ドイツのパンの特徴とは?種類やクリスマスの定番・食べ方も紹介

ドイツ人が朝食と夕食によく食べているドイツのパンは、黒っぽくわずかに酸味もあり歯ごたえもしっかりとしています。2014年にはユネスコの無形文化遺産にも登録されて、ドイツ文化を代表する食材になりました。

この記事ではドイツのパンの特徴や種類の他に、クリスマスの定番「シュトレン」とパンの食べ方も紹介します。

※この記事の担当:Light1(ドイツ在住歴12年。ドイツの長い夏とドイツワインが好き)

ドイツパンの特徴

ドイツパンは主原料のライ麦で黒くなる

ドイツパンにはいろいろな種類がありますが、ドイツの食文化を代表するパンには主原料としてライ麦が使われています。ライ麦自体が黒みがかっているため、そのパンの色は黒くなります。

ライ麦はパンを膨らませるグルテンが含まれていないので、ドイツのパンは密度が濃く、重量感のあるパンに仕上がります。さらに小麦粉を主原料にしたパンよりも日持ちがするという特徴もあります。

ドイツパンの酸味はライ麦の天然酵母から生まれる

ドイツパンはほのかに酸味がありますが、その理由はドイツパンに使われるライ麦の天然酵母です。「ザワータイク(Sauerteig)」と呼ばれるライ麦と水により作られた天然酵母で焼き上げたパンには独特な酸味が生まれます。

しっかりした歯ごたえはライ麦が作り出す

ライ麦の分量が多いドイツパンは独特の歯ごたえがあります。その歯ごたえはフランス系の白いパンのような軽いものではなく、外側は香ばしく内側はしっとりとしているので噛めば噛むほど味わい深くなります。

ドイツのパンの種類

ドイツで登録されているパンの種類は約3200種類もあると言われていますが、ここではドイツのどこでも見られる主流のパンを紹介します。

大型パンの種類

食べるごとに薄く切る大型パンは250g以上、パン屋では1㎏サイズまで売られています。この大型パンには主に次のような種類があります。

  • 「ロゲンブロート」(Roggenbrot)
    「ロゲン」とはライ麦のことで、「ロゲンブロート」はドイツパンを代表するパンのひとつ。ライ麦を90%以上使いライ麦独特の風味と酸味を味わえる。表面は堅めで歯ごたえもある黒いパンで、薄くスライスしていただく。小麦粉を主原料にしたパンに比べると長く保存できるのが特徴。
  • 「フォルコーンブロート」(Vollkornbrot)
    「フォルコーンブロート」とは全粒粉パンのこと。ライ麦が主原料なら「ロゲンフォルコーンブロート」のように呼ばれる。全粒パンは他のパンに比べるとより味が濃く香ばしいのが特徴的。
  • 「ミッシュブロート」(Mischbrot)
    ライ麦と小麦粉を同量で混ぜて焼き上げた「ミッシュブロート」。ライ麦の風味に小麦粉で軽さを加えたパンで食べやすい。
  • 「ヴァイツェンブロート」(Weizenbrot)
    「ヴァイツェンブロット」は小麦粉を90%以上使った白いパン。食パンに似た形のカステンヴァイスブロット(Kastenweißbrot)もあるが、食パンのように柔らかくはない。日持ちがしないため早めに食べ切るほうがいい。

小型パンの種類

ここでは、たくさんある小型パンの中から代表的なものを紹介します。

  • 「ブレッツェル」(Brezel)
    腕組みをしたような形が特徴的な「ブレッツェル」は、塩味を効かせた香ばしさが子供のおやつに、またビールのお供にもよく食べられる。ビールのお祭りオクトーバーフェストでも定番。
    ブレッツェルのパン生地に水酸化ナトリウム溶液に浸してから焼くため、パンの表面がつるっとした仕上がりに。劇薬として扱われる水酸化ナトリウムですが、熱に反応すると水酸化ナトリウムが中性塩に変化するため健康に害はないのでご安心を。
  • 「ブロットシェン」(Brötchen)
    小さなパンを意味する「ブロットシェン」は小麦後ベースの小型の白パン。朝食によく食べられてジャムにも合う。ドイツの南では「セメル(Semmel)」、ベルリンでは「シュリッペ(Schrippe)」と地域によって呼称が変わるのが特徴的。

ナッツを入れて食感も豊かに

またドイツのパンにはクルミやヒマワリの種、かぼちゃの種などのナッツ類、またはクミンシードのような香り高いスパイスなどを入れたパンもあり、大型パンと小型パンの両方で売られています。

クリスマスの定番は「シュトレン」

「シュトレン」はお菓子パンといった印象のクリスマスケーキ

ドイツのクリスマスに欠かせないのが「シュトレン」(Stollen)です。ドイツ人にとってはクリスマスケーキですが、そのしっかりとした食感からは甘いパンと言った方がいいでしょう。たっぷりのバターと砂糖の他にナッツやドライフルーツがたくさん詰まっています。

ケーキはフォークで食べますが、シュトレンは例外でフォークを使わずに手で持って食べるのがマナーです。

ドイツ人のパンの食べ方とは?

「夕食」の別称「夕方パン」

ドイツでは夕食の別称として「アーベンドブロット(Abendbrot)」つまり「夕方のパン」という呼び方があります。夕食にパンを食べる習慣があり、パンにたっぷりと無塩バターを塗って、その上に生ハムやチーズ、サラミ、スライスしたトマトやキュウリ、ピクルスなどを乗せて食べます。

ドイツでは肉の加工品が充実していて、チーズもドイツ産だけでなく近隣のスイスやフランス、オランダからの輸入チーズも手ごろな価格で買えるため、食卓には異なる種類のハムやチーズが並ぶことがあるでしょう。

「メット(Mett)」と呼ばれる生の挽肉に塩や胡椒などのスパイスで味をつけたものの夕食時には好まれます。

朝ごはんならジャムやハチミツなどを塗って

朝ごはんにパンを食べるときは茹で卵やスクランブルエッグなどが添えられることもありますが稀で、主流はハム、チーズのほかにジャムやハチミツ、ディップのようなスプレッドを塗って食べます。

昼食を軽食で済ますならサンドウィッチ

ドイツ人にとって昼食は一日の食事の中で最も贅沢だと言われています。なぜなら朝食と夕食に温かい料理がなくても、昼食には温かい料理を食べる習慣があるからです。

しかしゆっくり食事をする時間がない場合にはサンドウィッチがよく食べられます。スライスした大型パン、丸い形をした小型パン、さらに小さめのフランスパンもサンドウィッチに使われます。パンに挟むものはハム、サラミ、チーズ、スライスした茹で卵など日本でもお馴染みの食材です。

まとめ

ドイツ人にとってパンはドイツの食文化を代表する食材のひとつで、毎日のように食べる習慣があります。軽い酸味のあるドイツパンを食べ慣れると小麦ベースの白いパンは物足りなさを感じなくなるほど。数は多くありませんがドイツパンを売るパン屋もありますので、見かけたときにはお試しください。