「不謹慎」の意味とは?類語・対義語や「不謹慎狩り」について解説

「不謹慎」な言動をして批判を受け、謝罪する著名人のニュースを見たことがあるかもしれません。インターネット上では「不謹慎狩り」という言葉が流行したほどです。意味をしっかり押さえて不謹慎だと批判を受けないようにしましょう。また、類語や対義語もご紹介します。

「不謹慎」とは?

「不謹慎」の意味は”慎みが足りないこと”

「不謹慎(ふきんしん)」の意味は、“慎みが足りないこと・不真面目なこと”です。「慎み(つつしみ)」は謙虚で控えめなことです。慎むことを意味する「謹慎」を「不」で否定・打消しをしている言葉です。

例文
  • 「自分から遺産相続の話を持ち出すなんて不謹慎極まりない」
  • 「集合写真でわざと変な顔をするなんて、不謹慎だよ」

具体的にどのような行いかは「不謹慎」という言葉の意味には含まれていません。そのため人によって不謹慎に感じるレベルは大きく違います。上記の例文も「それのどこが不謹慎なの?」と思う人もいるかもしれません。

「不謹慎」は”災害・事件に対し配慮が足りないこと”とも使われる

「不謹慎」とは、”大きな災害や事件に対して配慮が足りないこと・自粛しないこと”という意味で使われることが増えています。また、実際に問題を感じる人が多い行動だけではなく、ささいで問題がないことに過剰に反応して批判する言葉に「不謹慎」が使われがちです。

過剰な使い方をすることは「不謹慎狩り」と呼ばれ批判されています(詳細は後程ご説明します)

「不謹慎」の類語・対義語とは?

「不謹慎」の類語は”不用意・横柄”

不謹慎の類語は、意味から考えると「不用意(ふようい)」「横柄(おうへい)」になります。

「不用意」は”準備ができていない”の他に”配慮・用心が足りない”という意味があります。災害や事件への配慮がないという意味で使われる不謹慎の類語だと言えるでしょう。

「横柄」の意味は”遠慮がなく、いばっていること”です。不謹慎の本来の意味である「慎みがないこと」に近い意味を持った類語です。

「不謹慎」の対義語は”謹慎・配慮”

不謹慎は「謹慎」の否定・打消しをしている言葉ですので「謹慎」が対義語になります。また、意味から考えると「配慮」も対義語に該当します。

「謹慎」の意味は”反省し、言動を慎む”です。不謹慎は「不」で否定・打消しすることで「慎みがない」という意味になっています。

「配慮」は”事情をふまえて、気づかうこと”という意味です。配慮が足りないという意味で使われる不謹慎と対になる言葉です。

「不謹慎狩り」の意味と対策とは?

「不謹慎狩り」の意味は”不謹慎な言動した人を、過剰に批判すること”

「不謹慎狩り」は2016年の熊本地震をきっかけに産まれたネットスラングです。災害や事件に対して不謹慎な言動をした人を、SNS上で過剰に批判することを意味します。しかし、2020年のコロナウィルス流行時には、直接怒鳴りつける・電話で通報するなどSNSを離れた不謹慎狩りが話題になりました。

不謹慎狩りが増えるのは、災害や自粛のストレスが原因だと考えられています。ストレスで気持ちが安定せず、物事に過剰に反応してしまうようです。また、ストレス発散のために相手をけなしたい人もいると言われています。

なお、不謹慎狩りを行う人を見下して「不謹慎厨(ふきんしんちゅう)」と呼ぶ場合もあります(この場合の「厨」は蔑称です)

「不謹慎狩り」と批判されやすい発言の例

  • 「災害の復興がまだなのに、被災地に近い地域へ旅行に行くなんて不謹慎だ」
    「被害がないのにキャンセルが相次ぎ、経営が苦しい」という観光地の声があり、風評被害を助長している不謹慎狩りだと話題になりました。

 

  • 「感染予防のため外出自粛をしている時期に、レジャーに行くアニメを放送するなんて不謹慎だ」
    フィクションにまで自粛を求める人が多いと話題になりました。しかし、不謹慎だと発言したのは実際には十数人という説もあります。SNS利用者やマスコミが話題を拡散した結果「多くの人が不謹慎狩りをしている」というイメージができたと考えられます。

SNS上の「不謹慎狩り」対策は「投稿前に冷静に確認する」

その場ですぐに弁明できず、瞬く間に拡散してしまうSNS上の「不謹慎狩り」には注意が必要です。批判の声が増えてきても、不謹慎狩りを行う人は0にはならないでしょう。また、悪意無く感想を述べただけだったのに「それは不謹慎狩りだ、不謹慎厨め」と批判が殺到してしまうかもしれません。

大きな事件があったら、SNSへ投稿する前に内容をよく確認するようにしましょう。投稿内容に「不謹慎かもしれませんが〇〇なので……」「不謹慎だけど〇〇のため……」と説明を含めるのも、トラブルを避ける方法です。

会社の広報アカウントなら、チェック人数の増加や、更新の一時停止を検討してみてください。

まとめ

「不謹慎」は”災害や事件への配慮が足りないこと”を批判するときに使われることが多い言葉です。ささいなことでも不謹慎だと過剰に批判する「不謹慎狩り」も広まりつつあります。

「不謹慎」な行いを避けるには、事情をよく考えて控えめな言動を心掛けるのが有効です。発言・投稿の前に一呼吸おくようにしましょう。