「義理」の意味と使い方とは?類義語や対義語・英語表現も解説

「義理」は人間関係をうまく行かせるための潤滑油のような役割をすることがありますが、日本独特の感覚で外国人にはわかりにくい言葉のひとつです。今回は「義理」の意味と使い方のほかに、類語や対義語を解説します。「義理」と似た言葉である「人情」「仁義」「恩」との違いと英語表現についても併せて紹介しますのでご参照ください。

「義理」の4つの意味と例文

ここでは現代で主に使われている4つの意味と、「義理」という言葉の由来を解説します。

「義理」の意味①「物事の正しい道筋」

「義理」とは人が行うべき正しい道という意味です。儒教の五常のひとつとして考えられる「義」から成り、「義」とは儒教で人として守るべき正しい道を指します。五常は人として常に行うべき5つの事柄として説かれていて、義の他に、仁、礼、智、信があります。

例文
  • 「義理を通す」
  • 「義理に外れた行為」

「義理」の意味②「対人関係において守るべき道理」

「義理」の2つ目の意味は、対人関係または社会関係において守るべきこととして意識されることです。お互いに協力して生きることを前提に、相手または周囲に対しお返しをしたり務めたりすることです。

例えば「言えた義理ではない」という言い回しは「そういうことを言える立場ではない」という意味になりますが、この場合の「義理」も「相手との関係において意識されること」であり、「その意識されることを根拠に相手に言うことができない」という解釈になります。

例文
  • 「いまさら頼める義理ではない」
  • 「叔父は義理を欠いた態度に腹を立てた」
  • 「義理をわきまえた行動をした方がいい」

「義理」の意味③「対人関係において仕方なく行う行為や言葉」

「義理」の意味②が転じて、対人関係または社会関係で仕方なく行った行為や言葉のことを「義理」と言います。

例文

「別に彼のことを好きじゃない。でも付き合いが長いからね。義理でプレゼントを渡したのよ」

「義理」の意味④「血のつながらない親族関係」

「義理」の4つ目の意味は、血のつながらない親族関係です。親族関係には、親子や兄弟姉妹などの血族と、婚姻によって結ばれた配偶者の親や兄弟姉妹、親戚で血縁関係のない親戚がいます。この血縁関係のない親戚を「義理」と呼びます。

  • 「義理の母」
  • 「義理の父」
  • 「義理の甥」

「義理」の由来

「義理」は村社会から始まった

「義理」という考え方は村社会における人間関係から始まりました。

村単位で暮らしていると、親戚関係または村社会においてお互いに協力してやらなくてはならないことがありました。田植えや屋根ふき、冠婚葬祭などの贈答や返答などですが、こうした慣例としてすべきことを行うと「義理堅い」と言い、相手から信頼されました。その一方で、そうした慣例を行わないと「義理が悪い」などと言われて信用を無くしていきました。

「義理」の使い方と例文

「義理」は師弟関係、親子、兄弟姉妹、敵との間で使われる

「義理」は様々な対人関係において使われます。師弟関係、親子、兄弟姉妹の他にも、戦っている敵に対しても使われます。その際の「義理」の意味は、対人関係のおいて守るべき道理だけでなく、人として守るべき道のこともあれば、仕方なく行うことや言葉の場合もあります。どの意味で使われているのかは、文脈から判断します。

「義理を立てる」には2つの解釈がある

「義理を立てる」には2つの解釈があります。一つは、相手にしてもらった恩義に対して同等のお返しをするという意味で、もう一つは、相手への恩義を重視するから自分の欲求は抑えるという意味です。どちらにしても相手への恩義を感じて行う行為で、義理人情に通じるものがあります。

例文
  • 「先輩に義理を立てる」
  • 「義理を立てて今回の取引は契約しよう」

「義理人情」とは義理と人情のこと

義理と人情が結びつき一語として使われる「義理人情」は日本独特の習俗で、生活上のお手本となります。人として行うべき正しい行為であり、その根源には人としての思いやりがあります。

「義理」には生活規範や社会規範という意味があり、ルールとしての拘束力があります。一方で「人情」は人が持っている自然な感情の中でも相手への思いやりや気づかいという意味であります。

例文
  • 「義理人情に厚い」
  • 「あの男は義理人情がわかっている」

「義理がたい」は義理を大切にすること

「義理がたい(義理堅い)」とは、義理を大切にするという意味です。「律儀」と言い換えることができ、対人関係を大切にする場合に使われます。

例文
  • 「彼は義理がたいが頑固者」
  • 「義理がたい彼は、年末年始の挨拶を忘れたことがない」

「義理チョコ」とは付き合い上の儀礼で贈られるチョコレート

バレンタインデーに女性が好きな男性にチョコレートを贈る習慣がありますが、特に好意を寄せているわけではない相手で、付き合い上の儀礼的な意味で贈られるチョコレートを「義理チョコ」と呼びます。

「義理チョコ」の反対は「本命チョコ」と呼ばれ、「本命チョコ」は好きな男性に贈られて、愛の告白をする機会として用いられることもあります。

「義理」の類義語と対義語

「義理」の類語は「仁義」や「義務」

「義理」の類語として考えられる言葉に「仁義」があります。「仁義」とは道徳上守るべき筋道で、必ず行うべき礼儀という意味もあります。「義理」と違い、「仁義」は必ず人との関係において使われます。

「義務」は必ず行うべき務めという意味と、倫理的には人として行うべきことという意味があります。「義理」との違いは、「義務」は義務を負うことに関して強制力がありますが、「義理」はそれを果たすかどうかは本人に任されます。

対義語は「不義理」

「義理」の対義語は、否定を意味する接頭語「不」を使い「不義理」です。義理を立てず、やり過ごすことを指します。特に金銭面での貸し借りで使われることが多い言葉です。

例文

「奴は不義理して金を返さない」

「義理」の英語表現

「義理」とは英語で「duty」か「obligation

「義理」は英語では「duty」か「obligation」でしょう。「義理」は日本独特の考え方で英訳しにくい言葉のひとつですが、「義理」に近い意味合いを持っているのがこの2語です。

duty」は義務や責務、職務など、任された仕事に対しての責任感が強い言葉なのに対して、「obligation」は「duty」よりも穏やかな意味合いで義務や責任という意味になります。

例文
  • “She is torn between duty and sympathy.”
    「彼女は義理と人情の板挟みで苦しんでいる」
  • “He acts out of obligation.”
    「彼は義理で行う」

まとめ

「義理」は対人関係を円滑にするための考え方のひとつで、義理を欠くようなことをすれば親戚や親しい人から嫌われることもあるでしょう。かといって、義理を立てるための方法には決まりはないので迷ってしまうことも。そんな時はあなたと相手の関係から相手を思いやってみると、義理を通すための方法が見つかるかもしれません。