールを逃してしまった。
  • 初めての見合いで堅苦しい雰囲気に気圧されたが、相手の笑顔で心がほころんだ。
  • 気圧されるのは自分が弱いからだと、社会人一年目の私に父がこぼした。

「気圧される」の類語とは?

類語①「怯む」とは恐れて縮むこと

「怯む(ひるむ)」とは、ものごとに恐れて縮んだり、気力が抜けてしまうことを意味します。威圧され気が抜けてしまい、身体がすくむ様子を表しています。

例文
  • 思わず怯んでしまったのは、ビルの中にいつもはいない警察官が数人立っていたからだ。
  • クライアントが必死に言い訳をしているのを見て、何だか怯んでしまった。

類語②「威圧される」とは勢いに呑まれること

「威圧される(いあつされる)」とは、ものごとや雰囲気などの勢いに呑まれることです。周囲に圧倒されて、後ずさりしてしまいそうになることを表しています。

例文
  • 仕事へのモットーを厚く語る父の姿に、思わず威圧されてしまった。
  • 威圧されてしまう前に、こちらの要望を全部言ってしまおう。

類語③「気後れする」とは緊張して尻込みすること

「気後れする(きおくれする)」とは、緊張や不安などの気持ちを抱いて尻込みをしてしまうことを意味します。恥ずかしがったり自信がないことなどが原因となって、ものごとを行うことができないさまを表す時に使われます。

例文
  • うちの部署は優秀な人ばかりで、毎日気後れしてしまう。
  • 気後れしないように、予定を立て準備を万端に整えておこう。

「気圧される」のはなぜ?

「気圧される」のは自分次第?

「気圧される」とは、相手が故意に脅かしたり、強気な発言をすることだけが要因となって受けるものではなりません。

たとえば、大勢の参加者が集まったプレゼンの席をイメージしてみましょう。参加者は椅子に座って壇上やフリップを凝視しているだけなのに、自分が勝手に威圧的に受け止めてしまい、声が小さくなったり、咳払いが増えてしまったりすることがあります。その他、スタジアムでのスポーツ試合、受験会場、授業参観、音楽発表会など、圧倒されるサイズの大小かかわらず「気圧される」シーンは日常生活にあふれています。

このように「気圧される」のはあくまで自分次第であり、自分が状況をどのように受け止めるかによると言えます。つまり、自分の心がしっかりしていれば、気圧されることも少なくなるということなのです。

まとめ

「気圧される」は”けおされる”と読み、「相手に圧倒されて押されるさま・プレッシャーを感じ気持ち的に負けてしまうこと」という意味を持ちます。「気圧される」は、肉体的に相手に負かされるのではなく、あくまで精神的に相手に飲み込まれて心が縮んでしまうことを表す言葉ですので、使い方で間違えないようにしましょう。