「訓戒」の意味とは?懲戒処分の種類と公務員と民間企業との違いも

「訓戒」は社会人になると職場で見聞きすることが出てくる言葉です。文脈の内容から何となく意味をつかみ取ることができるという人もいると思いますが、公務員を含め、会社や学校などでも「訓戒処分」が存在するため、意味を明確に把握しておく必要があります。今回は「訓戒」の意味と使い方の例文などをご紹介します。

「訓戒」の意味とは?

「訓戒」の意味は「善悪を教え戒めること」

「訓戒」とは「善悪を教え戒めること」を意味します。人生における善悪を理解させるために、教訓として厳しく教え諭すことを指しています。「訓戒」の「訓」には教えや諭し、「戒」は戒めるという意味があり、この二つの言葉が組み合わさって「訓戒」という言葉が生まれました。

「訓戒」は会社や学校における軽微な懲戒処分

「訓戒」とは公務員を含め、一般の会社に勤める人や学校などにおいて、比較的軽い懲戒処分として位置づけられているものです。「訓戒」は他の処分に比べて軽い規律違反に対して行なわれるもので、上司からの口頭での注意や指導、始末書や誓約書の提出を求めることがほとんどです。まれに、訓令に基づき給与上の不利益を伴う処分を下すこともあります。

「訓戒」の使い方と例文

「訓戒」を生徒に与える処罰として使う

「訓戒」は、意味の項目でもご説明したように、学校や教育施設でも用いられる処罰でもあります。とくに私立学校においてはカソリック系や付属学校などをはじめ、さまざまな教育方針を持つため、規則も厳しく規定されています。生徒手帳の最後に掲載されている場合も多いでしょう。

学生への「訓戒」は、学則や規則に反する行為を二度としないという誓約をすることが一般的です。しかし「訓戒」を何度も受けた場合には、情状酌量の範囲で「停学処分」を受けることもあります。

「訓戒」を使った例文

  • 車からごみの投げ捨てをしている人がいた。まさに訓戒すべき行為である。
  • 職場で大切な書類をなくし、訓戒処分を受けた。
  • 数百万もする産業マシンを壊してしまったが、訓戒止まりでよかった。
  • 校則で禁止されているピアスを開けたり、いじめを繰り返した生徒に訓戒を言い渡した。

「訓戒」と同レベルの処分と懲戒処分の種類

「訓戒」と同じレベルにあるのが「譴責」「訓告」

「訓戒」とほぼ同じレベルに位置する処分が「譴責(けんせき)」や「訓告」です。これらの処分は比較的軽微な処分となり、上司からの口頭注意や厳重な指導の他、監察期間などが設けられることもあります。加えて、将来においての昇格や昇進にも影響する可能性は否定できません。

「懲戒処分」で最も重いのが「懲戒解雇」

「懲戒処分」の中で最も処分的に重いのが「懲戒解雇」です。下記に処分の重いものから順番に、名称と内容を紹介します。

懲戒処分の種類
  1. 懲戒解雇:解雇処分、クビのこと。退職金の支給がないこともある。
  2. 諭旨解雇:解雇処分に極めて近いが情状酌量となった処分。自主退職を促される。
  3. 降格:役職を下げること。キャリア崩壊と役職手当の喪失という処分は非常に重い。
  4. 出勤停止:公務員の場合は「停職」と呼ぶ。出勤禁止期間は賃金は支払われない。
  5. 減給:給与の減給処分。減給額の上限を給与の10%までとし、期間や額はさまざま。
  6. 譴責:上司からの口頭注意や始末書の提出。
  7. 戒告:公務員に適用の処分。反省を求め戒める。最も軽微な処分。

これらの下に位置するのが「訓戒」や「訓告」で、法律上では処罰に値しない非常に軽い処分を指します。二度と過失やミスを起こさないように書面にて誓約を求めることが多く、自己の非違行為を自覚させ、反省させるのが第一の目的となります。

加えて、最も下にくる処分項目に「注意」がありますが、文字通り上司からの注意のことです。お叱りといった軽い解釈ではなく、二度と間違いを繰り返さないためのファーストステップとなりますが、むしろ「厳重注意」と受け止めた方が良いかもしれません。

「訓戒」などの懲戒処分の適用は公務員と民間企業で異なる?

公務員は国家・地方公務員法で規定されている

一方、民間業とは異なり、公務員は国家公務員法や地方公務員法で定められた処分の適用規定に従って処分されます。基本的には業務上において重大な過ちや失敗をし、各種法令に対して違反したと判断される場合に課せられることになっています。

民間企業と異なり法律で規定されているため、公務員という肩書がある以上、全ての人に共通して適用となるのが特徴です。

民間企業は各企業で規定される就業規則による

民間企業の場合「訓告」を含む懲戒処分の適用は、それぞれの企業で定められた就業規則によって異なります。たとえば、減給に値するような行為が認められても、訓告止まりであったり、逆に降格などの厳しい処分が下されることもあります。企業の種類や社風、社長の意向など、さまざまな要素が交じり処分の適用を決定するのが民間企業のあり方です。

民間企業の就業規則はさまざまですが、おおむねよく見られる「懲戒」の項目に「会社の名誉を著しく汚した場合」また「信用を傷つけた場合」があります。企業に多大な損失を与え、刑事責任に問われる行為に懲戒処罰が与えられる旨が書かれてあることが多いです。入社前に、懲戒処分が適用されるケースと懲戒処分の名称や内容を明記したものが渡され社員への理解を仰ぐのが目的です。

まとめ

「訓戒(くんかい)」とは、懲戒処分の中で最も軽い処分に位置づけられるものです。同じようなレベルの処分に「譴責」や「戒告」があり、上司からの口頭注意の他、始末書の提出や誓約書へのサインなどが求められます。

また「訓戒」を含む懲戒処分は公務員の場合と民間企業では適用ケースが異なります。民間企業では入社前に「懲戒規定」という項目が明記された書類が渡されると思いますので、必ず確認をするようにして下さい。

公務員でも民間で働く人でも、エラーやミスをすることは多々ありますが「訓戒」を受けた時点で自分をしっかりと戒め、教え悟るように心がけることが大切です