「同じ轍を踏む」の意味や語源は?使い方や類語と英語表現も解説

前の人と同じ失敗を繰り返すことを「同じ轍を踏む」と表現します。轍は「わだち」とも読み、車の車輪跡のこと。自分よりも先に通った車の車輪跡で転倒するという状態からの例えです。

今回は「同じ轍を踏む」の意味と使い方について解説します。類語「二の舞を演じる」との違いや英語表現についても紹介しましょう。

「同じ轍を踏む」の意味は?

「同じ轍を踏む」は「人と同じ失敗を繰り返すこと」

「同じ轍を踏む」は「おなじてつをふむ」と読み、前の人と同じ失敗を繰り返すことです。「轍(てつ)」は「わだち」とも読み、ぬかるんだ道や雪道などを走った時にできる車の車輪跡のことをさします。

前の車の車輪跡に後から進んだ車がはまったりすべったりして転倒するという状態の例えで、転じて「前の人と同じ失敗を繰り返す」という意味で使われる言葉です。単に「轍を踏む」や「前轍を踏む(ぜんてつをふむ)」とも表現します。

「轍(わだち)」の語源は「輪立ち」

「轍」の音読みは「てつ」、訓読みは「わだち」です。「轍(わだち)」の語源は「輪立ち(わだち)」からきています。「輪」とは車輪を意味しており、車輪の跡ができる様子を表した言葉。「わだち」とは、舗装されていない道などで、雨や雪の後などぬかるんだ時にできる車輪の跡をさしています。

「同じ轍を踏む」の使い方と例文

失敗など繰り返したくないことに対して使う

「同じ轍を踏む」は、先人の失敗を繰り返すことです。先人が築き上げた文化や伝統などをまねたり追ったりするようなポジティブなイメージではなく、先人の失敗や過ちなど何度も経験したくないネガティブな事柄に対して、「同じ失敗を繰り返す」という意味で使われます。

自分ではなく他人の失敗をさす場合に使う

「同じ轍を踏む」でさしている失敗は、自分自身が以前にした失敗や過ちではなく、他人が過去にした失敗や過ちをさしています。そのため、同じ人が何回も失敗を繰り返すという意味ではなく、他人と同じ失敗をしてしまうという意味で使われます。

「同じ轍を踏む」を使った例文

  • 昨年のプロジェクトチームと同じ轍を踏むことのないよう気を引き締めましょう
  • まさか彼と同じ轍を踏むことになるとは思いもよりませんでした
  • 彼が私と同じ轍を踏まないよう、作成した資料を渡した
  • 先輩の話を参考にして、同じ轍を踏まないように気をつけます

「同じ轍を踏む」の類語は?

「二の舞を演じる」は「人と同じ失敗をすること」

「二の舞を演じる」は単に「二の舞」と省略して使われることもあり、前の人と同じ失敗をすることという意味の慣用句です。

二の舞とは、舞楽の楽曲のひとつで「安摩(あま)」という舞のあとに演じられる舞のこと。この舞は安摩をまねたこっけいな舞であることから、人のまねをすること、転じて人の失敗を繰り返すことという意味になりました。

「同じ轍を踏む」と「二の舞を演じる」は、もともとの言葉の出どころは違いますが、同じ意味の言葉と言えます。

例文
  • 気をつけてはいたが彼の二の舞を演じることになってしまった
  • そのままでは前任者の二の舞ではありませんか?

「二度あることは三度ある」は「物事は繰り返すということ」

「二度あることは三度ある」とは、二度おきた出来事は三度目もおきる可能性が高いということ。物事は何回も繰り返すものだから、同じ失敗を繰り返さないように気を付けましょうという意味のことわざです。同じことは繰り返しやすいのでさらに同じことを繰り返さないようにという、戒めの言葉としても使われます。また、自分のミスや責任ではなくアクシデントのようなことが繰り返す場合にも使われる言葉です。

「同じ轍を踏む」の場合は先人の失敗と同じことを繰り返すことをさしますが、「二度あることは三度ある」は少なくとも既に二度は失敗を繰り返しているというニュアンスになります。

例文
  • 二度あることは三度あると言いますのでしっかり気をつけてください
  • 何回も確認したが、二度あることは三度あるというのでもう一度確認しておこう

「同じ轍を踏む」の英語表現は?

「同じ轍を踏む」は英語で「make the same mistake」

「同じ轍を踏む」は、「同じ間違い」という意味の「same mistake」で表現します。「同じ間違いを作る・同じ間違いを繰り返す」という意味の「make the same mistake」で「同じ轍を踏む」というニュアンスです。前任者や先代という意味の「one’s predecessors」を合わせると、さらに伝わりやすくなります。

例文

make the same mistake as one’s predecessors
(先人と同じ間違いをする/同じ轍を踏む)

まとめ

「同じ轍(てつ)を踏む」は、前の車の車輪跡にはまって転倒する状態の例えから「前の人と同じ失敗を繰り返すこと」という意味で使われている言葉です。「轍(てつ)」は「わだち」とも読み、その語源は「輪立ち(わだち)」からきています。また、「轍を踏む」や「前轍を踏む」とも表現します。

新しい仕事やプロジェクトを始める際に、先人の失敗を考察し「同じ轍を踏む」ことのないよう進めていくことは、社会人としても必要なスキルのひとつと言えるでしょう。