「流布」の意味とは?使い方の例文や類語「拡散」とことわざも解説

「流れる布」と書いて「流布(るふ)」という言葉があります。通常、情報や噂などが一般の耳に伝わることを意味する時に使われますが、関連する三字熟語や四字熟語、また「流布」を表すことわざがあるのをご存知でしょうか?

ここでは「流布」の意味を理解するために、一般的な使い方と例文、関連する熟語表現、覚えておきたいことわざ、類語表現を紹介します。

「流布」とは?

「流布」の意味は”世間一般に広く伝わること”

「流布」の意味は、“世間に広まること・一般的に広く伝わること”です。「世間に広まる」とは、情報や噂話をはじめ、迷信や都市伝説、昔話、企業秘密や顧客情報などが、何らかの媒体を経て目や耳に入り、世間一般に知られることを意味しています。

漢字の読み方は「りゅうふ」ではなく「るふ」です。

「流布」は故意的に行うこともある

「流布」は誰か一人が話したことが世間に次々と知られてしまうことの他、宣伝や販売促進を目的に、本意的にに「流布」することもあります。たとえば、インターネットやSNSを使って故意に情報を広めようとする行為も「流布」となります。

「流布」を使った例文

「流布」を使った例文をご紹介しましょう。

  • 芸能人の恋愛事情が流布されることは非常に多い。
  • 企業秘密が流布されないように、公言には気を付けて下さい。
  • 市はリサイクルにともなうメッセージを広く流布した。
  • スローガンを流布する前に、選挙戦に対する心の準備しておこう。

「流布」の類語とは?

「流布」の類語は”拡散・伝搬”

「流布」の類語には”拡散(かくさん)・伝搬(でんぱん)”などがあります。「拡散」は広がり散らばること「伝搬」は波動が伝わり広がることという意味があります。「伝搬は」気持ちや感情などが、波動として広がるという意味で使われることが多いです。下記で言い換えの例も挙げてみましょう。

例文
  • 陰口がいつまにが流布された。
  • 陰口がいつのまにか拡散された
  • 陰口がいつのまにか伝搬された。

この文章での言い換えは「伝搬」よりも「拡散」が最も適当でしょう。

また「流言(りゅうげん)」は根も葉もないデマや噂話を指す言葉です。デマや噂話を正式な文書として書き記す時はあえて堅苦しい「流言」という言葉を使うと効果的です。

例文
  • 下記の情報は当社とは関係のない全くの流言となります。
  • この度、サイト内の流言で損失を負ったことをご報告致します。

四字熟語の「流言飛語」は根拠のないバカバカしい噂話

「流布」の類語には四字熟語の”流言飛語(りゅうげんひご)”があります。「流言飛語」は言葉通り”言語が流れ飛ぶ”という意味で、簡単に言えば「デタラメな話」というニュアンスで使われる言葉です。

「流言飛語」は根も葉もないデマや噂話を表現する時に使われ、とくに真偽を問わないでたらめな内容が流れたことに対して、不服や非難をする時に用いられます。「流言飛語」を使う時は、流出した情報について本当に呆れてバカバカしく感じる状況がうかがえます。

「流布」を表す2つのことわざとは?

ことわざ①「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」

「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」は「流布」の意味を比喩的に用いたことわざがで、読み方は「いっけんかげにほゆればひゃっけんこえにほゆ」となります。

このことわざは、一匹の犬が物音に気付いて吠えだすと、周りにいる他の犬もこだまのように吠え始めるということから、誰かが言い出したことは、世間には内容の真偽を問うまでもなく、まるで事実であるかのように伝わり広がってしまうことという意味があります。

ことわざ②「人の口には戸が立てられね」

「人の口に戸は立てられぬ」とは、一度流出してしまった噂話や情報はかき消すことができない、という意味のことわざです。物質的なものなら無くしてしまうことはできますが、話や情報は、世間の耳に入るとなかなか消えることがないという意味で使われます。つまり、「口はほどほどに」「口は禍の元」というような戒めの意を込もっているということです。

「一犬影に吠ゆれば百犬声に吠ゆ」と同様に、どちらもことわざであるため、どことなく風格あるニュアンスが感じ取れます。「流布」を文語的に表現したい時にぜひ使ってみましょう。

「流布」に関する用語とは?

「流布本」は一般に普及している通行本

「流布本(るふぼん)」とは同じ原本から出版された諸本の中で、世間に最も広い範囲で普及している書籍を意味します。俗に「通行本」と呼ばれ、書店やオンラインストアなどで一般的に広く行き渡っている本のことを指します。

例文
  • 友達に勧められたのは、今注目の流布本の一つだ。
  • 流布本だけに、読んでおかないと恥をかきそうだ。

「広宣流布」は宣教により伝え広めること

「広宣流布(こうせんるふ)」とは、宣教によって法華経の教えを伝え広めることを意味します。もともとは仏教の教えや仏法など、一般の人には知り得ない部分をわかりやすく説明し、布教することを指す言葉です。場合によっては「広宣流布」を略して「広布」と呼ぶこともあります。

例文
  • かつては、広宣流布をするために地方を回ったものだ。
  • 忍耐と体力が勝負であるのが広宣流布の活動だ。

証券取引の「風説の流布」は相場妨害のこと

「流布」は金融業界でも使われる専門用語で、主に証券取引の現場で相場を不当に動かそうとしたり、取引を妨害するようなこと指します。「風説の流布」は金融商品取引法により厳しく罰せられており、刑法でも禁止事項となっています。

例文
  • ライバルのAはこともあろうに株取引で風説の流布を実行してしまった。
  • 株式の売買で信用毀損とすると、風説の流布として罰せられる。

まとめ

「流布」とは広く使わること、世間に広く知れ渡ることを意味します。噂話や情報などが独り歩きし、知らない間に世間一般に伝わってしまうようなことを指し時に使われます。またビジネス環境では顧客情報や企業秘密などが漏れてしまった時や、社内での人事異動の内容が発表前に知れ渡ってしまった時など、ややネガティブな状況でも用いられる言葉でもあるでしょう。

「流布」はデマが流れる、風評が流れるといったニュアンスが強い言葉ですが、逆に目的を持って故意に世間に広めるという意味でも使われます。関連する三字熟語や四字熟語、また関連することわざを習得して、日常やビジネスシーンで活用してみて下さい。