「ご尊顔」の意味と読み方は?使い方の例文と類語もあわせてご紹介

「ご尊顔を拝見する」「ご尊顔をご覧になる」というように、「ご尊顔」という表現を使うことがあります。普段の生活ではあまり使うことがありませんが、社会人になるとさまざまな人や機会に遭遇するため、意味や使い方を把握しておくと便利です。今回は「ご尊顔」の意味と読み方、使い方の注意点や類語をご紹介します。

「ご尊顔」の意味と読み方は?

「ご尊顔」は他人の顔に敬意を表す語句

「ご尊顔」とは他人の顔に敬意を表して使われる語句です。「尊顔」に敬意を示す接頭語「ご(御)」を付けることで、丁寧に言葉を修飾した言葉となります。ちなみに、敬意の接頭語「ご」は「ご意向」「ご活躍」などのように使われます。

「尊顔」は読んで字のごとく「尊える顔」と表記しますが、相手のお顔を敬って使われる表現であるのが特徴です。身分の高い人や位の高い人、滅多にお目にかかることのない天皇や王様などの人物に対して、敬意を示す意図で使われます。また「ご尊顔」は「御尊顔」とも表記することもあります。

「ご尊顔」の読み方は「ごそんがん」

「ご尊顔」の正しい読み方は「ごそんがん」です。「ご尊顔」の「尊」は訓読みで「みこと」とも読みますが、誤って「おみことがお」と読んでしまわないように気をつけましょう。

「ご尊顔」の使い方の注意点と例文

「ご尊顔」は目上の人に対して使わない

「ご尊顔」は相手の顔に敬意を示して使われる言葉ですが、たとえ、自分より身分が上であっても、職場の上司や恩師、取引先の人や目上の人に使うのは適切ではありません。

「ご尊顔」は一般の人ではなく、国の王様や天皇などのように人々が敬い慕うような人物であるのが原則です。そのため「久しぶりに社長のご尊顔を見た」「恩師のご尊顔を見て安心した」というような使い方は不適切となります。「ご尊顔」はあくまで滅多にお目にかかれないような身分や位の極めて高い人の「お顔」に対して、敬意を表す意図で使うようにしましょう。

「ご尊顔」は仏像のお顔に対しても使われる

「ご尊顔」は人に対してだけではなく、仏像や神などの「お顔」に対して敬いの心を持って使われることがあります。自分から見て尊敬に値する人とは、個人の考え方や解釈の仕方にもよりますが、先祖が祀られている神棚に置かれた仏像や、神社仏閣にある釈迦像のお顔に対しても「ご尊顔」という表現が使われることも覚えておきましょう。

「ご尊顔」でよく使われる言い回しは「ご尊顔を拝見する」

「ご尊顔」で最も多い言い回しは「ご尊顔を拝見する」です。「ご尊顔」を使う相手は身分が高く通常はお会いすることができないような高貴な人に対して使われるため、後続して使われる言葉も「拝見する」「ご覧になる」「お見取りになる」などの尊敬語を用いる場合が多いでしょう。

もちろん「ご尊顔が目に浮かぶ」「夢にご尊顔が現れる」などのように、後続する表現が敬語でない場合もありますが、「ご尊顔を見る」ではなく「ご尊顔を拝見する」と表現するのが適切となります。

「ご尊顔」を使った例文

  • 元日の朝に、天皇陛下のご尊顔を拝見した。
  • 本日のパレードでは、国王のご尊顔を拝見することができる。
  • 悲しいことがあると、近所のお寺に足を運び、お釈迦様のご尊顔を拝見することにしてる。
  • 昨晩、おどろくなかれ、先祖のご尊顔が夢に登場した。
  • 目をつぶると、尊敬する武将のご尊顔が目に浮かんでくるようである。

「ご尊顔」の類語表現は?

「竜顔」は君子に用いられる御顔のこと

「竜顔(りゅうがん)」とは、中国で君主に対して使われる「御顔」のことです。もともと「竜顔」には「天子(君主)の顔」という意味があり「中国皇帝のお顔」という意味で使われます。日本では「天皇のお顔」という意味となり、国の君主に相当する人物に対してのみ使われる特別な表現となります。

また、ほぼ同じ意味を持つ言葉に「天顔」があります。

例文
  • 中国皇帝の竜顔(天顔)が描かれた壁画は、現地を訪れた時にぜひとも見てみたいものだ。
  • 出先で天皇の竜顔(天顔)が拝見できるとは、何と光栄なことなのだろう。

「尊容」は仏像や身分の高い人の御顔のこと

「尊容(そんよう)」とは、仏像やお釈迦様、また身分や位の高い人の御顔に対して使われる表現です。「ご尊顔」と同じように、敬意の接頭語「ご(御)」を付けて「ご尊容」と使うこともあります。「ご尊顔」と極めて近い意味と使い方を持つ言葉となります。

例文
  • 寺の境内に祀られた釈迦像のご尊容は、震えがくるほど迫力がある。
  • 我が家の庭先には、先祖のご尊容が建てられている。

まとめ

「ご尊顔」は「ごそんがん」と読み、他人の顔に対して敬いの気持ちを持って使われる語句となります。相手のお顔を丁寧に表現する語句であり、つまり「身分の高い人のお顔」のことです。

「ご尊顔」は相手に対して敬意を示す時に使われますが、上司や恩師などの目上の人に使うのは適切ではなく、位や身分の高い国王や天皇、お釈迦様や先祖など、自分が心から尊敬をする人物に対して使われます。間違っても「社長のご尊顔はまるで鬼のようだ」「恩師のご尊顔は若いころから変わっていない」などと使わないように気をつけましょう。