「世捨て人」とはどんな人?意味と使い方・類語と英語表現も解説

仕事で毎日クタクタでだったり、社会の柵に苦しんでいませんか?そんな方は「世捨て人」になることをおすすめします。とは言っても、世捨て人とは実際どのような人のことを指すのでしょうか?

今回は「世捨て人」の意味をはじめ、使い方やニートとの違い、類語と英語表現について解説します。

「世捨て人」の意味とは?

「世捨て人」の意味は「俗世界と関係を断った人」

「世捨て人(よすてびと)」とは「俗世界と関係を断った人」のことを意味します。つまり、普通の人が暮らす一般社会や世間体から抜け出し、関係やしがらみを断絶した人、浮世での人生を捨て世間との交渉を断った人のことです。

「世を捨てる人」が書いて「世捨て人」と呼ぶのは、俗世間から退いて、俗世間ではない二番目の人生を歩く人を意味するところからきています。

「世捨て人」とは僧侶や隠遁者のこと

「世捨て人」と聞いて、明確なイメージがわかない人もいるでしょう。「世捨て人」とは、具体的には世俗から逃れて求道や修行をする「僧侶」「山伏(やまふし)」「行者(ぎょうじゃ)」、また山や森に暮らしの拠点を置き、自給自足で生活を営む人「隠者(いんじゃ)」「隠士(いんし)」「隠遁生活者(いんとんせいかつしゃ)」などを指します。

「世捨て人」の使い方の注意点とは?

「世捨て人」と「ニート」を混同しないこと

「世捨て人」は一般社会や俗世界とのコミュニケーションを断ち生活を送る人を指しますが、仕事をしていない人「ニート」を直接的に指す言葉ではありません。

「ニート」とは、もともと「Not in Employment Education or Training(NEET)」の頭文字をとったもので、定義では職業、学業、職業訓練などに就こうとしない、また就いていない15歳から34歳までの人のこと、となっています。仕事なし、学問無なし、技術トレーニングなしと、自分で仕事をしようとする意思がなく、家事もしていない若年層のことを「ニート」と呼んでいます。

「ニート」も確かに世間との接触を持たない人達を表す言葉ですが、「世捨て人」のように山にこもったり、神社や寺などで修行で行うような「自立」した生活は送っていません。少なくとも俗世界の環境の中で生活し、家族の世話になったり、必要であれば近所のコンビニ行くこともできます。

「ニート」を皮肉紛れに「世捨て人」と呼ぶ場合を除き、基本的に「世捨て人」は「僧侶」や「隠遁生活者」などを指す言葉として使うようにして下さい。

「世捨て人」を使った例文

  • 職場での人間関係に疲れて、世捨て人になることに決めた。
  • 世捨て人になるのは簡単ではないが、とにかく都会から逃げ出したい。
  • 山間ののどかな土地で田圃を耕し、農園の営む、そんな世捨て人に私はなりたい。
  • 世捨て人になってから、さまざまな知恵が身に付いたような気がする。
  • インターネットやSNSの発達で、世捨て人の生活にも変革が起きている。
  • 世捨て人たるもの、テレビやグルメを望んではいけない。

「世捨て人」の類語とは?

「仙」は行者・修道者のこと

「仙(せん)」とは仏教の世界で行者や修道者のことや、山にこもり不老不死の術を習得した者を意味します。

例文
  • 彼は仙の道を歩むことに決めた。
  • 仙としての心構えは、忍耐と学びである。

「隠士」は男性の隠者のこと

「隠士(いんし)」とは男性の隠者のことで、世間との関係を断ち山や里に隠れて修行をする遁逸(とんいつ)の士を指します。

例文
  • 浮世の世界を離れ、隠士として生活を送っている。
  • 隠士が滝に打たれ修行を行っている。

「世捨て人」の英語表現は?

「世捨て人」は英語で「hermit」

「世捨て人」は英語で「hermit(ハーミット)」と言います。もともと「hermit」とは社会から離脱した生活を送り、人生を神にささげるキリスト教信者のことを指しますが、転じて「世捨て人」「隠遁者」という意味で使われるようになりました。ちなみに、ヤドカリを「hermit crab」と呼びますが、殻をかぶったヤドカリは元来から持つ殻を捨て、二番目の殻を探し一生を遂げるところから来ています。

例文
  • He is having a life like hermit.
    彼は世捨て人かのように暮らしている。
  • Becoming hermit is the best thing I ever done.
    世捨て人になって、本当によかった。

まとめ

「世捨て人」は浮世の生活を断ち、世間との関りを遮断した人のことを言います。「世捨て人」は古語的な響きがあるため、言葉が意味するところはさておき、風流でオシャレな表現であると感じる人もいるでしょう。「明日から、世捨て人になる」。何とも文学的な言い回しです。

使い方で気を付けたいのは「世捨て人」と「ニート」を混同しないことです。仕事や家事をせず働く意思がない「ニート」と、俗社会から逃れ自給自足のライフスタイルを築いたり、修行や求道をする「世捨て人」とは、根本的に色合いが異なります。複雑な社会が加速し目まぐるしい日々に疲れた方もいると思いますが、今こそ「世捨て人」として生き方に価値を見いだせる時なのかもしれません。