「アピアランスチェック」「アピアランスケア」などで使われることがある「アピアランス」ですが、そもそも「アピアランス」とはどういう意味なのでしょうか。
今回は「アピアランス」の意味を語源から解説。編集作業に欠かせなくなったイラレで使われる「アピアランス」についても説明します。最後に、ビジネスにも活かせるように英語表現も併せて紹介しましょう。
「アピアランス」の意味・語源・英語とは?
「アピアランス」の主な意味は「外観」
「アピアランス」の意味は「外観、出席、登場、身だしなみ」です。カタカナ語としての「アピアランス」は、「外観」として使われることが多いです。
「この建造物のアピアランスは、ギリシャ様式を取り入れている」のように使われます。「出席」や「登場」の意味で使われる時は、「○○さんがアピアランスする」のように、誰かが現れることを指します。
「アピアランス」の語源は「進み出ること」
「アピアランス」の語源は、「進み出ること」を意味することから、「姿を見せる」という意味合いが出て、現在使われているような人などの生き物であれば「登場」や「出現」、また人の「外見」や「容貌」、物であればその「外観」という意味になりました。
「アピアランス」の原語は英語「appearance」
「アピアランス」の原語となるのは英語の「appearance」ですが、主な意味は「出現」や「登場」で、次に「外観」や「外見」が続きます。つまり、カタカナ語の意味とは逆の順位になることに注目です。
このことから外国人が英語で「appearance」を使う場合、「外観」よりも「出現」の意味で使っている場合が多いということです。
ビジネスで使う「アピアランス」
接客で気になる「身だしなみ」の意味
ビジネスでは接客することも多いかと思いますが、そんなときに気になるのが「アピアランス」、つまり「身だしなみ」です。その「身だしなみ」や「外見」の意味で、「アピアランス」が使われます。
服装や髪形などの見た目、つまりルックスである「アピアランス」は、ビジネスマナーの一つでもあります。
商品の展示にも「アピアランス」
商品の展示にも「アピアランス」商品が顧客向けに展示されるときに、「アピアランス」が使われることがあります。
例文:「新商品が店頭にアピアランス」
また、商品の外観についても「アピアランス」が使われます。
例文:「○○(商品名)の一新されたアピアランスが人気の要因」
「アピアランスマネー」が高い/低い選手
スポーツ選手などを招いて行わるイベントなどでは、選手に賞金とは別に「アピアランスマネー」として出演料を支払う場合があります。主催者側からの謝礼金として支払われるお金のことで、人気のある選手になれば「アピアランスマネー」が多く支払われます。
医療で使われる「アピアランスケア」
特にがん治療にあたられる患者は、毛髪が抜け落ちるなどの外見の変化が著しい場合があります。そのような方に施されるのが「アピアランスケア」です。
「アピアランスケア」では患者を外見からサポートします。服装や髪形、メイクなどの装いから患者の心理的負担を軽くすることが目的とされています。
「アピアランス」の英語表現
「アピアランス」は英語で「appearance」
先ほども少し触れましたが、英語の「appearance」の意味は、次のようになります
「出現」「登場」
「外観」「外見」「容姿」
「見てくれ」「体裁」
「状況」「様子」
カタカナ語の「アピアランス」に比べると、その意味は多いのですが、原意は「外から見た様子」だととらえておけば、覚えやすいでしょう。
- “appearance by Japanese baseball player”
日本人の野球選手の登場 - “He made the first appearance in the stage.”
彼の映画に初出演した。 - “a man of gentle appearance”
優しい身なりの人 - “Because of his noble appearance she thought that he is the rich man.”
彼の高貴な外見に、彼女は彼が金持ちだと思った。
「appearance」の動詞は「appear」
動詞の「appear(アピアー)」は、「現れる」の意味で使われることが多いです。
- “He appears at the party.”
彼がパーティに出席する。 - “She appeared on the stage.”
彼女がステージに登場した。
(付録)イラレとMacにおける「アピアランス」とは
イラレの「アピアランス」は4つの要素で構成される
「アピアランス」はアドビシステムズが提供する画像編集ソフト「Adobe Illustrator(アドベイラストレーター)」、略称「イラレ」の機能の一つです。ロゴのデザインやイラスト制作まで活用される描画のツールソフトとして定評があります。
「アピアランス」にある4つの構成要素である「線」「塗り」「効果」「不透明度」をつかって、デザインを施したい字体や図形に変化をつけていきます。線をジグザグにしてみたり、大きさや縁のデザインを変えて強調してみるなどの操作が、表示される「パネル」の操作一つで簡単にできます。
またテキストを「アウトライン」化したオブジェクトなら、オブジェクト間での「コピー」や「ペースト」も簡単にできて便利です。
Macの「アピアランス」とはウィンドウに使われている色
MacのPC画面に表示されるボタンやメニュー、ウィンドウに使われている色のことを「アピアランス」と呼び、その「アピアランス」を見やすいように自分で変えることができます。
システム環境設定の機能の一つで、アップルマークをクリックしてメニューの中から「アピアランス」を選択すると、指示通りに従うことでボタンなどの色を変えられます。
まとめ
「アピアランス」はあまり耳にすることはないかもしれませんが、一般教養として知っておきたい言葉の一つです。英語の「appearance」が語源で、英語とほぼ同じ意味で使われているものの、英語の動詞形である「appear」がカタカナ語として使われることはほとんどありありません。英語で使うときは、名詞と動詞の使い分けに注意しましょう。