「諫める」の意味は?目上・目下への使い方や類語「たしなめる」も

「諫める」とは、相手の過ちなどを指摘し注意することです。主に目下の者から目上の人に対して注意をすることを表します。「諫める」は「諌める」の旧字体のため、どちらを使っても誤用ではありません。

今回は、「諫める」の意味や古語での使い方、例文や類語「たしなめる」「諭す」等についてまとめました。英語表現についても紹介します。

「諫める」の意味とは?

「諫める」の意味は「過ちを指摘し正すよう忠告すること」

「諫める」の読み方は「いさめる」です。意味は「目上の人に対して、過ちや良くないところを指摘し改めるように忠告すること」を指します。たとえば、会社や組織で立場的に自分より上の人に対して、相手の過ちを指摘して忠告することが「諫める」です。

古語で「いさめる」は「禁止する」の意味

「いさめる」または「いさむ」は、古語において「禁止する」という意味で使われていました。そのため「諫める(いさめる)」には「禁止する」という意味もあります。

しかし現在では、先に紹介した「目上の人の過ちを指摘し正しくするよう忠告すること」という意味で使う方が一般的です。

「諫める」は「諌める」の旧字体

「諫める」は「諌める」とも表記されます。右側の一部分が違う漢字ですが、「諫める」は「諌める」の旧字体に当たるため、どちらを使用しても間違いではありません。「諌める」にも「人の悪いところを指摘する」や「あらためるよう意見する」という意味があり、同じく「いさめる」と読みます。

「諫める」の使い方と例文

「諫める」は主に目上の人に向けて忠告する場合に使う

「諫める」という言葉は、もともとは目下に向かって注意する場合にも使われていましたが、現在では一般的に「目上の人にむかって忠告する行為」をさします。

現代のビジネスシーンでは、部下から上司、自社から取引先へといった関係によく当てはまるでしょう。日常会話では子から親、生徒から先生へなどの関係性で「思い切って言います」という場面に使えます。時代劇などの歴史ものでは「家臣が主人の行いを諫める」という使い方もします。

目下に対する忠告には使わない

上記とは反対に、基本的に目下の者に対しての忠告には「諫める」を使いません。たとえば「部下の愚行を諌める」とは言わずに、「部下の愚行をたしなめる」「部下の愚行について諭す」といった言い換えをしましょう。類語については、以下で詳しく解説します。

「諫める」を使った例文

  • 気に入らないことがあるとすぐ周囲に八つ当たりする父を兄が諫めた
  • 不正を見逃そうとする上司をやんわりと諫める
  • 課長の言葉遣いがどうしても気になって諫めるようなことを言ってしまった
  • 部長は人の意見を聞かないので諫めても意味がない

「諫める」の類語・類義語は?

「窘める(たしなめる)」は「悪いところを注意すること」

「窘める(たしなめる)」とは、「悪いところを注意する」という意味。激しく叱るのではなく注意をすることであり、目上の人から目下の者に対して行う行為です。

「諫める」は目上の人に対する注意や忠告のことですが、「窘める(たしなめる)」は目下の者に対する注意をさします。つまり、上司が部下に使ってよい表現です。

例文
  • あまりにも遅刻が多い新入社員をたしなめる
  • いくら飲み会とはいえ部下が騒ぎすぎていたので窘めた

「諭す」は「目下に話を言い聞かせること」

「諭す(さとす)」とは、「目上の人から目下の者に話を言い聞かせること」です。理解しやすいようわかりやすい表現を使い、理屈や道筋を教え納得させることを言います。そもそも神仏が警告をするという意味を持つ言葉で、目上の人に「諭す」と使うのは失礼に当たります。

「諫める」は目下から目上に対して注意することですが、「諭す」は目上から目下に対して言い聞かせ物事を理解させることです。

例文
  • 母はいつも諭すように話す
  • 頭ごなしに叱るよりも落ち着いて諭す方が理解してくれるのではないだろうか

「戒める」は「前もって注意する・こらしめる」

「戒める(いましめる)」とは、「悪いことや間違いをしないように前もって注意をしておくこと」。間違っていることを改めるよう指摘・注意をすることをさします。また、「こらしめる」や「罰を与える」という意味で使うこともあります。

「諫める」の「過ちや良くないところを指摘し忠告する」という意味に対し、「戒める」は「前もって注意をする」というニュアンスが強い言葉です。

例文
  • 同じ間違いを繰り返さないよう戒めの言葉を壁に貼っている
  • 言うことを聞かない子どもを戒める

「諫める」の英語表現は?

「諫める」は英語で「warn」

「諫める」は英語で、「warn」を用いて表現します。「諫める」が持つ目下の者から目上の人にというニュアンスではありませんが、「注意する」や「警告する」という意味合いの単語です。

まとめ

「諫める(いさめる)」は「目下の者から目上の人に過ちや良くないところを指摘し改めるように忠告すること」という意味の言葉。子から親へ、部下から上司へなど、目上の人や年上の人に対して相手の間違っていることを指摘し、その間違いを正しくするよう注意や忠告をする場合に使う表現です。

部下から上司に対して注意や忠告をするのは勇気のいることですが、会社の将来のために間違っていることを諫めることは必要な場合もあります。ただし、相手によっては気分を害することもあるため、諫めるときには相手との関係性や言い方などに注意しましょう。