「時点(じてん)」は同じ読み方の「次点」と間違えやすいですが、流れている時間の中にある一点をさす時に使う場合は「6時時点」というように「時点」を使います。
今回はこの「時点」という言葉について、似たような使い方をする「現在」や「段階」との違いについても解説。類語や英語表現についても紹介します。
「時点」の意味とは?
「時点」の意味は”流れる時間の中にある一点”
「時点」の意味は、“流れている時間の中にある一点”です。読み方は「じてん」です。「午前6時時点」とした場合、午前6時ちょうどの時間をさします。その時間の状態を確認したりその時間の状態がどうだったのかお知らせしたりする場合に「6時時点」などと表現します。
「次点」は意味が違う同音異義語
「時点」と同じ読み方の”次点(じてん)”は、意味は全く異なる同音異義語です。
「次点」とは、”2番目にあたる得点を獲得した人やその物自体”をさす言葉。コンテストや賞レースなどで、得点の高いものにつぐ物であり、その得点を受けた人のことをさします。必ずしも1番に続く2番というわけではなく、ある得点の次の得点を得ているという意味です。
「時点」と「次点」は全く異なる意味の言葉ですので、使用するときには注意しましょう。
「時点」の使い方と例文とは?
「時点」は過去の日付や今のこと、未来にも使える
「時点」は、流れている時間の中にある一点をさし示し、その時間の状態について言及する時に添えて使う言葉です。過去の日付や今のことに対して言及する場合に使用します。
また、「明日の朝8時時点で雨が降ってなければ出発します」のように、まだ経過していない未来の日時について言及する場合にも使える言葉です。明確な日時だけではなく、「決定した時点で連絡します」のように物事の変化などに対しても使えます。
「時点」を使った例文
「時点」を使った例文をご紹介しましょう。
- 昨日の18時時点ではまだ帰宅していませんでした
- 明日の午前6時時点で警報が発令されていたら休校になります
- 今後の発売については、正式に決定した時点でお知らせします
- 明日の午後3時時点で荷物が届いていなければ連絡をください
「時点」と「現在・段階」との違いとは?
「現在」は未来の日時に対しては使わない
「現在」には”今をしめす言葉”や”存在して目の前にあること”という意味の他に「物事や時間など変動する状態のものをある点で区切ってさし示すこと」という意味があります。この意味で使う場合は、「時点」と同じように時間の中のある一点をさし示します。
「登録者数は3月末現在で2000名です」などと使うこともありますが、資料などにおいて「登録者数2000名(3月末現在)」などと、文章の後ろに注意書きとして記載することもあります。
「時点」は過去のデータや今の状態に加え未来の時間に対しても使用できるのに対し、「現在」は、過去や今の状態のみに使用し、未来の時間をさし示す場合には使用しません。この点が「時点」と「現在」の大きな違いです。
- 昨日の17時現在の東京の気温は20度でした
- 今日現在での登録者数は2000名をこえています
- 申込人数2000名(3月末現在)
「段階」は時間や物事の区切りの意味が強い
「段階」は、”階段のこと”や”物事の順序のこと”という意味の他に”進行する物事の過程でのある区切りのこと・その状態”という意味があります。「ようやく提出できる段階になりました」とした場合、”ようやく提出できる状態になっています”という意味です。
「時点」は流れている時間の中でのある任意の一点をさしますが、「段階」は物事の区切りという意味合いが強くなります。
- 昨日の段階では何がどこにあるのかわからなかった部屋がようやく片付いた
- このプロジェクトもとうとう最終段階に入りました
「時点」の類語とは?
時点の類語:「瞬間」とは”物事が発生したごく短い時間”
「瞬間」とは、ほんの短い時間のことという意味であり、何か物事が発生したそのごく短い時間自体をさします。「時点」が、”流れている時間の中でのある一点”をさしその時間の状態を言及するのに対し、そのある一点の時間自体をさすのが「瞬間」です。
- 立ち上がった瞬間、目の前が暗くなり倒れてしまった
- 彼女の写真を見た瞬間、すっかり忘れていた学生時代のあの日のことを思い出した
「時点」の英語表現とは?
「時点で」は英語で”as of~”
「~時点で」は英語で“as of~”というフレーズを使用します。「~現在」や「~から」という意味でも使われる表現です。日付を示したり書類に使われたりとよく見かける表現ですので、日時などに添えて使うフレーズとして覚えておきましょう。
- as of now(いま時点で)
- as of today(今日時点で)
- as of march,2020(2020年3月時点)
まとめ
「時点(じてん)」は、”流れている時間の中でのある一点”をさし示す時に使用する言葉です。似たような用途で使える「現在」は、「物事や時間など変動する状態のものをある点で区切ってさし示す」言葉。過去の日付や未来の時間にも使える「時点」と違い、「現在」は未来の日時には使いません。また、「段階」は「進行する物事の過程でのある区切りのこと」をさして使います。ニュアンスの違いを把握して使い分けましょう。