企業に勤めると配属先を表す言葉に「部署」があります。「〇〇課」や「〇〇部所」「〇〇部門」などのように他にも種類がありますが、機能や事柄にどのような違いがあるのでしょうか?今回は「部署」の意味を中心に、メールや手紙での御中の付け方をわかりやすくご紹介します。
「部署」の意味とは?
「部署」は「少人数の課がまとまったもの」
「部署」とは基本的に「少人数の課がまとまったもの」を意味します。中小企業や大企業かなどの企業サイズにもよりますが、おおむね一課に配属される人数は数人から多いところで20名程度までのところがほとんどです。つまり、これら複数の「課」が存在し、一つに統合されたのが「部署」となります。
「部署」は企業や組織によって名称が異なる
「部署」は、少数のメンバーで構成された「課」がいくつか集合し、統合されたものを意味しますが、この概念は企業や組織によって異なる場合があります。たとえば、従業員が30名以下程度の小規模の会社では、一つの課を設定することなく、飛び級で一つの「部署」として機能させているところもあります。
また、逆に「部署」という機能を置かず、いくつかの「課」を単体で設置している企業もあります。そのため、「部署」や「課」を人数によって感覚的に読み取ることは難しく、企業が示す肩書などで判断するのが一番であるということになります。
「部署」宛にメールを送る時には「御中」
余談となりますが、「部署」宛にメールを送る時には「御中」や「様」を使うようにしましょう。「御中」と「様」は併用せず、個人名が入る時は「様」を用いるようにして下さい。また担当名が不明で「ご担当者様」とする時も、その後に「御中」は付けないようにしましょう。
- ABC株式会社 営業部 ご担当者様
- ABC株式会社 営業部 御中
- ABC株式会社 営業部 田中様
「部署」と「部所」「部門」の意味の違いとは?
「部所」は「部署」とほぼ同じ意味
「部署」と同じ読み方をする名称に「部所」がありますが、実際には、ほぼ「部署」と同じ意味で使われています。主に、開発機関や研究施設などにおいて建物を別の場所に設置している場合、「部所」という表現を置き換えることで「場所」や「位置」を強調する意図があります。
たとえば、研究機関で別の建物に「生物化学研究」を実践している建物があるとすれば、それを「部署」とは呼ばず、あえて「部所」と呼ぶことがあります。
「部門」は複数の「部署」をまとめて統括する
「部署」と最も似通った名称に「部門」がありますが、「部門」とは複数の「部署」が集まり、一つの集団として統括されるところです。つまり、一般的には順番としては、大きなカテゴリーから「部門」そして「部署」、最後に一番小さなまとまりとして「課」が存在します。
わかりやすく言えば「部署」とは、従業員がデスクを持つ所属単位であり、「部門」はこれら所属単位が集まる上位階級となります。
従業員を数百人から数千人かかえる大企業はほとんどの場合、本社や本店以外に支店や事業所を多く持っていますが、その場合は本社や本店に「部門」を置き、支店や事業所に「部署」や「課」を置く傾向があります。
「部署」の種類と役割とは?
「部署」の名称は職業によってさまざま
一つの「課」を統括する「部署」は、総務部などをはじめ数多くありますが、「部署」によって担う業務や役割も異なります。自分が持つ能力やスキルなどで適所となる部署を見出し、就職活動や転職で役立て行くことが大切です。以下で、簡単に部署別での役割を挙げてみます。
一般的な企業が持つ部署の種類
- 人事部:就職や人事異動、キャリア育成を司る部署。
- 総務部:備品管理や調達など、社員や会社に関するものを包括的に管理する部署。
- 経理部:写真の定期代や出張精算など、金銭に関わる業務を行う。
- 法務部:法的な事柄を取り扱い、社員が平等働けるように取り締まる部署。
- 営業部:顧客と直接やり取りを行う。商品を売ることが第一の仕事で商品知識が必要。
- マーケティング部:市場の動向調査、また顧客の受容に応じて新商品を立ち上げをする。
専門分野を統括する部署の種類
- IT部:従業員や会社が有するサーバー管理やパソコンのメンテナンスなどを行う。
- 品質保証部:製品の純度や性能が規定に達しているかなどを調査する。
- 製造部:製造過程での安全性や製造法の改善を計る。
- 購買部:原料や資材を購入したり。開発や製造部と共に業務を進めていく。
- 物流部:商品や製品を運搬したり、顧客位置や輸送量を計算し効果的に運用する。
開発・生産に関する部署の種類
- 生産技術部:生産工程における技術の改善や、生産性の向上を計る。
- 知的財産部:主に特許関係を取り扱う部署。
まとめ
「部署」とは基本的に個々の集団を表す言葉で、「部門」とは包括的な意味で使われることがほとんどです。
普段は「部署」やその他の種類の名称について、あまり気に留めることなく仕事をしていると思いますが、どのような意味や機能を持つのか意識して業務に取り組みことも大切です。自分が企業の中でどのような位置にいて、どのようなカテゴリーで貢献しているのか、モチベーションを高めるためにも、ぜひ確認してみるのも良いのではないでしょうか?