うとうとと少しのあいだ眠ることを「微睡み(まどろみ)」と言います。ぐっすりと横になって眠るのではなく、気がついたら浅い眠りに落ちていた様子を表現する言葉です。
この記事では、「微睡み」の意味や読み方、使い方と例文や類語について解説します。英語表現とフランス語表現についても紹介しましょう。

目次
「微睡み」の意味とは?

「微睡み」の意味は「少しのあいだ眠ること」
「微睡み」とは、動詞である「微睡む」の連用形の名詞で「少しのあいだうとうとと眠ること」をさす言葉です。ぐっすりと熟睡するわけではなく、座ったままや横になってうとうととしたり浅い眠りに落ちたりする様子を表しています。
「微睡み」にはもう一つ「しっかりと眠る」や「熟睡するようす」といった意味もありますが、一般的には先に紹介した「少しのあいだうとうとと眠ること」という意味で使われています。
「微睡み」の読み方は「まどろみ」
「微睡み」の読み方は「まどろみ」です。
「微睡み」の「微」の音読みは「ビ」で訓読みは「かすか」であり、「睡」の音読みは「スイ」で訓読みは「ねむ(る)」です。どちらもそのままでは「まどろみ」とは読めない難しい読み方ですが、パソコンやスマートフォンでは、「まどろみ」を変換すると「微睡み」という漢字が出てきます。
「微睡み」の使い方と例文

ぼんやり眠っていたことを表現する時に使う
会社の休憩時間や電車で移動する際などにぼんやりとしていると、うとうとと眠ってしまった経験はないでしょうか?そういった様子のことを「微睡み」や「微睡んだ」などと言います。暗に少し眠っていたことを意味する表現です。
「微睡み」は小説や歌詞に使われることも多い
「微睡み」という言葉は、日本で作られた大和言葉のひとつです。日常会話ではあまり使われないかもしれませんが、その響きの美しさと叙情的なイメージから多くの文学小説や歌詞に使われています。
「微睡み」を使った例文
- 微睡みの中でぼんやりと考え事をしている
- 休憩時間の終わりのチャイムで微睡みから覚めた
- 疲れていたのか電車に揺られているうちにうとうとと微睡んでしまった
「微睡み」の類語は?

「仮眠」は「短い時間の睡眠をとること」
「仮眠(かみん)」とは、「短い時間の睡眠をとること」という意味です。「仮」には「一時的なもの」や「間に合わせなこと」という意味があります。しっかりとした睡眠時間が取れない場合や仕事などで睡眠時間が削られる場合に、その前後など一時的に眠って睡眠時間を確保することを「仮眠を取る」と言います。
「微睡み」はぼんやりとしているうちに眠ってしまったというニュアンスですが、「仮眠」は睡眠時間を確保するために積極的に眠ることをさしています。
- 今夜は夜勤のため夕方まで仮眠します
- 朝が早かったので少し仮眠を取ってから出かけます
「午睡」は「昼寝」のこと
「午睡(ごすい)」とは、「昼間に取る睡眠」のことであり昼寝のことをさす言葉です。特に暑い季節など体力の回復のために取る昼間の短い睡眠のことを「午睡」と表現します。日常会話ではあまり使われる表現ではありませんが、小説の中や保育の場などでは昼寝ではなく午睡と表現していることがあります。
「微睡み」のうとうとと眠るというニュアンスとは違い、「午睡」は日中に寝床に入りしっかりと睡眠することでありいわゆる昼寝のことです。
- 昼食後に午睡する
- 午睡をすると集中力が回復するらしい
「うたた寝」は「うっかり眠った状態」
「うたた寝」は、寝室など本来眠るための場所ではない場所で転がって眠ってしまうことを言います。「仮眠」や「午睡」のようにしっかりと睡眠を取るつもりではなく、ソファなどに横になっていたらうっかり眠ってしまったという時に「うたた寝をした」と表現します。
「微睡み」とほぼ同じ意味と言えますが、「うたた寝」は「転寝」とも書き、座ったままではなく横になって眠るというニュアンスが含まれています。
- 横になってテレビを見ていたらうたた寝してしまった
- ソファでうたた寝をしたら風邪をひいた
「微睡み」の英語とフランス語のフレーズは?

「微睡み」は英語で「drowse」「doze」
「微睡み」の英語表現には「drowse」や「doze」が当てはまります。どちらも居眠りやうたた寝という意味でも使わる単語です。また、「dozing off」は「うとうとする」や「居眠りする」という意味のフレーズとして使えます。
「微睡み」はフランス語で「somnolence」
「微睡み」はフランス語表現では、「somnolence(ソムノロンス)」が当てはまります。「somnolence」は「眠気」や「うとうと」なども意味する単語です。
まとめ
「微睡み」の読み方は「まどろみ」です。「熟睡する」という意味もありますが、一般的には「少しのあいだ眠ること」という意味の言葉として使われています。言葉の響きが美しいこともあり、小説や歌詞などにもよく使われる言葉です。
類語の「うたた寝」や「仮眠」とのニュアンスの違いを把握して、豊かな表現ができるよう上手に使い分けましょう。