「順次」の意味とは?「随時」「逐次」との違いや使い方・類語も

「順次対応します」や「順次選択」などと使われる「順次」は、順を追って次々と物事をおこなっていくという意味の言葉です。今回は「順次」の意味や使い方の例文、「随時」との違いについて解説。類語の「逐次」「適宜」や、英語表現についても紹介します。

「順次」の意味とは?

「順次」の意味は”順を追って次々に”

「順次」の意味は、“次々と順を追って物事や作業をおこなっていくこと”です。読み方は「じゅんじ」です。「順」には”じゅん”の他に「したが(う)」や「すなお」という読み方もあり、「逆らわない」や「道筋通りにしたがう」などの意味があります。

「あとにつづく」や「二番目」という意味をもつ「次」を合わせた「順次」は、”順になっているものに逆らわずその順に従っておこなっていくこと”という意味です。

「順次発送」とは次々と発送していくこと

「順次」を使う言葉で日常生活でもよく見かけるものに「順次発送」があります。通販サイトやオンランショッピングの購入メールに「順次発送」とあれば、順々に発送していくことを意味します。

ショップによって「商品が入荷した順に発送」「準備が整い次第発送」など、ニュアンスが異なりますので、欲しいものを注文・購入するときにはよく確認しておきましょう。

「順次」と「随時」の違いとは?

「随時」は”好きなタイミングで”

「随時」は”ずいじ”と読み、「いつでも」や「好きなタイミングで」という意味の言葉です。「随」には「したがう」や「成り行きで」という意味があり、日程や時間をはっきりと定めずにいつでも自由に好きなタイミングで物事を進める場合を「随時おこないます」などと表現します。

「順次」は目の前のことを順に、「随時」は自由に進める点で異なる

「順次」は目の前の作業を順に次々と行っていくというニュアンスですが、「随時」は順番とは関係なくいつでも自由に進めるというニュアンスが強いです。たとえば「随時受け付けています」とした場合は「いつでも受け付けています」という意味になります。

例文
  • メールでのご質問は随時受け付けています
  • 面接は随時おこなっていますのでお気軽にご訪問ください

「順次」の使い方と例文

「順次」は次々と物事を進める時に使う

「順次」は、次々と作業や物事を進める時に使う表現です。「順次発送します」や「順次処理します」と表現した場合、目の前にあるものをひとつひとつ順に発送や処理をしていくことを表しています。

進める物事の順番にはそれほど強い意味はなく、目の前のものを次々と進めていくというニュアンスが強いのが「順次」という言葉の特徴です。

「順次・分岐・反復」はプログラミングの基本

プログラミングとは、コンピューターを思う通りに動かすために書きしめす手順のこと。そのプログラミングの基本の3つの動きとして「順次」と「分岐」と「反復」があります。

「順次」は順に進んで処理していく動きのこと。「分岐」は一定の条件を与えることで次に実行する動き変化させる動き。そして「反復」は指定された部分の処理を繰り返しおこなうという動きのことです。

プログラミングの基本となる3つの動きを指示することによって、こちらの思い通りにコンピューターの処理を進めさせることができるようになります。

「順次」を使った例文

  • 準備が整いましたら順次ご案内いたしますので、そのままお待ちください
  • 自分の席に着いた方から順次作業を開始してください
  • 今後の日程については順次メールにてお知らせします
  • 手続きが完了した商品から順次発送いたしますので、到着までお待ちください
  • 新しいゲームが来月から順次発売されるらしい

「順次」の類語・類義語とは?

「逐次」は”順番通りに次々と”

「逐次」は”ちくじ”と読み、順番に従って次々と作業をおこなっていくという意味の言葉です。「逐」には”追いかける・順にしたがう・ついていく”などの意味があり、決まっている順番にしたがってその物事を進めていくという場合に「逐次おこないます」などと表現します。

「逐次」は「順次」と意味が近く同じようなシーンで使える言葉ですが、「順次」が目の前のものを次々と行うというニュアンスであるのに対し、「逐次」は決まっている順番やルールにしたがってというニュアンスが強くなります。

例文
  • 今後の作業は逐次行うこととします
  • 作業状況についてはメールにて逐次報告してください

「適宜」とは”その場の状況に合わせて”

「適宜」の読み方は”てきぎ”で、その場の状況に合わせるという意味の言葉です。「適」には”ふさわしい”という意味があり、「宜」には”都合が良いこと・ほどよいこと”という意味があります。

「順次」は、次々と物事を進めることですが、その場に合わせた行動をするという場合やその場に合った行動を促す場合に使うのが「適宜」です。

例文
  • 作業の進み具合は適宜お知らせします
  • アンケートの記入が終わった方から適宜退出してください

「順次」の英語表現とは?

「順次」は英語で”sequentially”

「順次」を英語で表現する場合は“sequentially”が当てはまります。

「to update sequentially」で”順次処理します”というフレーズです。また、「I’ll keep you informed」は”順次ご連絡します”というフレーズになります。

例文
  • to update sequentially(順次処理します)
  • I’ll keep you informed(順次連絡します)
  • Please keep me informed(順次報告してください)

まとめ

「順次」は「順を追って次々に」進めていくという意味の言葉。順番通りというよりは、目の前にあるものを順に処理したり作業をおこなったりする場合に使う表現です。

類語である「随時」は「自由に」や「いつでも」という意味であり、「逐次」は「決まった順に次々と」という意味合いが強くなります。「順次」と「逐次」は似たような意味合いですが、微妙にニュアンスが違うので注意して使い分けましょう。