「継続は力なり」の意味や語源とは?使い方と類語・英語も解説

「継続は力なり」ということわざはあまりにも有名ですが、座右の銘にしている人も多いのではないでしょうか?長い人生の中で目標に向かって歯を食いしばって頑張っている時に、この言葉を胸に刻むことで励みになることもあると思います。

今回は「継続は力なり」という名言について、意味と使い方を中心にご紹介します。また誰の言葉なのかがわかる語源の説もまとめました。

「継続は力なり」の意味とは?

「継続は力なり」の意味は”継続することは成功につながる”

「継続は力なり」の意味は、“何事も継続すれば成功につながる”ということです。誰でも目標をもって続ければ成功する、夢を叶えることができるという意味のことわざで、今は結果が見えなくても努力が報われなくても、頑張って「継続」していれば、いつかは大成できるということを意味しています。

人は大なり小なり、かなえたい夢や希望があるものです。とくに大きな目標やゴールを設定した人は、人の何倍も何十倍も努力が必要であり、場合によってはライバルの出現や家庭の事情などで断念しなければならないこともあるでしょう。それでも「継続」することにこだわり執着することで、少しずつでも達成に近づくことができるという意味を持ちます。

「継続は力なり」は諦めずに取り組むという能力も表す

「継続は力なり」は”何事も続けることで成果が得られるものである”ということわざですが、もう一つ「諦めずに取り組むこと自身が持つ能力の一つでもある」ということも表しています。

継続するということは、想像以上に困難でで厄介なプロセスでもあります。ただ続けていれば良いという端的で容易なものではなく、毎日毎日、怠ることなく続けるという作業は、誰もが生まれ持って備わった能力ではないのです。

「継続は力なり」とは、力量不足でも断念せず地道に努力することで、将来達成することができるという意味に加えて、目標に向かって取り組みを継続することそのものが才能の一つであることも表しています。

「継続は力なり」は誰の言葉?

「継続は力なり」の語源は宗教典”讃嘆の詩”

「継続は力なり」の語源にはいくつかありますが、大正時代に活躍した浄土宗の宗教家・住友夜晃がまとめた「讃嘆の詩(さんだんのうた)上巻」が最も有力だと伝えられています。

「讃嘆の詩」には”念願は人格を決定すー継続は力なり”という下りが記されていますが、この一部分がのちに広く使われるようになり、現在は座右の銘や格言として確立したと言われています。

大正時代のご時世は、哲学思想を基本とする宗教が流行り、中でも浄土宗を中心とした自己形成を模索するスタイルが多く求められてきました。著名な宗教家が記した「継続は力なり」という一説は、自己の目標や夢を実現させたいという人々の心のよりどころとなったのでしょう。

「継続は力なり」は英語のことわざでもある

「継続は力なり」は英語圏でも使われる哲学に基づくモットーの一つです。英語では”continuity is the father of success”と言い、日本語に訳すと「継続は成功の父」となります。あわせて覚えておきましょう。

「継続は力なり」はどんな場面で使うと効果的?

くじけそうになった時に気持ちを前向きにする

「継続は力なり」は今や周知のことわざとして広く浸透していますが、座右の銘や格言として心に刻んでいる人も大変多いでしょう。人は何かを成し遂げたい、成功したいという欲望を持つものですが、いくら目標をかかげても、努力を継続させて結果を出す人は案外少ないものです。それは、挫折や飽き、障害などがさまざまなハードルが原因となることがほとんどだからです。

子供のころの夏休みの課題を思い出してみましょう。「今日は宿題をやろう」と心に決めても、「やっぱり、止めた」と思いのほか簡単に諦めてしまうことがあります。これは幼少であるため決心が甘いことや飽きっぽいという性質が邪魔をしているためです。

しかし、社会人となってからは有言実行することが何よりも大切で、合わせてものごを継続してゴールラインに到達することが重要となります。ぜひ、自分の気持ちを前向きに修正するために「継続は力なり」を活用していきましょう。

「継続は力なり」を自分のアピールポイントにする

「継続は力なり」は”継続することができる優れた才能の一つ”でもあります。そのため、就職活動やあらゆる面接の際に、自信を「ものごとを最後まで続ける」「簡単に諦めない」などの長所としてアピールすることができます。

とくにストレスが多く複雑な現代生活では、仕事や社会活動において継続することの難しさを目の当たりにすることも多いでしょう。そのため、企業や組織が求める人材には「持久力・耐久力・忍耐力」などが挙げられます。

「継続することができる人」や「継続することの重要さを理解している人」は今や貴重な存在でもあります。相手を引き付ける魅力として「継続は力なり」を履歴書欄やインタビューの際に活用していきましょう。

「継続は力なり」の類語・似た言葉は?

「涓滴岩を穿つ」とは努力を続ければ成功する

「涓滴岩を穿つ(けんてきいわをうがつ)」とは、読んで字のごとく、たとえわずかな水のしたたりでも、絶えず流れていれば岩に穴を空けることができるという意味があります。努力を継続すれば、どんなハードシップでも乗り越えられ、成し遂げることができるということわざです。

また、同じ意味を持つ似たような言い回しのことわざに「雨垂れ石を穿つ」「小水石を穿つ」「点滴石を穿つ」「点滴岩を穿つ」があります。

「千里の道も一歩から」とは努力すれば成功する

「千里の道ら(せんりのみちもいっぽから」とは、千里という長い道のりでも、一歩を踏まなければ始まも一歩からないという意味で、転じて”どんな大きな目標でも、着実に一歩ずつ歩いて行けばいつかは制覇することができる”という意味です。努力を地道に重ねることの大切さと、成功の秘訣を唱えた有名なことわざです。

また、言い回しは異なりますが、同じ意味を持つことわざに「始めの一歩、末の千里」「千里の行きも足下に始まる」があります。「涓滴岩を穿つ」同様に上手に活用していきましょう。

似た意味の四字熟語は「愚公移山」「面壁九年」

「継続は力なり」を四字熟語で言い換えたい場合もあるでしょう。努力を続けることに関する四字熟語には「愚公移山(ぐこういざん)」「面壁九年(めんぺきくねん)」があります。

「愚公移山」とは、何事も努力しつづければ最後は成功することのたとえです。努力して成功することを意味をもつ四字熟語として言い換えできるでしょう。

「面壁九年」は、1つの目的に向かって長い年月努力を続けることです。成功することの意味はありませんが、努力を継続することを伝えたいときには使える場合もあります。

まとめ

「継続は力なり」は老若男女問わず、広く親しまれていることわざの一つです。「何事も継続することで成功を成し得ることができる」という意味を持ち、自分が崇拝する名言として胸に置いている人も多いでしょう。

あまりにも有名な名言であるため、うっかり意味を軽視してしまいがちですが、実際に実行することは容易ではなく、言葉とは裏腹に断念せざるを得なくなることもあると思います。しかし「継続は力なり」が示すように、将来パワーアップした自分を想像して、継続する力に変えてみて下さい。遠い道のりかもしれませんが、ふと気付いた時に自分が理想とする「夢の自分」になっていることでしょう。