「協働」の意味や定義とは?「協同」との違いや類語・英語表現も

ともに働くという意味の「協働」は、福祉分野において一定の定義のもとに用いられることが多い、比較的新しい熟語です。もともとあった「協同」や「共同」との意味や使い方の違いがわかりにくいと感じる人も多いかもしれません。

この記事では、「協働」の意味やその定義について解説します。あわせて類語や英語表現も紹介しています。

「協働」の意味や定義とは?

「協働」の意味は「協力してともに働くこと」

「協働(きょうどう)」の一般的な意味は、「協力してともに働くこと」です。具体的には、一つの目的を達成するために、目標に向かって複数の人々が力を合わせて協力しながら働くことを意味します。

主に社会政策や福祉分野においてある一定の概念とともに用いられます。例えば、異なる組織やさまざまな役割を持つ人々などが、協力しあいながら社会を支える仕組みを「協働社会」と表現します。

「協働」の定義は英語の造語「Co-production」

「協働」の語は、英語「Co-production」の訳語として生まれたものです。米国の政治学者で政策の民主制を研究していたヴィンセント・オストロムが、共有資源研究の第一人者である妻のエリノア・オストロムとともに、1970年代に「Co-production」という言葉を造語しました。

英語で「Co」は「共同の、共通の」という意味であり、「production」とは「生産」という意味を持ちます。オストロム夫妻の提唱した「Co-production」とは、行政と市民、あるいは専門職と非専門職が対等な関係で効果的に協力しあうことで、公的サービスの生産性を高めることができるという理論です。

「協働」は地域福祉に不可欠な概念

オストロム夫妻の提唱した、市民と行政の共同の取り組みを表す「協働(Co-production)」の概念は、日本における地域福祉が目指す理念として取り入れられ、不可欠なものとなっています。

地域福祉においては、制度にもとづいたフォーマルな支援では対応できないニーズに対して、住民自治組織やNPO、ボランティアなどとの協働やパートナーシップが不可欠なものとされています。

「協働」と「協同」の違いとは?

「協同」の意味は「一つの目的のために力を合わせること」

「協働」と似ている言葉に「協同(きょうどう)」があります。「協同」とは一つの目的のために力を合わせることという意味です。「協同組合」「産学協同」などに用いられています。

以前は共に働くという意味において「協同」の語が用いられていましたが、近年は一般的な使い方でも「協働」の語が広く定着しています。

「協働」はとくに福祉政策の分野で用いられる

造語の「Co-production」の訳語として「協働」が生まれる前から使われていた言葉が「協同」です。二人以上の人が力を合わせて仕事をすることを「協同」と言うため、その意味においては「協働」と同様の意味を持ちますが、福祉分野などでは「協働」の語が用いられます。

特に社会政策や福祉政策の分野などで、「Co-production」の概念を背景に用いられるのが「協働」です。

「協働」の類語とは?

「協働」と補完関係にある類語「パートナーシップ」

「協働」と補完関係にある言葉が「パートナーシップ(partnership)」です。日本語では「協力関係・共同・提携」などと訳されます。

地域福祉の分野では、立場や専門性が異なる組織や人々が、パートナーシップに基づいて協働することによって、力を最大限に出し合うことができるとされています。

「協働」と「パートナーシップ」は概念が似ているため、類語でもあるといえます。

一緒に事を行うという意味の「共同」

「共同(きょうどう)」は、同じ目的のために一緒に事を行うことを意味します。「共同体」「共同経営」「共同利用」などの熟語としても使われます。

「(複数の事業体が)共同する事業」という意味で「協働事業」と表現されることもあり、「共同」と「協働」は同じ概念を含んでいます。

「協働」の英語表現とは?

「協働」は英語で「cooperation」「collaboration」

「協働」の英語は「cooperation」です。「協働」の他にも「協力・協同」など、力を合わせるという意味があります。

また、一緒に(共に)の意味の「共同して働く/行う」といった意味では「collaboration」も使われます。

まとめ

「協働」は、英語の造語「Co-production」の訳語として比較的新しく登場した熟語です。異なる属性の人々や組織が、対等な関係で協力し合いながら働くという概念を表します。

一般的な意味としては力を合わせて働くという意味の「協同」と同じ意味で用いられます。また、一緒に事を行うという意味の「共同」と近い意味で使われることがあるため、これらの使い分け方がわかりにくいかもしれません。

「協働」の語が成立した背景を知っておくと、違いがわかりやすくなるでしょう。