「片腹痛い」の意味とは？語源や例文・類語の「笑止千万」も解説

「片腹痛い（かたはらいたい）」とは「おかしくてたまらない」を意味する慣用句です。「片腹痛いわ」のように表す「片腹痛い」ですが、実は誤用されることが多くあります。この記事では「片腹痛い」の語源や使い方の例文、類語の「笑止千万」も解説します。加えて、「片腹痛い」の英語表現も解説しましょう。

「片腹痛い」の意味・読み方・語源とは？

「片腹痛い」の意味は”おかしくてたまらない”

「片腹痛い」の意味は、“身のほど知らずな相手の行いが、おかしくてたまらない様子”です。「片腹痛い」が意味する”おかしくてたまらない”は楽しさを表すものではなく、「滑稽でたまらなく嫌な様子」を表します。

「片腹痛い」の読み方は”かたはらいたい”

「片腹痛い」の読み方は“かたはらいたい”です。よくある誤用として「かたわらいたい」と読み間違えることがあげられますが、正しくは「かたはらいたい」であるため注意しましょう。

語源は古語の「傍ら痛い」にある

「片腹痛い」の語源は古語の“傍ら痛い”にあります。本来は「傍ら痛い」と書いて”相手をみて心が痛くなるさま・気の毒でハラハラすること”を意味していました。「傍ら」が”そば”を、「痛い」が”痛いさま”をそれぞれ表します。

「傍ら」を「片腹」と間違えて変換したことから、誤用である「片腹痛い」が広まったのです。

「片腹痛い」の使い方と例文とは？

「片腹痛い」は苦々しく滑稽な状況で使う

「片腹痛い」は相手の行動をみて、苦々しく滑稽に思う状況で使われます。たとえば、医学に長けた医者Aと、まったく心得のないBという人がいたとします。医者Aに向かって医学について語るBは、医者からすれば非常に不愉快で身のほど知らずな行いに見えるでしょう。

上記のような行いを「片腹痛い」で表します。

「腹を痛めるほど笑う」の意味で使うのは誤用

「片腹痛い」のよくある間違いとして、”片方の腹が痛くなるほど笑う”の意味で使われることが挙げられます。「片腹痛い」の「片腹」は本来だと「傍ら」と表すため、”片方の腹が痛い”という意味で使うのは誤用です。

相手の愉快な話を聞いて「その話は片腹痛いよ」のように使ってしまうと、相手を誤解させてしまうため注意しましょう。

「片腹痛いわ」「片腹痛いです」のように表す

「片腹痛い」の使い方には「片腹痛いわ」や「片腹痛いです」があります。どちらも相手の身のほど知らずな行いが、おかしくてたまらないことを指摘する言葉です。

「片腹痛い」を使った例文

「片腹痛い」を使った例文をご紹介しましょう。

• この市を心底嫌っている彼が市長に立候補など、片腹痛い
• そんなちっぽけな武器でわたしを倒そうとは、片腹痛いですね
• うまくやっているつもりかもしれないが、わたしからすれば実に片腹痛いぞ
• 天下をとろうと目論むわたしを、片腹痛いの一言で彼は一蹴した

「片腹痛い」の類語とは？

「片腹痛い」の類語は”笑止千万”

「片腹痛い」と似た意味をもつ言葉（類語）には“笑止千万（しょうしせんばん）”が当てはまります。「笑止千万」とは”とてもばかばかしく、おかしいこと”を意味する四字熟語です。「片腹痛い」とは”おかしい”という点で類似しているため、言い換えてみましょう。

「ちゃんちゃらおかしい」へ言い換えも可能

「片腹痛い」は“ちゃんちゃらおかしい”へと言い換えることもできます。「ちゃんちゃらおかしい」とは”身のほど知らずで滑稽なさま”を意味しており、相手のばかげた言動に思わず笑ってしまう状況で使われます。

「片腹痛い」の英語表現とは？

「片腹痛い」は英語で”Ridiculous”

「片腹痛い」の英語表現には“Ridiculous”が当てはまります。「Ridiculous」とは”ばかげた・滑稽な”を意味する単語で、相手の行為や物を見下して批判する状況で使われます。「愚か」を意味する「Stupid」や「Foolish」よりも見下す意味が強くなるため、使う状況は選びましょう。

まとめ

「片腹痛い」とは”おかしくてたまらない”を意味する慣用句で、身のほど知らずな相手の行いを滑稽に思う状況で使われます。「片腹痛い」は”片方の腹が痛い”と書くことから「腹が痛くなるほど笑う」の意味で使う人もいますが、誤用であるため注意しましょう。

「片腹痛い」以外の表現を使いたい場合は、類語の「笑止千万」や似た意味をもつ「ちゃんちゃらおかしい」へと言い換えが可能です。