「思慕」の意味とは？使い方の例文・類語への言い換え方も解説

「思慕（しぼ）」とは”恋しく思うこと”を意味する言葉です。「捩花」や「撫子」の花言葉としても使われる「思慕」ですが、恋愛以外の感情も表すことを知っていますか？

この記事では「思慕」の使い方や例文、類語「慕情」への言い換え方も解説します。加えて、「思慕」と「恋慕」の違いや英語表現も解説しましょう。

「思慕」の意味とは？

「思慕」の意味は「恋しく思うこと」

「思慕」の意味は、「恋しく思うこと」「思い慕うこと」です。

「思」は”相手のことを慕い、いとしく思うこと”を、「慕」は”懐かしく思うこと”や”思いを寄せること”をそれぞれ意味します。

「思慕」の読み方は「しぼ」

「思慕」の読み方は“しぼ”です。「慕」と同じ読みをする漢字には「募」や「墓」があるため、書き間違えないように注意しましょう。

「思慕」は「捩花（ねじばな）」「撫子（なでしこ）」の花言葉

花にはそれぞれ花言葉が存在し、愛や憎悪、希望など込められる意味は様々です。そのなかで「思慕」を花言葉としてもつ花には「捩花（ねじばな）」や「撫子（なでしこ）」があげられます。

「捩花」と「撫子」はともに複数の花言葉をもつ花です。「捩花」には”恋しく思う・秘密の思い出”という意味が、「撫子」には”無邪気・純愛”という意味が込められています。

「思慕」と「恋慕」の違いは「誰に対して使えるか」

「思慕」と似た意味をもつ言葉には”恋慕（れんぼ）”が当てはまりますが、違いがあるため使い分ける必要があります。「恋慕」とは”異性を恋い慕うこと”を意味する言葉です。「恋しい・慕う」という意味は同じですが、「恋慕」は異性に対してのみ使用されます。

「思慕」は異性以外にも親や友人、故郷など人ではないものへも使われます。なにを慕うのかによって「思慕」と「恋慕」を使い分けましょう。

「思慕」の使い方と例文

「思慕」は恋愛以外にも使える

相手を思うことを意味する「思慕」ですが、その思いが恋愛感情である必要はありません。両親や兄弟へ向ける家族愛や、懐かしい故郷への思いも「思慕」で表すことができます。

また、「思慕」は”恋しい”という感情もともなう言葉です。「恋しい」とは”そばにいない人や場所に心を引かれるさま”を表します。そのため、「思慕」は”今そばにいない人や物”を恋しく思う状況で使われます。

「思慕の念」は「恋しい気持ち」を表す

「思慕」の使い方の1つが「思慕の念」です。「○○の念」は”○○の気持ち”を表すため、「思慕の念」は”恋しいと思う気持ち・思い慕う気持ち”を意味します。「思慕の念を抱く」や「思慕の念に堪えない」のように使いましょう。

「思慕が募る」は思いが激しくなること

「思慕」の使い方には「思慕が募る（しぼのがつのる）」もあります。「思慕が募る」とは”恋しい気持ちや慕う気持ちが激しくなること”を意味する言葉です。「募る」が”ますます激しくなること”を意味しており、相手を思う気持ちが高まっていく状況を表します。

「思慕」を使った例文

「思慕」を使った例文をご紹介しましょう。

• 何年たっても亡き母への思慕が薄れることはなかった
• 彼をひそかに思慕するだけで十分だったのだ
• 彼女を心から思慕していることに、戸惑いを覚えた

「思慕」の類語・言い換え表現

「思慕」の類語（類義語）は「慕情」

「思慕」と似た意味をもつ言葉（類語・類義語）には”慕情（ぼじょう）”が当てはまります。「慕情」とは”慕（した）わしく思う気持ち”を意味する単語で、とくに異性に向ける感情を表します。

「思慕」とは”相手を慕う”という点で類似しているため、類語に当てはまるのです。「思慕」のように人だけでなく、離れてしまった故郷など人以外にも使用できます。

「思慕」は「敬慕」へも言い換え可能

「思慕」は”敬慕（けいぼ）”へ言い換えることもできます。「敬慕」とは”心から尊敬し、慕うこと”を意味する言葉で、「敬慕する」や「敬慕される」のように使います。「思慕」とは”相手を慕う”という点で類似しているため、言い換えることができるのです。

「思慕」の英語表現とは？

「思慕」は英語で”Longing”

「思慕」の英語表現には”Longing”が適しています。「Longing」とは”あこがれ”や”思慕”を意味する単語で、なにかを強く望む状況で使われます。ただ、日常会話のなかで多用すると大げさな印象を与えてしまうため、注意しましょう。

まとめ

「思慕」とは”恋しく思うこと・思い慕うこと”を意味する言葉です。「思慕の念」や「思慕が募る」のように表し、恋愛以外の感情に対しても使用されます。類語には「慕情」や「敬慕」が当てはまるため、「思慕」以外の表現を使いたいときに言い換えてみましょう。