目上の人に「構いません」は不適切?正しいビジネス敬語 例文付き

日常的な社会生活で「大丈夫ですよ」というニュアンスで使われる敬語表現が「構いません」です。しかし、正しい使い方をしないと相手に間違った印象を与えることがあります。

今回は「構いません」の敬語表現について、正しい使い方を例文を用いて紹介しています。どうぞ、大切なビジネスシーンにお役立て下さい。

「構いません」の正しい意味と使い方は?

はじめに「構いません」の正しい意味と使い方から解説しましょう。

正しい意味は「差し支えない」

「構いません」は「気にかける」「関心を持つ」「関係がある」という意味を持つ「構う」を打ち消した言葉です。そのため、意味はこれらの逆「気にかけていない」「差し支えない」「問題ない」などになります。ちなみに「構いません」の位置づけは「構わない」の丁寧表現となります。

「構いません」の使い方「許可」

「構いません」は相手に「~でもよいですか」「~しても大丈夫ですか」など、ものごとへの確認や許可を求められた際に「OKです」という意味で使われます。例文をみてみましょう。

  • A:予約は一週間後でよろしいですか?
    B:はい、構いません。
  • A:メールの返事は午後でも大丈夫ですか?
    B:はい、構いません。

「構いません」の使い方「許容」

もう一つは、お詫びや謝罪などの返事として「気にしていません」「問題ありません」という「許容」の意味をもって用いる使い方です。「本当にすみません」と謝罪をしている相手に対し「気にしないで下さい」という気持ちを伝える際に使うましょう。例文を以下に挙げてみます。

  • A:先日は欠品を出してしまい、大変ご迷惑をおかけしました。
    B:出荷前に確認できたので、構いませんよ。
  • A:約束の時間に遅れてしまい、申し訳ありません。
    B:いえいえ、こちらも仕事が押していたので構いませんよ。

「構いません」の受け止められ方

「構いません」は「差し支えない」「問題ではない」という軸の意味があるものの、「関心がない」という意味に近い状態で使われる場合、人によっては「どうでもよいのでは?」と間違った解釈をされてしまうことがあります。

また、許可を求められたことに対し「構いません」と答えることで、実際には「許可を与えてもらっている」というニュアンスで受け止められることもあります。つまり「上からの目線で答えている」と捉えられることもあるようです。

これらの例からも言えるように、言葉の印象で結果が左右しかねないビジネスシーンでは「構いません」の使い方についても、十分な理解が必要であると言えるでしょう。

「構いません」は目上の人にも適切?

「構いません」は丁寧表現ですが、上司や目上の人に使うのは適切なのでしょうか?

目上の人に「構いません」は不適切

「構いません」は「構わない」の丁寧表現ですが、上司や目上の人に対して使うのは「不適切」です。

「構いません」は「相手に許可する」や「相手を許容する」際に使われますが、そうなると自分が立場の高い人へ許可を与えて、許容しているというニュアンスが生まれてしまいます。

また、「構いません」は「どちらでもよい」という意味があるため、「どうでもよい」というような「無関心」な印象を与えがちです。これでは目上の人へ敬意を表すことは難しくなります。

「差支えありません」が適切

取引先の相手や目上の人には「構いません」という言葉の代わりに「支障がない」「都合が悪くない」という意味を持つ「差し支えありません」「差し支えございません」を使うようにしましょう。

「差し支えない」は「構いません」が持つ「許容する」というニュアンスがないため、上司や目上の人でも失礼だと受け止められることはありません。

「難しいようでしたら構いません」

「構いません」という言葉に「難しいようでしたら」という相手への気遣いが感じられる前置きがあります。ビジネスシーンでも見受けられるフレーズですが、この場合も「許可する」「許容する」の意味が含まれてしまうため「難しいようでしたら、お気になさらないでください」などとした方がよいでしょう。

また「難しいようでしたら結構です」の場合は、使い方や言い方によっては相手をシャットアウトしてしまうような冷たい印象を与えてしまうことがあります。ビジネスで「結構です」を使う際は相手との関係を十分考慮してから使うようにして下さい。

「構いません」の類語と言い換えは?

それでは「構いません」の類語と言い換えについてみてみましょう。

「結構です」

「結構です」は相手やものごとに対し「消極的に肯定する」ときに使われる言葉です。「まあ、どっちでもかまわない」「別にどうでもいい」という意義があり、相手やものごとに対しさほど興味がなく、関心がないという状況の時に使われます。

  • A:お色は赤でよろしいですか?
    B:ええ、結構ですよ。

「大丈夫です」

「大丈夫です」は「問題ないです」「OKです」という意味があり、口語表現で頻繁に使われる言葉です。職場の仲間や距離の近い上司には「大丈夫です」と返事しても失礼にあたることはありませんが、取引先の社長やお客様に対しては、丁寧表現ながらもややフランクな表現となることがあります。

  • A:デザートお持ちしてもよろしいですか?
    B:もちろん、大丈夫ですよ。
  • A:明日、御社にお伺いしてもよろしいですか?
    B:はい、こちらは大丈夫です。

ビジネスメールでは上手に言い換えを

親しくなった取引先とは、ビジネスメールのやりとりもリラックスした雰囲気で行われることでしょう。その際は「こちらはいつでも構いません」「構いませんでしょうか?」などのように「構いません」を使っても失礼ではない場合があります。

しかし、取引を始めたばかりの相手や、お得意様、お客様に対しては「差し支えございません」「問題はございませんでしょうか?」などとした方が安全です。

ビジネスメールの場合、対面での対応と異なり文章が残ってしまいます。「構いません」をはじめ、不適切な敬語を使ってしまったばかりに、相手に不快な印象を与えてしまわないように気を付けましょう。

まとめ

「構いません」の意味は「差し支えない」「問題ない」などになりますが、目上の人には不適切な表現となります。代わりに「差支えありません」「差支えございません」「問題はございません」「支障はございません」などの表現を用いて相手への敬意を示しましょう。

社会人になったら正しい敬語をマスターすることが大切です。どのような状況でもしっかり乗り切っていけるように、スマートで快活なコミュニケーションを心がけていきましょう。