「体躯」の意味とは?「体格」との違いや使い方の例文・類語も解説

「体躯(たいく)」という言葉を知っていますか?小説や説明書などで見かける「体躯」は、似た表現もいくつかありますが、微妙なニュアンスを見極めて使い分ける必要があります。

今回は「体躯」の意味と読み方、使い方と例文、類語表現についてご紹介しましょう。旧字体の「体軀」や似た意味の「体格」との違いについても説明します。

「体躯」とは?

「体躯」の意味は”体つき・体格”

「体躯」の意味は、“体つき・体格”です。「体躯」とは、人体の”からだ”そのものを指すほかに背格好、背の大きさ、肉付きなど幅広い意味を表します。また、頭部、胴体、太腿、手足などの部分的なエリアも「体躯」と呼びます。

「体軀」は旧字体で書いたもの、意味は同じ

「体躯」は別の漢字で”体軀(たいく)”とも書きます。「軀」は「躯」の旧字体で、以前はこちらの表記が使われていました。戦後に簡略化された新しい漢字が生まれ、「軀」の字が「躯」に変わったことで、今では「体躯」が一般的に使われています。

もともとは同じ意味ですので、どちらを使っても意味は変わりません。「体軀」でも辞書には載っていますので間違いではありませんが、古い漢字だということは知っておくといいでしょう。

「体躯」の”躯”は「むくろ・手足などのからだ」

「体躯」を理解する上で興味深いのが「躯」という漢字の意味でしょう。「躯」も「からだ」や「恰好」など、人の背の高さやたくましさ表すを「体つき」という意味合いで使われています。そのため、「体躯」は「体」「躯」も、どちらも「からだ」を表現する言葉で、二つの言葉を重ねることで意味を強調した熟語となります。

また「躯」が付く熟語表現に「躯体工事・躯体コンクリート」などがありますが、「躯」は建築関係でも使われることがあります。「躯」は人体の骨格や手足などの部分的な箇所を意味する他に、「骨組み」や「枠組み」など、建築要素でいう根幹部分を表すこともあります。

「体躯」の読み方は”たいく”

「体躯」の読み方は“たいく”です。周知のとおり「体」は”からだ・タイ”と読み、「躯」は”ク・むくろ”と読みます。

「むくろ」とは”死体”のことで動物と人間どちらに対しても使われますが、日常生活では一般的にあまり使われる表現ではありません。ちなみに「遺体」は、人に対してのみ用い、敬意を持って使われる言葉です。一方「躯」は”躯の山・躯が並ぶ”などのように「死体」そのものを直接的に使う表現として用いられます。

「体躯」と「体格」の違いとは?

「体格」はからだ全体の様子のこと

「体躯」と似た言葉に”体格”があります。「体格」とは外から見た、からだ全体の様子を指しています。からだ全体という意味では「体躯」を「体格」に言い換えることもできますが、「体躯」は頭部や胴体などの部分的な意味でも使えます。

「体躯」は家畜や樹木・機械にも使われる

「体躯」は人のからだつきや体格だけを表すのではなく、木々や羽振りの良い樹木、また牛や豚などの家畜に対しても使われます。その他、機械や産業マシン、飛行機や一般自動車などの乗り物に対しても、貫禄の良さや見栄えの凄さを示す意図で用いられることがあります。

一方の「体格」は、基本的には人のからだに使う言葉です。生物以外に対しても使うかどうかも、大きな違いでしょう。

「体躯」の使い方と例文とは?

「体躯」は良好で健康なからだを表す時に多く使われる

「体躯」はからだや体つきを表す表現ですが、どちらかと言えば、貧弱で細身のからだを表すことは少なく、「身体が良好で健康的なからだつき」を表す時が多くなります。堂々として見栄えの良いからだ、周囲から見てどっしりとした構えのある体格を表現する時に「体躯」を使うのがベストです。

「体躯」は小説や書籍など文学的なシーンで用いられる

「体躯」は「身体」や「体」、「体つき」や「体格」などの表現に比べて、一般的に使用される頻度は低いでしょう。しかし、イメージを掻き立てたり、ビジュアル的な想像力がカギとなる小説や書籍では、「体躯」を好んで使う傾向があります。「体躯」はやや形式ばった固い言い回しとなりますが、もともと漢語でもあるため、文学分野においてはたくましさや強さを格式高く描写するこうとができます。

また、「体躯」は人の体つきに対してのみではなく、樹木や家畜になどに対しても使われます。小説やシナリオなどで「体躯の良い木々ぎが並ぶ」「この牛は堂々とした体躯だ」などのように表現することで、一種独特のニュアンスを醸し出すこともできるでしょう。さらに「体躯の良い蒸気機関車が走る」「貫禄ある体躯を持つブルドーザー」などとように使えば、愉快で特異なイメージを読者に与えることもできます。

「体躯」を使った例文

「体躯」を使った例文をいくつかご紹介しましょう。

  • 昔に比べて、最近は体躯の良い子供たちが増えたような気がする。
  • 堂々とした体躯が自慢のレスラーを見た。
  • 貫禄ある体躯を持つユーカリの木は、コアラの食料源となる大切な樹木だ。
  • 養豚場へ足を運ぶと、体躯の良い豚ばかりが放牧されていた。
  • 1000万円で購入した産業マシンは、何と貫禄あ体躯なのだろう。

「体躯」の類語表現とは?

「体躯」の類語は”体位・造り・恰幅”

「体躯」の類語には“体位・造り・恰幅(かっぷく)”などがあります。簡単な例文を挙げてみましょう。

例文
  • 体位:体格や身体の強さのこと(体位がずば抜けて良いスポーツ選手)
  • 造り:つくられたモノやその出来栄えのこと(頑丈な造りで有名な寺)
  • 恰幅:体つきや恰好のこと(あの相撲取りは恰幅が良い)

また、文脈のスタイルに合わせて「筋骨(すじぼね)」「スタイル」「身なり」なども、個性あるユニークな言い回しとして置き換えることができるでしょう。

まとめ

「体躯」の読み方は”たいく”で、人や樹木、家畜の他、機械や乗り物などの「たいかく」や「かっこう」を意味する言葉です。普段の生活ではあまり使われることはありませんが、文学的で格式ある響きがあるため、文章を伴う小説や書籍全般で用いられることが多いでしょう。

「体躯」は線が細く貧弱な体格よりは、体つきがよく見栄えが良好である体格を表す時に好んで使われる傾向があります。会話や電話などでは「体躯」を「体育」と聞き間違えないように気をつけながら「体躯」を適切に使っていきましょう。