「イマジナリー」の意味とは?イマジナリーフレンドや対義語も解説

「イマジナリー」は英語が元になったカタカナ語です。「イマジナリーフレンド」や漫画やゲームの用語、歌詞の一部として聞いたことがある人が多いかもしれません。今回はイマジナリーの意味や対義語、イマジナリーを使った言葉についてご説明します。

「イマジナリー」の意味と語源

「イマジナリー」の意味は「実在しないさま」

「イマジナリー」は「実在しないさま」「架空であるさま」を意味する言葉です。英語がそのままカタカナ語になりました。

日本では「イマジナリー」だけで使うことはあまりありません。最も有名なのは「イマジナリーフレンド」かもしれません。映像や漫画に関心がある人は「イマジナリーライン」、数学や電気工学が得意な人は「イマジナリーナンバー」もご存知でしょう。これらの単語の意味は後程ご説明します。

「イマジナリー」の語源は英語の「imaginary」

「イマジナリー」は英単語「imaginary」が語源です。「imaginary」の意味は「想像上の、架空の」ですので、日本で使う意味と同じです。

「imaginary」は「image」の派生語だと言われています。他にも、日本でなじみがある派生語に「imagine」があります。

  • image:像、画像
  • imagine:想像する
  • imaginary:想像上の、架空の
  • imaginable:想像できるかぎりの、考えられる限りの
  • imaginative:想像力に富む、想像を好む、想像にふける

「イマジナリーフレンド」とは?

「イマジナリーフレンド」は「想像上の友達」

「イマジナリーフレンド」は「イマジナリーコンパニオン」と呼ぶこともあります。主に小さい子どもの心に現れる、自分だけの想像上の友達のことです。遊び相手になるだけでなく、相談を聞くこともあります。

精神的な病気のように感じるかもしれませんが、子どもであれば正常の範囲だとされています。多くの場合は成長とともに消失します。大人であっても現実と区別がついているなら問題ないようです。ただし「記憶の抜け落ち」「妄想のような独り言」などが見られる場合、別の病気の可能性も考えられます。専門家の判断が必要になるかもしれないので、注意して様子を見ましょう。

「イマジナリーフレンド」の良い面

「イマジナリーフレンド」自体は、生活していく上で良い面があるとも言われています。

例えば、イマジナリーフレンドを持つ子どもは社交的で友達が増えやすいという説があります。イマジナリーフレンドがコミュニケーションの練習相手になっているようです。また、年齢に関わらず、イマジナリーフレンドへの相談という形で自問自答し、気持ちの整頓や自分を客観視できるようになります。

友達以外に恋人を生み出す人もいる

イマジナリーフレンドは、ストレス解消や生きる希望になる面もあります。これを狙って、意図的にイマジナリーフレンドを生み出す人もいるようです。この場合は「イマジナリー彼氏(彼女)」や「イマジナリー猫」のように、友達以外の存在になることもあります。

「イマジナリー」の対義語

「イマジナリー」の対義語は「リアル」

「イマジナリー」と反対の意味を持ち、カタカナ語として浸透している英単語が「リアル」です。リアルは「現実」や「現実的」であることを表します。また、芸術作品などの表現に現実感があることや、現実世界という意味もあります。

例文
  • 「夢ばかり見ていないで、もっとリアルに考えた方がいい」
  • 「自宅療養中にオンラインゲームで仲良くなった友人と、リアルで会うことになった」

その他の「イマジナリー」を使った言葉

「イマジナリーライン」の意味は「人物を結ぶ架空の線」

「イマジナリーライン」は「想定線」とも呼びます。映像や漫画で、向き合う人物を結ぶ架空の線のことです。この線を意識したカメラワークをすることで、視聴者や読者に分かりやすい作品になります。

例えば、Aさんが左、Bさんが右にいて、向き合っている様子をビデオカメラで撮影していると想像してください。2人の間にできるイマジナリーラインを横切って反対側にカメラを移動させると、Aさんが右、Bさんが左にいることになります。カメラが移動するシーンをカットして編集すると、2人が立ち位置を交代したような映像になってしまいますね。視聴者にとっては混乱の元です。

そのため、イマジナリーラインは越えないで撮影するのが基本だとされています。

「イマジナリーナンバー」は「虚数」のこと

「イマジナリーナンバー」は日本語では「虚数(きょすう)」と訳されます。「2乗すると0未満になる数字」のことです。「2乗」とは「同じ数を2回かけ合わせること」です。実在しない数字のためイマジナリーナンバーと名付けられたと言われています。

通常の数字は、同じ数を2回かけ合わせると答えはプラス(1以上)になります。(答えがマイナスになるのは、プラス×マイナス)しかし、それでは答えが出せない計算があるので、解決するために虚数が定義されていったようです。

虚数は繰り返しや回転の計算にとても便利です。身近なところだと電気の計算に使われます。虚数がなければスマートフォンもパソコンも開発されなかったかもしれません。日常生活を支える重要な数字です。

まとめ

「イマジナリー」は「実在しないさま」「架空であるさま」を表すカタカナ語です。

イマジナリーを使った言葉の多くは実在しませんが、それぞれ役に立ち生活を支えています。「実在しないなら意味がない」と思わずに、イマジナリーなものを活用してみましょう。