「逆光」の意味や仕組みは?逆光写真の直し方やアプリでの撮り方も

絵画・イラストで芸術的に活用できる「逆光」は、写真では失敗しやすい要因になります。報告書に使う現場写真や、旅行の思い出がきれいに撮影できず困ったこともあるのではないでしょうか。しかし、撮り方を工夫すれば失敗を予防することが可能です。今回は逆光の仕組みや、アプリでの直し方、予防の仕方をご説明します。

「逆光」とは?

「逆光」の意味は”被写体の後ろから差す光”

「逆光」の意味は、“被写体の後ろから差す光や、光が差している状態”のことです。反対に、カメラの後ろから被写体へ差す光やその状態を「順光」といいます。

写真撮影の場合、「逆光」は注意が必要な要素です。なにも対策しないで逆光の状態で写真を撮ると、被写体が暗くなり、色彩が失われてしまいます。そのため、逆光の撮影を避ける人もいます。

例文
  • 「現場の写真が逆光で真っ黒になっていたため、取り直しに行くことになってしまった」

「逆光写真」が暗くなる仕組みは”カメラが調整しているから”

「逆光」の状態で撮影すると目で見えている状態より被写体が暗くなることが多いのは、カメラが明るさを調整しているからです。逆光が眩しすぎると判断して写真を全体的に暗くしているため、光が当たっていない被写体の前側が暗くなります。

カメラは人間の目ほど優秀ではないので、フレームの中すべてをちょうど良い明るさに調整することが難しいのです。特に古いカメラの場合は注意が必要です。

「逆光」のメリット

デメリットしかないように思える「逆光」ですが、うまく使えば写真の魅力を増す効果があります。例えば、被写体が暗くなることを利用し、あえて人物をシルエットにして芸術的に撮影することです。

また、後述する撮り方で暗くなることを防げば、以下のようなメリットが生かせます。

  • 背景と被写体の明暗差がきれいな仕上がりにつながる。
  • 人物撮影の場合、髪が光ってツヤができる。シワも目立たない。
  • 料理撮影の場合、みずみずしくおいしそうに撮れる。

「逆光」で暗くなった写真の直し方とは?

画像編集アプリで明るさを上げる

デジタルカメラで撮影した写真が逆光で暗かった場合、ある程度は後から修正が可能です。簡単な修正方法は、パソコンやスマートフォンの画像編集アプリで「明るさ」をあげることです。アプリによっては「露出補正」という場合もあります。また、デジタルカメラ上で修正できる機種もあります。

「明るさ」を上げると、写真全体が明るくなるので、暗くなっていた場所も見やすくなるでしょう。ただし、すでに明るい背景がもっと明るくなるという欠点があります。

シャドウ・ブラックをプラスにする

背景は明るくせず、暗い場所だけ明るく修正する際に変更するのが「シャドウ」と「ブラック」です。画像編集アプリによっては「影」と「黒レベル」のように、名前が違う場合があります。この2項目は、暗い部分や黒い部分だけを明るく修正することが可能です。

「明るさ」を変更するよりきれいな写真になりやすいのですが、「明るさ」に比べると変更できる画像編集アプリが少ないという難点があります。職場で逆光写真を直したい場合、新しいアプリを自分の判断でインストールして良いのか確認が必要でしょう。

「逆光」の失敗を防ぐ撮り方とは?

撮る方向を変えて逆光を避ける

撮影の段階で逆光に気付いた場合、失敗を予防する撮り方があります。カメラの性能を問わず行えるのが、撮影の方向を変えてしまうことです。太陽などの光源が被写体の後ろにならないよう、被写体や撮影者の場所を調整します。

それが難しい場合、撮影時間を変更するのも有効です。太陽の位置が変わり、逆光ではなくなるまで待つのです。

ストロボなどの補助光で明るくする

移動したり時間を変える余裕がない場合は、補助光を使います。被写体に光を当てることで影ができないようにします。カメラのフラッシュやストロボが簡単ですが、使用禁止の場所もあるので注意しましょう。

レフ版(れふばん)を使うのも有効です。レフ版とは光の反射で補助光を発生させ、被写体を照らすものです。鏡のような銀色のレフ版ならはっきり強い明るさに、白いレフ版ならふわっとした優しい明るさになります。用意や角度の調整が手間ですが、カメラとは違う方向から照らせる利点があります。

カメラの補正機能を使う

カメラの補正機能でも被写体が暗くなることを避けられます。レンズから入る光量を調整(露出補正)して好みの明るさに変更するのです。また、自動補正の機能を持つカメラも多くあります。例えば、HDR(High Dynamic Range)という機能は、明るさを変えて撮影した複数の写真を合成し、全体が見やすくなるよう自動補正してくれます。

補正機能は手軽で便利ですが、カメラやスマートフォンによって操作方法が違うという点に注意しましょう。友人のカメラを借りたり、職場のカメラを使用したりする場合、操作方法を確認する必要があります。

まとめ

「逆光」は被写体の後ろから差す光や、光が差している状態のことです。逆光写真は被写体が暗くなりやすいため、撮影を避ける人もいます。

カメラやアプリの性能が進化し、逆光写真の撮影や、後から修正することの難易度が下がりつつあります。仕事やプライベートで写真を扱うことがある人は、ぜひチェックしておきましょう。